2018年秋の「サボテン・多肉植物ビッグバザール」へ!次に流行る植物はナニ?

2018年9月24日開催の秋の「サボテン・多肉植物ビッグバザール」、行ってきました。

秋の「サボテン・多肉植物ビッグバザール」へ行ってきました!

このブログでも幾度か紹介していますが、「サボテン・ビッグバザール」とは、

日本各地からサボテンや多肉植物を生産する業者が集結。
そこへ初心者からマニアックなセミプロまで、たくさんの人が押し寄せるイベントです。
近年は年に4回開催し、季節ごとに並ぶ植物の顔も変わるのもポイント。
他の園芸店などでは出回ることのないレアな植物が多数並び、価格もピンキリ。
その人気から会場前には長蛇の列ができ、中には年4回すべてに参加するツワモノも…。
いまやサボテンや多肉植物を愛好する人間にとってはなくてはならない重要なイベントになっています。

引用元: 2018年夏の「サボテン・多肉植物ビッグバザール」へ!これから問われるのはホントに『植物好き』かどうか!? | ボタニカログ

といったイベントです。
今回もレポートを書き記してまいりますが、会場内は基本、写真撮影禁止なので文章がメインとなります。

コーデックスが依然、多い

第一印象は依然、「コーデックス(塊根植物)」が多め
大きな園芸店を巡ると、一時期よりも低価格のパキポディウムやアデニウム、その他、諸々のコーデックスを見かけるようになりました。
世の中にコーデックスの存在が徐々に知れ渡る過程で、出回る数も増え、やや価格が落ち着いてきたように思います。
それと同時にちょっとずつブームが下火になってきたのでは…?

「珍奇植物」という錦の御旗のもと、2015年頃からブームが広がった「コーデックス」。
それより以前から流行している多肉植物と栽培方法が似ていることから、現代の忙しない生活に栽培方法がマッチしました。
尚且つ、生長するスピードがゆっくりで、しかも独特のフォルムに仕上がることから盆栽風の趣を魅せ、一躍流行したのです。

ところが、市場に流れるのは海外からの根無し株
しかもこれらは人気も相まって価格が跳ね上がり、確立された栽培方法が世に流布されないまま手を出す人が相次ぎました
その結果、発根することのないまま枯れてしまったり、最低温度や適性な日照などを確保できないまま弱らせる「事故」が多発したのです。

結局、SNSでも耳目を集める植物だと知りつつも、扱いに困る園芸店。
とりあえず「珍しい植物」として陳列するしかありません。
果たして最近よく見かけるようになったドルステニアやユーフォルビアの栽培方法を適切に説明できる店員はどのくらいいるのでしょうか?
僕も夏型・冬型の種別をすぐさま答えられる自信はありません。
はたまた、いくら高気密・高断熱の住宅が増えたとはいえ、夏型コーデックスの越冬温度と日照は確保できるのでしょうか…。

このブログでも何度も書いていますが、未だコーデックスの栽培方法はネットでいくつかの情報を得なければなりません
しかも、その栽培方法が適切かどうかさえ定かではありません
「事故」は現在進行形です。
一刻も早く、栽培方法をアナログで確認できる、信頼性の高い書籍などの発行が望まれます

メセンとサボテン

ハナシはもどり、ビッグバザール。
次に多いと感じたのはメセン系の植物、 そしてサボテン

メセンが多い理由は、こらから寒くなるからという当たり前の理由なのですが、やっぱりメセンやサボテンには、一定数の根強い趣味人の方々がいるんだなぁと感じます。
さらにはボタニカルマートさんの投稿によると、コノフィツムはアジア圏で人気のようです。

戦後、日本の園芸界を引っ張ってきた生産者のなかには、少なからずサボテン趣を通過している人が数多くいることを、最近知りました
日本でもある程度の保温ができれば、関東圏では冬越しができ、かつ交配もそれほど難しくはない。
サボテンを通して育種への興味が沸き上がったというストーリーをあちらこちらで耳にしたのです。

そんなサボテン栽培はいまも連綿と受け継がれ、最近は若い人でも栽培している情報をSNSで見かけます(笑)。
また、カプトメデューサなど新しいタイプのサボテンも紹介され、趣味の世界もますます広くなってきています

ハオルシアを求めて…

それからハオルシアもまだまだ強い人気を誇っているようです。
ビッグバザールではありませんが先日、地元の園芸店にいくとハオルチア、ハオルチア!と一生懸命に選んでいる女性を見かけました。
聞けば、近頃ハオルシアの存在を知り、あの透明感のあるプニプニが堪らないのだそうです。
そんな方にもビッグバザールへ是非来て欲しい!
何故なら、街の大きな園芸店にでさえ売っていないような、数段グレードの高いハオルシアを観ることができるから。
いや、ハオルシアだけに限りません。
どの植物も、質・量ともにハイレベル
多様な種類とその値段に驚きはするものの、次へのステップを踏めることは間違いありません。

アドロミスクスの立ち位置

それから今回のビッグバザールも、普及種がわりと多め
エケベリアは言わずもがなの定番ですが、我がアドロミスクスが増えているのには大変嬉しく思います(笑)。

ビッグバザールにおけるアドロミスクスの立ち位置は、のり弁のなかのシューマイによく似ています(笑)。
決して主役ではないし、別になくても良い。
でも、あればあったで妙に注目を集めるのです。
で、一度シューマイの美味しさに気が付くと、今度はシューマイの美味いのり弁を食べたくなる…。
つまり、アドロミスクスを探しにビッグバザールへ足を運んだり、ネット通販を検索してしまうのです…。
とはいえ、どんな植物にも同じようなコトが当てはまるかと思います。
好きになる植物は千差万別、ひとそれぞれ…なのです。

球根植物の台頭

最後に次のブームを牽引しそうなのが球根系の植物
主にケープバルブという南アフリカ原産の植物群が目立ってきています

photo credit: Reggie1 Albuca via photopin (license)

会場ではエリオスペルマムなどの奇妙な姿をした植物やレデボウリアやドリミオプシスなどの葉が美しい種類も。
かく言う僕も現在、球根植物にゾッコンで今回、オーニソガラムのユニフォリアツムを購入してしまいました。
また、ケープバルブをはじめとする球根植物は華麗な花を咲かせます。
元来、観賞価値の低い花を咲かせたり、花が咲くまでに何年もの時間が掛かる多肉植物の盲点を突くだろうと僕は考えています。

これから流行る植物は??

多肉植物やサボテンに限ったハナシ出はありませんが、都市部の住空間ではどこで園芸を楽しむのかを考えるにつけ、決まって省スペースに鉢を並べるしかないのが現代の園芸事情
幸いにして広い庭があったとしても、必ずしも陽当たりの良い場所とは限りません。
ゆえに鉢もなるべくコンパクトに、忙しない生活のなかであっても栽培が楽な植物が選ばれます

以前も世界らん展の記事にも書いたように、SNSで紹介された植物がメディアなどによって流行化するのは日常茶飯事です。

流行する植物には流行するだけのポテンシャルがあって、時代背景がある。
派手さであったり、フォトジェニックも良好であったりと、突拍子もない植物に光があたることはまずありません。
このことから派手さや栽培の簡易さ、それから入手しやすいかどうかが要件となるのです。
結論から言いましょう。

次に何が流行るのか、分かりません(笑)。

これはもう、とにもかくにも気になった植物を自分の感性で、お財布と相談しながら買っていくしかありません
流行るから育てる…ではなく、好きだから育てる
これで良いではないですか!!(笑)

とはいえ、一定数のファンがいて、それなりの歴史を持った植物が流行している…というのは過去のあらゆる植物ブームをみれば間違いなさそうです。
まずは「サボテン・多肉植物ビッグバザール」などのイベントに足を運んで、気になった植物を連れて帰り、そして好きになろう!
好きになったら、誰かに「この植物が好き」と伝えよう!
まずは、そこから…!

植物好きならフェアに楽しもう!

「古い入場券を使って入場…」の意味

そうそう。
主催である国際多肉植物協会さんのサイトにあるこの一文。

 ※古い入場券を使って入ろうとする方がいますので注意してください

引用元: CBS(カクタスバザールシステム)

今回の開催要項ページにも記されていたのですが、誰向けのメッセージなのか読み取れず、前回のBBレポ投稿でもこのことについて取り上げていました。
チケットの取り扱いは主催者が注意すればいいだけのことであって、なぜ、来場者にまで注意を促すのかと…。

で、今回のビッグバザール。
会場を出ようとしたとき、外国人風の方から「イケッコ~」と声を掛けられたのです。

はじめは何を言っているのか分からなかったのですが、「チケット~、チケット~」と言ってるみたい…。
どうやら、僕の買った入場券を貰って入ろうとしているようでした
なので僕は、

「ンなもん、自分で買ったら!」

と、丁重に日本語でお断りしたのです(笑)。
ここで、サイトにあった一文の意味が点と線でつながった…ということ。

外国の方だけでなく、日本人でもこういった不正をしようとする人がいるかもしれません。
そもそも、ナニ人がどうこうというつもりはありませんが、もう少しフェアにイベントを、植物を楽しみませんか?と僕は言いたい。
申し訳ないけれど、植物の盗難などの事件が全国で多発している以上、500円の入場料を払わないで潜入すること自体、すでに疑わしいです。
あなた方は一体、何しに来たの??

僕が会場を出たあと、他の誰かがチケットを渡してしまったかもしれませんが、絶対に渡さないでください
会場に「写真撮影禁止」という張り紙が数多く掲示されているのも、一部、事件を未然に防ぐためとも聞いたことがあります。

500円を払ってまでも会場に入りたい人、500円を払うことなく会場に入ろうとする人…。
あらゆる事件と結びつけるのは早計かもしれませんが、そもそもの熱量の違いゆえに疑心暗鬼になってしまうのです。
植物を愛することに国境はありません。
資格も、年齢制限もありません。
だからこそ、フェアに楽しみましょうよ…。

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。