行ってみきゃ分からない!ぐんまフラワーパークの魅力
「あしかがフラワーパーク」の人気に埋もれてる?
思い返せば、仕事の休みは基本的にどこか植物関係のスポットへ出掛けています…。職場の方曰く「群馬の山間部は雪が降ると出かけるのに大変だから…」と脅かされているのも、それに拍車をかける一因だったりするのです。
お隣の栃木県には「あしかがフラワーパーク」があり、毎年5月頃になると栃木県の天然記念物でもある「藤」が見事に咲く…。そんな景色を観るためにバスツアーをはじめ、多くの観光客が訪れます。それとは反面、ぐんまフラワーパークの情報ってあまり見聞きしないのです…(泣)
それなら行ってみよう!と車に乗り込みます。
赤城の観光スポットが立ち並ぶ付近を通過し、入り口に迷いながらもなんとか到着。この日は天気も良く、大汗を掻きながらフラワーパークを巡りました。
結論から書きます。
温室も丁度いい大きさで、各施設も充実。敷地も広大ではなく、休日に家族で楽しむ分には丁度いい。そんな感想を持ちました。
夜間特別イベントもやってるそう
まず僕が向かったの「フラトピア大花壇」。
中央には水路が設置され、階段を登りつつ花を眺める。ところどころに、ライトアップようの設備が準備されているのですが、その理由は夜間特別イベントなどの開催のため。ちなみに8月には花火大会も行われるとのこと。
きっと、お昼の園内とは違った景色をみることができるのかもしれません。もっと早く知っていれば…(;’∀’)。
涼を呼ぶ、美しいギボウシたち
次に向かったのは「フラワーホール」。
この施設の前では「ギボウシ展」が開催され、涼し気で品の有るギボウシが幾鉢も並びます。
そもそもギボウシは日本原産のものが多く、わが国が誇れる園芸植物でもあります。
ギボウシとは
東アジアに分布する毎年花を咲かせる多年草です。分布の中心は日本で、多くの種があります。つぼみの姿が橋の柱の先端についている擬宝珠(ぎぼし)に似ているところからつけられた名前です。
アメリカなどでは属名のホスタの名で呼ばれます。
アメリカでは非常に人気の高い植物です。葉の見事さを鑑賞し、花を咲かせても観賞します。引用:会場設置のパネルより
庭先で優雅に葉を広げていたり、盆栽としても扱われたりと様々に活用されるギボウシ。この展示を見て俄然気になりだしてしまいます…(笑)。なんて流されやすいんだろう(^-^;。
子供連れに「優しい」利便性を垣間見る
他にも、子供が思いっきり遊べるアスレッチクが設置された「キッズエリア」。
そしてレストランが併設された物品販売施設のなかには、軽食を注文できるブースも。1日中遊んでも不自由のないサービスが受けられるのは有難いです。
とくに、園内でおもちゃを購入できるのは、フラッと立ち寄った子供連れには大変うれしい!
他の植物園には無いような利便性に富んだ「優しさ」に溢れています。案外、良いじゃん。ぐんまフラワーパーク!
4つの地域ごとに区分された「温室エリア」
そして注目は「温室エリア」。普段、観葉植物として流通している植物が、本来はどんな姿をしているのかを身をもって体感できる。植物園の温室はそういった利用方法もあります。
この温室エリアは大きく4つに分かれていて、植物の分布(国)によって区分けされているのが特徴です。
- インドネシアエリア(ラン温室)
- フィリピンエリア(熱帯花木温室)
- ブラジルエリア(ベゴニア温室)
- メキシコエリア(サボテン温室)
インドネシアエリア(ラン温室)
まずはインドネシアエリアへ突入。洋ランを中心に集められた温室内では、ほのかに漂う心地よい香りが。
熱帯植物に紛れて、ところどころにランが顔をのぞかせるのです。可愛い。
中でも気になったのは、このラン。
ツルランでしょうか?白装束のエイリアンって感じがします(笑)。
それからあまりの鮮やかさに異彩を放っていた「ネオレゲリア」。
眩しいくらい輝いています。こういう植物が元気に植わっているのに、SNSに投稿しない手はないですよね?これこそ昨今話題の「インスタ映え[*01]」しそうです。
フィリピンエリア(熱帯花木温室)
インドネシアエリアを抜けると、そのまま「フィリピンエリア」に入れます。
ここではいきなり、どでかいビカクシダやチランジアがお出迎え。
やっぱり、自宅で育てているビカクシダとは比べ物にならないくらいデカイ。ここまで育てるにはどれくらいの期間を要するのでしょうか…。
ここで気になったのは「ヘゴ」。
蘭やビカクシダなどの植物を着生させるために利用されるのが、この植物を使ったヘゴ板。乱獲により数が減り、ワシントン条約で制限されている…ということは聞いたことがあります[*02]が、実物を目にしたのはたぶん、これがはじめて[*03]。
本当に「シダ植物」なんだという思いと同時に、こんな樹からキメの細かいヘゴ板が作られる不思議さを感じずにはいられません。
メキシコエリア(サボテン温室)
いったん2棟続いた温室を抜け、今度は別の入り口から「メキシコエリア」へ進みます。
メキシコといったら、そう、サボテンです。
他の温室に比べれば殺風景なのかもしれませんが、よく栽培される有名なサボテンから、ときどき話題になるハオルシアまで、ほどよくまとまっている印象を受けます。
あっ、ウェルウィッチアを見つけました!
昨年に発売された龍胆寺雄氏の「シャボテン幻想」。ここにウェルウィッチアの栽培に関する話が掲載され、楽しく読ませていただいたのですが、案外、水を吸う植物なようです。
そのためか、砂漠に生える植物系の栽培ではタブー視される「鉢皿に水」という底面給水を施しています[*04]。一般的な多肉植物は水はけの良い土でサッと排水できることがセオリーだったりするのですが。
そんな生体からもある種魅惑を感じるウェルウィッチア。そもそも和名も「奇想天外」でしたか。
ブラジルエリア(ベゴニア温室)
最後に回ったのは「ブラジルエリア」。
ここは別名を「ベゴニア温室」とあり、ここにきて「ぐんまフラワーパークはベゴニアに力を注いでいるのでは?」と感じました。なぜなら、正直なところ他の温室よりも手が込んだディスプレイになっているから…(;’∀’)。
ちなみに僕の中でのベゴニアはこんな花のイメージが強いのですが、
まるでバラのような花を咲かせるベゴニアもあるのです。
「フローティングフラワー」という水に浮かべて花を観賞する際にも結構使われていたりします。
そんなふうに多様な姿を魅せてくれるベゴニア。このブラジルエリア温室では「花ベゴニア」や「木立性ベゴニアの矢竹型」、「つる性型」や「レックスベゴニア」などを展示しているとのこと。
ベゴニアの知ることのなかった魅力を存分に味わうことができました。
丁度いい規模感の温室
この他にも「おやッ!」と思った植物がいくつか点在していたのですが、それは来てからのお楽しみ。温室の規模も小さすぎず、大きすぎず、ちょうどいいのです。
とくに、インドネシア温室とフィリピン温室の間にトイレがあるのは「分かってるなぁ」と…(笑)。植物を観て興奮すると、たまに便意を催すことがあるのです…。さらに言えば、植物を鑑賞して興奮した頭をクールダウンできるかのような休憩室まで温室横に設置とは!!(笑)。
植物好きのための温室…ではないかもしれませんが、あらゆる人に配慮されているのです。お年寄りから障害のある方までゆっくりと巡ることのできる施設づくりには好感が持てます。
程よく楽しめる植物園
冒頭でも書きましたが、家族連れが休日にフラッと来て、程よく楽しめる。公園で遊ぶのも良し、ご飯を食べに行くのも良し、そして植物を観に行くのにもお手軽です。
あと、ガーデンプランツがメインですが、植物のお買い物もできます。
他にも季節折々、見どころが変わるのが植物園。個人的にはリフレッシュにまた行きたいと思えるスポットでした。
- instagramをメインとしたSNSに投稿するための写真に対する判断基準。いかに「いいね」などの評価を得られるかは被写体の善し悪しによる…といった風潮もあるため、敢えて話題になりそうな撮影スポットを予め設置する個人や業者もある [↩]
- 参考:http://www.yonemura.co.jp/oversea/main/mame/003/003p.htm [↩]
- もしかしたらどこかの植物園で見ているかもしれませんが、意識して観賞したのは今回が初めてです [↩]
- 水遣りしていた水がそのまま残っているだけなのかもしれませんが…。それでも乾燥した用土を好む植物だとわかっているのなら、鉢皿は置かないですよね [↩]