「趣味の園芸」2016年8月号は『多肉植物サボテン 真夏の集中講座』!さっそく読んでみた!!

近頃、僕の周辺でも多肉植物を手にする人が多くなっています。そんなときに訊かれるのが「これ、なんていう種類?」とか「どう育てるの?」という質問です。

このテの質問に答えるのが好きなので細かく伝えると、かえって難しそうなイメージを持たれてしまうことも…。とはいえ僕も素人です。間違って伝えているかもしれません。

趣味の園芸で「多肉植物・サボテン」特集

こんなの欲しかった!「100円多肉」の買い方指南

そんなときはオススメの多肉本を紹介するのですが、良さげな雑誌が出てきました。このたび、趣味の園芸で「多肉植物とサボテン」の特集を組んでいるというので、復習がてら読んでみました。

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なかでもウマいところを突いてきたなぁと思ったのが「手軽で楽しい!100円多肉からはじめよう!」というコーナー。最近の100円ショップには、バリエーション豊かな多肉植物が並ぶので、ついつい手に取ってしまう方も少なくないのでは。僕もとりあえず足を止め、物色します(笑)。

ただ、フォルムやビジュアルの面白さから衝動的に購入してしまうと、自分がどんな植物を買ったのか、あるいは栽培方法はどうすればよいのかが分からなくなることが往々にしてあるのです。そんなときに役に立つ特集だと感じます。

買うときに気を付けたい3つの項目

特集の内容を簡単に記せば、まず100円ショップで売られている主力の多肉植物を紹介。確かにこんなの置いてあるなぁという種類がズラリ。

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次にページをすすめると、「100円多肉の選び方」というコーナーが。ここにあるコト、ホントに重要だと思います

  1. 根腐れしていないか
  2. 伸びすぎ(徒長)ていないか
  3. 全体に色あせていないか

と、大きく3つのポイントに分けて解説がなされています。その解説を一言で言い表すのなら、お店の管理状態で多肉植物が弱っているかもしれないよということ。

この部分、まさしく重要で、多肉植物をはじめたばかりの方は、伸びてしまった株をみても、それがデフォルトなのか、そうではないのかといった違いが分かりません。店舗を運営しているスタッフが植物の管理方法を認識しているほうが珍しく、大抵は「どうしてこうなったの?」といった最悪な状態で売られていることのほうが多い…。

弱った植物がサボテンも育てられないオンナを生んでいる!?

その原因は、水やりのしすぎだったり、蛍光灯の下でずっと栽培していたから…。そんな濃い緑色の、モヤシみたいな多肉植物を「面白いカタチしてる~♪」といって、購入する多肉ビギナーたち…。

結果、「アタシ、サボテンも育てられないオンナだから!」という女子を増やしていることに起因しているのではないでしょうか。

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…と力説したうえで、ぜひともこの「100円多肉の選び方」を心にとどめておいてほしいと感じます。昨今の多肉植物人気から、インテリアショップや自称多肉作家さんで売られている植物も、見るに堪えない姿になっているのもしばしば…。

この章では「その後の管理しだいで修正することも可能」とありますが、一度、形を崩した多肉植物は美しいフォルムに戻るのに長い時間が掛かります。僕自身、そんな植物を買って戻すことのほうが好きですが、労力を考えれば健康な株を買ったほうが栽培しやすいのは間違いありません。

消費者としての自己防衛として、知識を入れておいたほうが賢いですよね。

覚えておきたい、多肉植物の「生育型」

次に「多肉栽培の基本」のページがあり、ここでは多肉栽培の基本中の基本である「生育型」について取り上げられています

ひとくちに「サボテン・多肉植物」といっても、その原産地は様々で、それだけ栽培方法にも違いがあります。夏に元気に育つ植物もあれば、冬になると成長を止め、完全に断水すべき植物もいたりします。

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枯らさずに育てるためには、この「生育型」をしっかり認識しておかなければならないのですが、多くの種類を育てているとその把握もなかなか大変。いまだに夏の季節に断水すべきリトープスに水かけ「やっちまった!」と慌てる僕が言えることではありませんが…(笑)。

ハオルチアを系統立てた本ってあんまり無い

次に、「憧れの多肉」と冠して、エケベリア・コーデックス・ユーフォルビアなどの紹介が続きます。

そして終盤に、鶴仙園の鶴岡秀明さんの講義で「ハオルチアを好きになるべき4+1の理由」を掲載。この部分、なかなか面白いと感じます。

photo credit: Haworthia - Backlight via photopin (license)
photo credit: Haworthia – Backlight via photopin (license)

というのも、ハオルチアについて具体的な系統に沿って紹介した書籍は少なく、5つの原種を紹介しているのはこの本がはじめて…のような気がします。

いまハオルチアをブッこむNHKのしたたかさ

さらにこの夏、窃盗事件で図らずも世間から大注目を浴びたハオルチア。そんな時期にハオルチアのネタをぶち込んでくるあたり、NHKもぬかりないと感じます…(笑)。

ゆえに、関心度の高い今だからこそ、こういった栽培方法や種類を明確にした書籍等の発行が望まれます。が、今回の趣味の園芸の特集だけでも十分に理解できる内容に。

5つの原種から栽培方法、そしてハオルシア名人の紹介など…。たった9ページの内容にもかかわらず読みごたえは十分です。ニュースで頻繁に取り上げられたとき、職場で「ハオルシアって何なの?」という質問が僕に降りかかりました。そんなとき、ドヤ顔でこの部分を紹介できれば良かったのに…(笑)。

「趣味の園芸」と一緒に手に入れたい2冊の多肉本

多肉植物に気になりだしたら、手に取ってみては?

そんなこんなで偉そうに書きましたが、この特集号には、『全国の多肉植物ショップのリスト』も載っていることから、「多肉植物、はじめてみようかなぁ~?」という方にオススメですヨ。

さらに興味を持ったのなら、次の2冊は必携。多肉植物を栽培するなら、ぜひとも揃えておきたい書籍です。ひとつ目は1年を通して栽培方法を教えてくれる本。

毎月毎月しっかりと読んでいれば、失敗も少なくなるはずです!

2冊目は種類ごとに管理方法を紹介している本。

その植物に関する概要から栽培方法・さらには種類の紹介まで、広く深く多肉植物を知ることができますよ~!

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。