2020年6月号『趣味の園芸』に我がアドロミスクスが掲載されています!

「趣味の園芸」にアドロミスクスが掲載!

誰かアドロを紹介して!って思ってたけど…

「趣味の園芸」2020年6月号を手に取り、ページをめくる。
すると突如として「アドロミスクス」という文字が飛び込んでくる。
しかも誌面には、見覚えのあるアドロミスクスばかり…。
とうとう「趣味の園芸」にアドロミスクスが登場する日が来るとは…。

誰かアドロミスクスの話題を出してくれないかなぁ~とは思っていました。
が、まさか自分がアドロミスクスを趣味の園芸で語るとは思ってもいませんでした

2012年のAdromiscus schuldtianus

そうです。
この度、NHK出版さんから発売される「趣味の園芸」2020年6月号に、不肖「杢太郎」が取り上げられています
いや、厳密に言えば、僕が取り上げられているわけではありません。
特定の植物を深く愛する人を紹介する「ディーププランツ入門」に、アドロミスクスと私的な意味合いで、アドロミスクスが取り上げられているのです。
短いですが濃密な内容となっています。

そもそも僕はなぜ、アドロミスクスに興味を持ったのか…。
振り返ればそれは1冊の本との出合いからはじまります。
詳しくは以下の投稿をご覧ください。

が、もう少し深く「自分語り」をしてみます。
良いですか?語っちゃって(ダメと言われても語っちゃうけど)。

マイナーだからこそ好きだった、とも言える

アドロミスクスに出会った当時の僕は社会人になりたてで、そもそも園芸なんて古臭い趣味だと思っていました。
「園芸」なんて老人が余暇でやる錆びれた趣味だろう、と。
いっぽうで、東京で室内装飾を学んでいたこともあり、空間を演出するインテリアグリーンのほうが先進的ではるかに可能性がある
だから僕はいつか「インドアグリーン」の業界で、格好良く、スタイリッシュに、そしてスマートに働いているのだろう。
学生時代は、そんなことを思い描いていたのです。
いま思えば、とんだ倒錯

当時の僕は、観葉植物を部屋中に置いて育てる、絵にかいたような園芸男子。
これからは室内でも順調に育てられる植物に注目が及ぶ!として、薄暗い部屋でアスプレニウムだとか「スマートっぽい」植物を育てたりもしていました。
当時はサンセベリアの「スタッキー」が商業施設のディスプレイに多く使われるようになっていて、その流れで「多肉植物」にも一応、興味を持っていたのです。
「多肉植物」というカテゴリーには他にも面白い植物があるんじゃないのか、と…。

そんな自信過剰に自惚れた社会人数年目のヤロウの前に現れたのが、アドロミスクスだったのです。
アドロミスクスに出会って僕は大きく変化していきました。

Adromischus cristatusのインディアンクラブ。まさに「高度に多肉化」してる

そもそもアドロミスクスは、幸か不幸かマイナーなジャンルの植物群
一般的には「多肉植物」に部類し、ベンケイソウ科の1種であると認識されています。
「僕、アドロミスクスを育てているんですよ」と言えば、(僕よりもずっと)上の世代の人からは大抵「そうか、サボテンをを育てているのか」と答えられる。
同世代からは「あの、アベノミクスがどうのこうのって植物はどうなった?」となったり。
マイナーな植物である以上、通じないことを前提に趣味をひけらかす。
これがある意味、流行に流されない信念を貫いてるオレ様のアイデンティティーでもあり、「アドロミスクスという変わった植物を育てている杢太郎」という自己ブランディングを行うための重要な材料でもあったのです。

アドロミスクスだけでは行き詰った

けれど、あまりにもマイナー。
アドロミスクスに手を出した当初、「アドロ」という略称で通じる人は少数だったし、なんならmixiのコミュニティに入って情報収集しても、普及品ばかりが話題にのぼり面白くない(笑)。
結果、これは自分でサイトを立ち上げよう!と考え、作ったのはこんなモノ。

2年ほど投稿してはいましたが、記事をいちど全部消しました。
趣味の園芸にも書いていただけましたが、アドロミスクスだけをみていると視野が狭くなるような気がしたのです。
園芸はやっぱりどこか繋がっていて、アドロミスクスから思いもよらぬ発見に至ることがある。
そうすると、他の分野も書きたくなるし、逆にアドロミスクスの記事が書けない。
アドロミスクスに特化したことの後悔に凄まじく苦しんで…。
これはもうムリ!と、1からやり直そうと自分の頭をリセットする意味でも、全部消したのです。

最終的に、この「ボタニカログ」に注力することになるのですが、それはそれで意味があったのかなと感じます。

アドロミスクスがあったからこそ今がある

植物のことなんて、僕にはなんの知識もない。
それにブログは一応、不特定多数のひとが閲覧している。
だから、ウソは書けない
ウソが書けないからこそ、今の自分の現状と考えを、つまびらかに記録していくほかはない。
だからこそ、イベントに行ったり、実物を自分の目でみて体験する。
ありきたりで当たり前なことは誰も興味を持たないから、自分の頭で考えて、なるべく他の人とは違う結論を出す。
インターネットのある種「即時性」と「オリジナリティ」みたいなものは、こういう投稿があるからこそ担保されると僕は思うのです。
そんな「いま、ここ」の等身大の思考をブログにぶつけていくなかで、老若男女を問わず、ある程度の人に見てもらえるようになりました。
ほんとうにありがたいことです。

ひとくちに「アドロミスクス」といっても、こんなにも多様

それと同時に、多くの人に出会い、植物、もとい園芸への理解が(自分なりに)進みました。
まだまだ知りたいことがたくさんあるし、やりたいことも山ほどある。
そして、未熟者のクセに生意気なことを偉そうに語りたいネタが腐るほどある(いや、書かないで終わってしまったネタが半分以上腐ってる)。

そう考えると、アドロミスクスに出会っていなければ、
ブログを書かなかったし、
花屋でアルバイトをしなかったし、
鉢物生産の現場に身を置くこともなかった。
もっとも、趣味の園芸に載ることなんて、まずをもってなかったはず(むしろ、上から目線で感想を書き過ぎ、いつかお叱りを受けるだろうとは思っていたけれど…)。

これまでの「帰結」がちょっぴりと。

うにょうにょと遠回り、あれこれと要らないことを考えた帰結がちょっぴり、趣味の園芸に載っています。
しかもアドロミスクス単体で特集がなされる媒体を、僕はかつて見たことがありません
自分で言うのもアレですが…(笑)。
もっとも父の日を前にしてプレゼント選びのために、アジサイ特集を読むのもオススメです。
その他、園芸をはじめたい方々にたくさんの「趣味としての園芸」が提案されている…。
1冊で幅広い興味の種を拾うことができそうです。
どちらにしろ、お手に取り、ご覧いただければ幸いです。

最後に。
取材されたNHK出版の記者の方、カメラマンの方、それから編集に関わるすべての方々へ、ありがとうございます。
また、粗末な我がコレクションを置かせていただいている職場に感謝です。

それと…。
「レッド・エッグ」を探す旅、実はまだ続いているのですよ…。

追記

趣味の園芸サイト「みんなの趣味の園芸」にも取り上げていただきました!

恐縮なのですが、「アドロミスクスの育て方」という意味合いで、趣味の園芸専用サイト「みんなの趣味の園芸」にも、記事を取り上げていただいています。
参考になるかどうか、分かりませんが、ご覧いただければ幸いです。

購入はこちらからも

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。