イベント開催から2週間後の投稿です(笑)。そう、2週間前に国際多肉植物協会さん主催の「サボテン・多肉植物ビッグバザール」へ行ってきたのです!
やっといけた夏の「サボテン・多肉植物ビッグバザール
「多肉植物ネタ」はまだ人々の耳目をひくのか
昨年は年4回のこのイベントになかなか行けず、欲求不満の状態でしたが、今回やっと参加することができました。
会場はいつもながら混雑。とはいえ五反田TOCの13階でやや広く、いつも通りの13時頃での参戦だったので比較的ユッタリ巡ることができました。
セリが始まるころにはテレビの取材クルーを見かけたりしました。多肉女子にはじまりハオルシア窃盗など数多の報道がなされて久しいのですいが、「多肉ネタ」はまだまだ視聴者にはウケるのでしょうか…?
今回のビッグバザールを巡って思ったこと
ラインアップは「普及種」が多め?
さて、今回も思ったことを羅列して参ります…。
僕の予想では今回「コーデックス(塊根植物)類」が多く出品されるだろうと予測していました。ところが、並んでいたのは「ベンケイソウ科」の植物が多め。とくにエケベリアをはじめ、セダムにパキフィツムなど、いわゆる普及品が目立ったのです。
この品揃えをみて、思ったことが3つほどあります。それは、
- 多肉植物のブームがひと段落していること
- 「他では手に入らない普及種」を見つけられるのがビッグバザール
- 植物を楽しむことを伝える。業界を守るいちばんの特効薬
といった3つの事柄。
多肉植物のブームがひと段落していること
まず思い当たるのは、多肉植物のブームがちょっとずつ下火になってきているのではないか…ということ。
現代の忙しない生活に安らぎをもたらし、ライフサイクルにもフィットしたのが今回の多肉植物ブームのポイントです。水遣りも少なく、日の当たるところに置いておけば十分育つ丈夫さと、肉厚なフォルム、そしてSNSにおいて多肉植物を通じたコミュニケーションも図れる。こういった手軽さから徐々に人気が出たのだと理解しています。
ところが近年、どんなお店へ行っても多肉植物を目にすることが多く、市場は飽和状態。一定の消費もなされ、出回る多肉植物はサイズが小さいため、インテリアとしてもうまく活用できなかったように思います[*01]。さらには2015年あたりから「珍奇植物」という錦の御旗のもと、多肉植物以外にも熱帯植物やシダ植物などにも注目が集まってきています。いま、ホームセンターや町の園芸店をめぐればだんだんと「珍奇植物」が侵食してきていませんか?
恐らく、どこの園芸店へ行っても同じような種類の多肉植物ディスプレイ。そろそろ消費者にも「飽き」が来ているのだと感じます。要するに「ナニコレ!?」という発見が薄れてきている。
それによりホームセンターや園芸店は「コーデックス」を置いてみたり、風変わりな「ユーフォルビア」を販売したりと、前出の「珍奇植物」に活路を見出そうとしています。つまり今までとは違った顔を持つ植物を使って、消費者の目をひこうとしているのです。
この流れには賛成とも反対とも思いませんが、珍奇植物の類はまだ値段も高く、栽培方法もそれほど流布しているようには思いません。実用(栽培指南)書も少ない。流行する植物の変遷が早く、あらゆる業界・団体がついて行けていないのが現状だと感じます[*02]。結果、大枚をはたいて買ったは良いものの季節の変わり目でトラブルを起こし、枯らしてしまうことが危惧されます…。
「他では手に入らない普及種」を見つけられるのがビッグバザール
ところが、今回のビッグバザールは普及種が多め。単に普及種といっても、ホームセンターなどで売られるような種類のものではなく、もう少し希少性の高いもの。多肉植物部門の専門性が高いお店でないと手に入らないような商品です。
そもそも普及種は基本的に育てやすい種類が多い。ゆえに多肉植物入門に最適です。
ところが、ホームセンターや園芸店の「多肉植物」コーナーには「珍奇植物」が台頭し、バリエーション豊かな普及種が店頭から駆逐されつつある。したがって、この穴を埋めることができるラインアップだったのが今回のビッグバザール。
この品揃えには、僕は大賛成です。というのも、僕もアドロミスクスというどちらかと言えば人気のない普及種(笑)から多肉植物に手を出したクチでして…。
そこから徐々に多肉植物の深みにハマり、今に至ります(^-^;。
多肉植物をはじめた初心者が「自分で育てている多肉植物と同じだけど、少し違う!」という発見を通じ、ゆっくりと多肉植物の奥深さに引き込まれる…。そのくらいのラインアップがちょうど良い。むしろ、セミプロ級や高額な商品を買い付けに来る客ばかりに重きを置いていれば、イベントとしてそれ以上の広がりはないし、敷居を高める要因になりかねません。
植物を楽しむことを伝える。業界を守るいちばんの特効薬
さらにはビッグバザールの会場内は、あらゆる世代の人が談笑しながら植物を語り合うことのできる場所であることを願います。僕も当時、会場内でアドロミスクスの栽培方法を教わっていなければ枯らしてしまい、幸か不幸かここまで多肉植物類にのめり込んでいませんでした(笑)。初心者の心をグッと引き付けるためには、多肉植物を現在進行形で楽しんでいる僕らがサポートする必要があるのです。会話が苦手ならSNSやブログを使って情報を発信することだってできますし…。
その上で、高価でマニアアックな植物に触手を伸ばす人のための品揃えがあり、普及種を排除しての珍奇植物はあり得ないのです。言い換えれば、まったく美品や珍奇品が並ばないのも面白くはありませんが…(汗)。
多肉植物や珍奇植物に限らず、盆栽からガーデニングまで、植物を楽しむことが伝えられなければ、業界はどんどん衰退していきます。農業だって同じです。規格サイズに合わない美味しい地場野菜が日を追うごとに消滅しています。まずは「植物を楽しむ」こと。それを実践している人がどんどん発信していくことが、園芸のみならず植物業界を守ることに繋がると僕は考えています。
次回は9月に開催。その前に…
7月は『サボテン・多肉植物即売会』があります
ハナシがかなりズレました…(笑)。なんだかんだ、今回のビッグバザールは楽しめたということです(笑)!
来月(7月)は、同じく五反田TOCで「関東カクタス専門家連盟 第2回 サボテン・多肉植物即売会」が行われるそうです。
関東カクタス専門家連盟主催 第2回 サボテン・多肉植物即売会
日時:2017年 7月 9日(日)開場 10:00 / 閉場 16:00
(15:30より閉場作業)
会場 :五反田TOC 地下1階 展示ホール
〒141-0031 東京都品川区西五反田7-22-17
出店:関東カクタス専門家連盟加盟店 15店舗参加主催:関東カクタス専門家連盟(連盟会長:鶴仙園 靍岡貞男)
※ 掲載都合、BotanicalMart主催となっておりますが
主催は関東カクタス専門家連盟です)入場無料でどなたでもサボテン・多肉植物の購入が可能です。
本イベントをお客様に楽しんでいただけるよう関東カクタス専門家連盟では皆様のお越しをお待ちしております!!
昨年も参加しましたが、ある種ビッグバザールを超えていくイベントです(笑)。今回も普段は小売りをしないようなお店も出店するようだし、入場無料とは嬉しい限りです。
どちらにしろ、夏真っ盛りの開催です。体力・気力勝負になること間違いなし。皆さんも体調に気を付けてご参加下さに。あと「お財布の健康管理」も忘れずに(笑)!
次回の秋の『サボテン・多肉植物ビッグバザール』は9月開催!
そして次回の『サボテン・多肉植物ビッグバザール』の開催時期について、国際多肉植物協会さんのホームページに記載があります。次回は
2017.09/18(祝)