このコロナ禍で地方への「転入」が「転出」を上回ったというニュースを見聞きしするようになりました。
これは人材不足に喘ぐ地方にとっては良いニュースなはずですが、僕は危機意識を持っています。
それは一時的なものだろうし、本質的には何も変わらず、どうせすぐに人々は都心部へ戻ることになるだろうから。
「農業をなめるな!」の弊害
内田樹氏の記事が炎上
以前、内田樹氏の論評がネット上で炎上しました。
論評を要約すれば、引きこもりの人を地方部に移住させ自然に飲み込まれないように「歩哨」となってもらう。
そして気が向いたら畑でも耕してもらおう…と。
僕もこの記事を読んだときには「何言ってんだろう」と違和感を覚えました。
案の定、ネットでは、
- 「気が向いたら、畑を耕して」←土づくりなめんな
- 「ニートに農業をやらせろ」「生活保護者に農業をやらせろ」とかなんで農業ってここまで軽く見られてる言説おおいだろう。
- 農業の「の」の字も知らない都市人を田舎に送り込んで文化も農業も破壊し尽くした文化大革命にそっくりで、さすが現代資本主義批判の旗手って感じ
などとプチ炎上。
ところが考えれば考えるほど、地方に人を呼び込むためには仕事が必要。
で、過疎地の基幹産業である農業をそこまで神聖化する必要があるのか?というのが僕の結論。
あらゆる労働をこなすことができる「百姓」という存在が、いまや分業の進んだ都市部の労働に賃金的にも待遇的にも人材的にも、あらゆる面で水をあけられている状況。
ならば、ひきこもりのひとやニートのひとまで、誰もが農業に携われるよう、間口を広めることは間違いではないと僕は思ったのです。
ひとが居なければどんな産業も継続は不可能だから。
むしろ「農業なめんな!」という考えが農業を衰退させる一因で、難しいことや苦労しなければ成り立たない産業ではない方向にシフトしていくことこそが必要なのではないでしょうか。
「誰でも農業に携われる」という希望
そんなとき読み進めていたのが、『東大卒、農家の右腕になる』という本。
著者の佐川友彦さんは、東京大学を卒業後、外資系企業に入社。
大きなプロジェクトを任されたものの、その後プロジェクトは座礁。
責任感の重圧にのまれ心を病んでしまうのです。
以後、栃木県の「阿部梨園」で「畑に出ない農家の右腕」として現場を改善していく仕事にまわるのです。
たぶん、僕は他の人とは違う読み方でこの本を読んでいて、感じたことは、「社会からドロップアウトしたひとでも、環境とやる気さえあれば再登板できる」こと。
逆に言えば心に傷を負ったひとが働くには、あるいは他業種から転職するひとがいたらどうすれば良いのかを示した本でもあると読みました。
ちなみに僕も前職はまるで農園芸業界とは違う職種にいて、この本に書いてあることは共感することばかり。
というより、こうすることできっと良くなるだろうと頭の中で考えるだけのことを、佐川さんの所属する「阿部梨園」では日々実践し、確実に成果を挙げている、まさに「実践の書」だったのです。
他産業と農業のデフォルトに差が
例えばある地域に、コンビニやチェーンのスーパーなどがあったとします。
そこでとある学生が一定期間アルバイトをしたあと、いざ農業の現場へ足を踏み入れたらきっと、その労働環境の差に驚くはずです。
「あれ?以前バイトしていたところよりも、いろいろとテキトーじゃんね」…と。
本書にもこうあります。
ところがある日、彼(通年雇用した若者※筆者注)に退職希望を告げられてしまいます。端的にいうと理由は条件面でした。通年雇用と言っても、最低賃金と大差ない時給払いで、退職金や有給休暇はおろか、手当や社会保険もありませんでした。せっかく梨作りで心を一つにできて、梨技術も覚えてもらっても、条件が整わなければ、袂を分かつことになってしまう。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p52
そこで著者は「阿部梨園(著者が働く梨園)」の経営状況を聞いたところ、
早速ここで、大きな誤算がありました。経営に関する、使える情報がほとんど無かったのです。事業計画はそもそも存在せず、生産データもとっておらず、販売データは取引先ごとの売上総額がうろ覚えで出てきた程度でした。
(略)
全体像も数字もない。経営者の感覚も言語化できない。お手上げのような状況ですが、これこそ日本の平均的な農家の現状なのだと察しました。人一倍がんばっている阿部梨園ですらできていないのであれば、大半の農家でもできていないはずです。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p56
大規模化や機械化、IT化で生産効率を高めたり、ブランディングや販路開拓で売上を増やしたり、国や自治体が補助をしても、経営の基本ができていない状況では「焼け石に水」になってしまうことは容易に想像ができます。逆に、これだけ「経営」と向き合わないまま、百万件単位の事業者が存続してこられたのだから、日本の農業はある意味すごいなと感じました。
デフォルトで「当たり前」だと思われていることが農業界ではできていない。
出来ていないからこそ、新しい人材とのマッチングもしないし、そもそも集まらない。
それだけではなく、国などからの補助が滞れば、一挙に経営すら立ち行かなくなる農業者が他も多数だろう。
そんなことを数日間で見抜き、徐々に、そして着実に変革をもたらしていく著者の佐川さんはやはり、タダモノではないと僕は思うのです。
アマゾンレビューからみる「農業経営者」の悪い一例
肝は「農業経営9か条」
まず僕は、この本の肝が書籍の真ん中、色が変わっているページ(第1章後半)にあると考えています。
緑色のページはまるでサンドイッチの玉子のよう。
玉子やハムがあるからサンドイッチとして成り立っている。
玉子やハムがなければそれはただのパンです。
「9つの仕事術」は佐川さんから視た農業への携わり方。
「農業経営9か条」は小さな農家全体に向けた提言。
だから特に読むべきなのは「農業経営9か条」です。
唖然としたアマゾンレビュー
さて、アマゾンレビューにはこんな投稿が…。
著者を擁護するつもりはありませんが、この投稿を目にしたとき、唖然としました。
このレビュアーの他のレビューを読むと、「長年、農業に携わっている」とありますが、従業員を雇う農業者でないことを祈るばかりです。
なぜなら、あまりにも視点がズレまくっているから。
本書の「農業経営9か条」を読んでいれば基本、この感想は的外れであると気が付きます。
① 内容が絞り切れていない
単純に改善すべきことを羅列したら、多様な改善点になってしまったからなのでは?
むしろ、「大半の農家」が似たような状況であるだろう改善点を記録・公開したらここまで内容が豊富になってしまったわけで、裏を返せば、こんなにも改善点があった(他の農業者もあるだろう)ということ。
本書には、
ただ、農業経営において小さい部分がないがしろにされてきたことに、私は危機感を抱いています。かたや設備投資のために数千万円の借り入れをしているのに、一方では従業員の給与明細もない。直売で繁盛しているのに、現金出納や販売データは全然管理されていない。外から見えない経営の部分は未熟で、端的に言えば脆い状態です。いくらテクノロジーが進化しても、行政や周囲が支援しても、経営がおろそかにされたままでは発展は望めません。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p206
とあり、小さい改善が積み重ねられた結果、いまの阿部梨園が作り上げれたとあります。
のちに田中延泰氏のインタビューにて、阿部梨園の経営者である阿部英生さんは、
「守った人だけそこから人生は変わるから。言われたことをちゃんと聞けば、自分は心置きなく畑に出られる。佐川くんが、後方のことは気にしないで堂々と畑に出ていける舞台を整えてくれたんです」
引用元: 本は、果実だ。 | 東大卒、農家の右腕になる。 | ダイヤモンド・オンライン
と述べています。
つまり、改善すべき小さな要素を余すことなく本書は提示し、それによる成功例もある。
だからこそ、小さなことから実直に自分の事業と照らし合わせてみたらどうか?という指南なのです。
第2章のノウハウの読み方については
小さい改善にこだわって実施し、記録を残してきたので、一連した複雑なプログラムではありません。どこからでも、必要なところや、気の向いたものから取り組むことができます。一つひとつ軽量な改善なので、すぐ着手して、すぐ成果が出ます。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p225
ともあり、内容を絞ってしまえば、むしろ実行に移すことができない「精神論」。
そんな紙クズ同然なものではなく、使える小さな改善点を集めたものなので、内容が多様なのはむしろ当然では?
むしろ、「味がよく分からない」ということは、すなわち改善すべき提示された項目を「いっぱいあって理解できないよ~(泣)」と述べているのであって、自らの改善点が何なのかすら分からない、と述べている可能性もあります。
農業経営者がこういう方ばかりでないことを願います。
② 時間のない経営者がすぐに理解するのは難しい
結論から言えば、時間がないからこそ理解し、実行してください。
「時間がない」ということは単なる言い訳で、システマチックに業務を進めることで、無駄な時間の短縮にもなり得る。
また、健康保険に関する点については本書の、「社会保険にともなう事務手続きは、想像されているほど煩雑ではありません」という記述からのコメントからだと思います。
すぐ脇には、
わからないことがあっても、労働局や年金事務所が丁寧に教えてくれます。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p281
と続いています。
ともすれば「リスクがあるから」「時間がないから」「面倒くさいから」→「やらない」ということにもなりかねません。
けれど逆に言えば、社会保険を加入すれば、農業分野において新しい人材をスムーズに、長期的に確保できる可能性が高まるということでもあります。
分からなければ然るべき機関に相談すればいいだけのハナシです。
しかも、この本のもとになった「阿部梨園の知恵袋」に、社会保険について細かく記載があります。
ページ数が少ないことを嘆いていますが、当該のウェブページは情報量も豊富であり、適切(だと思われる)なリンクもあります。
本書中盤にはこの「阿部農園の知恵袋」を制作する経緯と理念についても述べられているのですが、このレビュアーはほんとうに本書を読んでいるのでしょうか?
③従業員よりの考えが多々ある
③のこの部分、最強に違和感。
もっとも、「従業員よりの考え」を基にした本を「農業経営者」的な書物ではないと喝破してしまうひとの下で僕は働きたくはありません。
えっ、ヤバくないですか?
「従業員よりの考え」が多々あるから「農業経営者」ではないって判断しちゃうコト…。
むしろ、「従業員よりの考え」ができない農業者が多いからこそ、現下の農業界は人材不足に喘いでいるのですよね。
人材不足だ→シルバー人材使えない→技能実習生を扱き使おう!→脱走みたいな。
その点についても「農業経営9か条」で佐川さんは見抜いています。
小規模農家では、事業主が一人で判断する場面は多いです。一人農業や家族経営からそのまま雇用を拡張すると、自覚のないまま、はからずもワンマン経営になります。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p208
ここでのワンマン経営とは「乱暴な社長」のような性格的なものではありません。業務や責任を従業員と分かち合えない、スタッフが主役になれない経営のことです。一人で全てを背負うのも立派ですが、それでは主体的なスタッフが育ちません。裁量のない仕事は成長が実感しにくく、やりがいの枯渇から離職にも繋がります。
「裁量のない仕事」とはどういう労働形態をいうのでしょうか。
僕は、命令を与え、言われたことだけの作業をこなす雑用係のような仕事のこと、と考えます。
そして、指示とは違う、命令以外の行動をした際にしかりつける…。
労働者側がどんなに工夫し、向上しようとも、指示とは違うというだけで叱責されるので「主体性」もなくなる。
結果、言われたことだけしかしなくなる…という、第一次産業の現場ではありふれた光景です。
関連記事を以前書いています。
続きます。
従業員ファーストのコツは「譲る」ことです、スタッフに「仕事」を譲りましょう。「自分でやったほうが上手い」「自分でやったほうが早い」と現場で主役を張ったままでは、いつまでも楽になりませんし、スタッフの主体性やプロ意識は育ちません。思い切って仕事を任せて、少しずつ管理側、教育側に回りましょう。スタッフの成長が農園の推進力になります。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p210
まさしくこの4ページにわたる部分が今後、農業が産業として生き残っていくためには重要。
「従業員よりの考え」にたって、農園の推進力のためにスタッフを成長させる。
ここに尽きます。
このレビュアーは何を持って「農業経営者的な考え」だとしているのか不明ですが、少なくとも自らの「農業経営者的な考え」が「従業員よりの考え」と相反していることを自身で宣言しているようなもの。
僕の経験上、「従業員よりの考え」ができていない経営者は、指示したことをできない従業員を「使えない」と切り捨てる。
使えないからと仕事を横取りし「やってる感」を自演、それを「オレの成果」とばかりに強調する人でしょう。
そして「やることがたくさんあって時間がない」と宣うのです。
部下の手柄を強調する上司は、慕われます。これは常日頃から手柄を取らせるよう仕事を譲ってこそです。間違っても自分の承認欲求のためにスタッフを酷使しないでください。
引用元:東大卒、農家の右腕になる。――小さな経営改善ノウハウ100 p211
まさしく、です。
部下をしかりつける前に「できるまでやらせる」「ミスはOKだが、ミスをしないように考えさせる」「それ以前に指示の仕方は適切だったか」など「仕事を教える」点において、使用者側(上司側)の反省はないのでしょうか。
いわば「仕事を教えるという仕事」ができない人が圧倒的に多いのです。
阿部梨園の求人ページには、
雰囲気いいです
一人ひとりを大事にするマインドをもった代表です
お互いを大事にする、優しい人が集まっています
とにかく、「めっちゃ楽しい」をスタッフが連呼しています引用元: 求人情報(’20/07更新) | 阿部梨園
丁寧に教えます
未経験なのは当たり前です!
ゼロから丁寧に教えます
各作業をなるべく単純化し、誰でもできるよう工夫しています
難易度の低い作業からお願いしています
とあり、ここにすべてが凝縮されているように僕は感じました。
はじめてだからできないのは当たり前。
ゼロから丁寧に教えるのも当たり前。
作業を単純化して誰にでもできるようにしている…という工夫ですら、農園芸業界、いや第一次産業ではできていません。
忙しいから教える暇がない→できないと従業員を叱責する。
そんな「バカな現場」がありふれているからこそ、現場から人が居なくなり、産業が衰退するのです。
教育も仕事も、人材を育てることがまずはスタートでは?と僕は思うのですが…。
大規模な法人ならともかく、せっかく小規模であるのなら、ひとりの人材をしっかり育てることが大切ではないのでしょうか。
管理しなければならない人材が膨大で、目が行き届かないのならともかく、少人数と言うアドバンテージがあるからこそ農業の現場は「従業員よりの考え」であってほしい。
このレビュアーの書いた「従業員よりの考えが多々ある」という一文のもつ重大な倒錯…。
「農業経営9か条」のたった10数ページですら理解できないほど、この方はお忙しいようです。
そのうえ、時間がない農業経営者のわりには「完全に理解すること」を一冊の書籍に求める。
「完全に理解する」勉強って時間が掛かるものだと思うのだけれどなぁ。
「完全に理解する」ことを目標にひとは勉強するんだと思うんだけれどなぁ。
だからこそ、理解しやすい資料を手に取ると思うんだけれどねぇ。
繰り返しになりますが、このレビュアーが従業員を雇う農業者でないことを祈るばかりです。
「変わること」の素地
佐川さんと出会って飛躍した変革
最後に感じたのは、阿部梨園の代表、阿部英生さんの懐の深さ。
「家業を事業に」とか、「守りながら変えていく」とか、阿部さんの持っていた変化する素養(土壌?)みたいなものが、佐川さんと出会ったことで一気に開花したようにも見えるのです。
つまり、旧来のままだと事業の継続は困難。
けれど具体的にどう変えていいのか分からない…ということへの解決策を具現化したのが本書だと読んで感じます。
また「畑に出ない」というのは佐川さんの強みを活かすための方途でもあり、もしかしたら苦手なことをし続けることへの回避だったのかもしれません。
できないことを無理にやらせない。
できないからと排除せず、最高度に達成可能な作業をやり遂げさせること。
そしてその環境を用意できること。
これは結構、旧態然とした労働環境では難しいことだと思います。
「現場でともに同じ作業をする」ことで従業員との距離感が縮まること、作業予定がたてやすいことに否定はしませんが、異質な存在を受けいることができた労働環境もすごい。
「ちがった意見を持つ」ひとを受け入れたから、変われるのだと強く感じます。
実際に先日投稿された記事にもほぼ同じ内容のことが言及されています。
従業員からの意見に耳を傾け、議論し、変えていける素地。
そんな環境があったからこそ、ここまで綿密なノウハウを蓄積できた。
そして経営も改善できた。
どんな事業体でも、この方法論が適用されるという訳ではないと思います。
が、少なくとも学ぶべきポイントはかなり多いです。
僕も実践…!
ちなみに本書を読んで僕は、会社で支給される業務日誌を勝手に改変し(笑)、1日の作業を4コマにして記録し始めています。
以前からどんな作業を行ったのかの記録は誰よりも書いているつもりでしたが、確かに「作業における時間」という指標では記録をしていませんでした。
つまり「日単位」では作業量を追えるけれど、「時間単位」では追えない。
ならばと、作業項目が多数に及ぶときもあるので、1日を4コマにして記録しています。
これがどのような威力を発揮するのか。
自分が行った作業が次のシーズンとどう対比できるのか。
それによる心境の変化はあるのか。
いろいろと楽しみではあります。
「阿部梨園」の知恵袋も使いやすい
ひとつひとつが小さな改善点の列挙ではあるものの、一挙に俯瞰できる媒体はほかにみたことがありません。
某農業雑誌には「農作業の一工夫」や「関連法規の紹介」みたいなかたちで、ところどころに紹介されることはあっても、かゆい所に手が届く「使える情報」はあまりない。
むしろそうした旧態然とした媒体では言及されないだろうネットでの買い物やフリーソフトネタなども本書では赤裸々に。
ある人にとっては「当たり前な情報」ばかりが並んでいるかもしれませんが、僕らにとっては再発見だったり、探し損ねていた答えを見つけ出したり。
だからこそ僕にはこの本が、そして「阿部梨園の知恵袋」が、頼れる存在に思えてならないのです。
ウェブサイト「阿部梨園の知恵袋」はなにより「検索」できるから、すぐに参照でき、使いやすい。
書籍と無料の情報サイト「阿部梨園の知恵袋」。
両方とも、おススメです。
冒頭、地方部へ「コロナ疎開」したひとでも、コロナ後にはすぐに都会へ戻るだろうと書きました。
それは都会にはあって田舎にはない、何かをひとは求めるから。
逆に言えば、都会にはないものを地方では都会以上に見つけ出さなければならないのです。
そのひとつに「働きやすさ」があっても不都合はないのではないのでしょうか。
女性でも、お年寄りでも、外国人でも、障害のあるひとでも…。
ゆえに「働きやすい職場」をつくるのもひとつの「小さな改善点」。
過疎地の人材不足を少しでも解消するための方途でもあるはずです。
以上、現場から授業員目線の報告でした。