「ビッグバザール」に引き続き、またまた後日談になってしまいますが…。2017年7月9日。「関東カクタス専門家連盟 サボテンと多肉植物の即売会(以下 即売会)」に行ってきました。
アドロミスクスの価格高騰について思うこと
会場はとにかく暑い
会場内の様子をバッチリ写真に収めようとカメラを持って行ったのですが、関係者の方に撮影はNGとのご忠言があり、今回は写真がありません。撮影NGの理由は後々知ったのですが、簡潔に言えば防犯対策。業界をよく識る方にその理由を伺ったのですが、これは仕方がないことだと感じました…。
さて、2回目も1回目と同様に「五反田TOC」での開催。
五反田TOCといえば、サボタニファンの間ではおなじみの「サボテン・多肉植物ビッグバザール」が開催される場所。実はあらゆるメディアでビッグバザールの感想が書かれるのですが、夏でも冬でも一様に「暑かった!」との報告が並ぶのです。
で、今回の即売会。
それまでの気温が30度に満たない日が続いていたので、そんなに暑くはならないだろうとタカをくくって会場入り。ところが、東京では今季の最高気温32.5℃を樹立したのです…。
梅雨とは思えないほどのカンカン照りの日射に満員御礼の人だかり。普段はあまり揃うことのない希少なサボタニに興奮しない入場者はありません。
会場は凄まじい熱気に包まれ、某人気ブースはあろうことかクーラーの効かない隅っこに設置。僕はサウナばりの大量発汗をおこしながら多肉植物を物色したのです。
ビックリマンチョコにシールが付くこと、そして、カップヌードルの謎肉は不可欠であること。これらと同様に五反田TOCの多肉植物イベントには暑さがつきもののようです。はぁ、いい思い出。
あまりの価格高騰に驚いたんですけど
暑さと同じように面を食らったのが、販売される多肉植物の価格の高さです。一時期には人気ゆえにうなぎ登りの高騰をみせたコーデックス類もやや落ち着きを見せ、市場の流通量も一定の充足に至ったのか「アデニウム」などはだいぶ安くなったように思います。
とはいえ、パキポディウムなど栽培に年数を要する植物や、美品・希少性の高い植物は当然ながら高価格。そんなことは承知の上でしたが、何より驚いたのは今まで見向きもされなかった植物が10倍ほどの高騰をみせたことです。
アドロミスクスが数年前の10倍
僕が多肉植物を熱心に蒐集するきっかけとなったのは「アドロミスクス」というベンケイソウ科の植物。
当時はまだ、数ある多肉植物のなかの普及種の一部で、徐々に新参コレクターが触手を伸ばしている頃でもありました。図鑑にも載らない、エケベリアやハオルシアなどに比べてファンも少なければ専門性も低い…。
それでも「高度に多肉化する葉」が可愛く、のめり込んだマニアの心をつかんで離さない、魅力ある植物なのです。
しかし今回、会場で目の当たりにしたのは、当時の入手価格の10倍ほどの価格で販売され、それを有難がって購入するファンの姿でした。例えば数年前まで2,000円で購入できたアドロを20,000円で買う。これには非常に違和感を覚えます。
よくよくその理由を調べると、どうやら「幹が太くなる」から。塊根植物(コーデックス)ブームの影響がここまで及んでいるとは。
植物のどの部分に価値を見出すのか
アドロミスクスのみならず、あらゆる植物には花を愛でる、葉を愛でる、草木全体のフォルムを愛でるなど、植物には多様な着眼点があります。それはあって然るべきであり、むしろ、それによって園芸は文化として育まれ、ここまで発展してきたともいえます。
僕はアドロミスクスの多肉植物らしい葉を愛でるタチであり、どこに植物への愛着を持つかの善し悪しをとやかくいう資格は全くありません。僕がここで違和感を覚えるのは、販売側がその植物の価値(有用性)によって値段をコロコロ変えるなよ、ということです。
もちろんビジネスである以上、相場があってないような植物の値段をコントロールするのは至極当然のこと。僕だって販売する側に回ればそうします。けれど、今まで一定の価格帯で動いていた植物にいきなり10倍もの値段を設定し、あたかも希少品であるかのように装うのは辞めてほしい。
アドロミスクスは図鑑や多肉植物の実用書から抹消され、なかったかのように闇に葬り去られています。けれども色や、形、形態も多様で、知れば知るほど面白い。そんな世界を多くの人に知ってほしい。なので僕は、このブログでもちょくちょくアドロネタを投稿しています。そして(ほとんど更新はしていませんが)サイトも立ち上げました。
そこへアドロミスクスを扱う業者さんが値段を吊り上げ、せっかくその魅力に気が付いたファンの購入意欲を削ぐのは如何なものなのでしょう。この状況には残念、無念としか言いようがありません。アドロミスクスへの耳目が集まるのは嬉しいことですが、不用意に価格が高騰するのはガッカリです。
そして僕は常識的な価格の植物を買う
僕は良心的な価格で出品しているお店で購入
そういうお前は何を買ったんだよ!と問われそうですが、僕は良心的な価格で植物を販売するお店を重点的に選んで、そちらでお買い物いたしました。
以前から気になっていた、ロホホラ「翠冠玉」。
それから最近SNSでよく目にする「ドルフィンネックレス」。
いわゆる「インスタ映え」するんでしょうかねぇ(^-^;
さらに、買ってきてすぐに葉焼けさせてしまった「ドルステニア」や一目で気に入った「プラチナ金鯱」など各種サボテン等々…。
大枚をはたいて、そこでしか買えない植物を買うのもイベントの醍醐味ですが、真っ当な値段の、人気に左右されない自分が気に入った植物を買うのもあって然るべき。むしろ、高価な植物はブームとの兼ね合いも強く、ブームが過ぎてしまえば熱も冷める。後に残るのは、自分のインスピレーションで購入した植物しかありません。
帰りはGreenSnapユーザーの方々と合流
その後、会場内でばったりとGreenSnapユーザーさんと遭遇し、五反田駅近くの飲食店で植物談議にまぜていただきました。錚々たるメンバーなうえ、話題もすっごくディープ…(;’∀’)。
前々から思っていることなのですが、植物好きの人の話を聞くとワクワクが止まらなくなるのです。普段ならすぐに物事を忘れてしまうのですが、好きなコトの話はずっと頭に定着するのは何故なのでしょう(笑)。そこにいる人たちもみな、輝いて見えるし…(笑)。
そんな植物のオフ会。機会があったらまた、参加します!
次回は来年?その前に大事なイベントがあるよ。
次回の「即売会」はいつ?
昨年の即売会終了後もすぐに次回の開催はいつなのかと話題になりました。結果、1年という期間をまたいでの開催という流れ。ボタニカルマートさんのFacebook投稿には
とあります。どうやら次回の即売会は来年のよう。それまで楽しみに待ちます!
2017年9月は「ビッグバザール」がある!
と同時に、このイベントも見逃せません。お馴染み「サボテン・多肉植物ビッグバザール」です。開催日は、
2017.09/18(祝)
だそうです[*01]。イベントの詳細情報はこちらから。9月って、もう来月ではありませんか。1年はホント早い。
まだまだ暑い日が続くと思います。皆さんも暑さ対策をお忘れなく、お出かけください。
- 参考:http://www.ne.jp/asahi/isij/japan/1event.html [↩]