ある日のこと。
ネットサーフィン中に見つけたのは「チューリップバブル」を題材とした映画の広告。
まぁエッチな宣伝映像を制作したという背景もあり、賛否両論巻き起こっていますが、ただいま公開中。
ぜひ観たい(笑)。
この情報に触れたとき、ふと、チューリップバブルってある意味、「嗜好性を重視した植物の流行」に関係するよなぁと感じたのです。
でも、「チューリップバブル」という言葉は耳にするものの、その内実はよく知りません。
チューリップってどんな植物?
チューリップに関連する本を読み漁る
ならばと図書館へ出かけ、チューリップバブルに関係しそうな本を2冊借りてくる…。
これがイケなかった…。
借りてきた本はこれと、
これ。
特に「チューリップ・ブック」という本が面白く、1冊読めばチューリップの歴史や文化がうすぼんやりと理解できます。
チューリップバブルも大枠は理解できたのですが、僕の心を惹いてしまったのは、その中に掲載されていた「原種チューリップ」…。
原種チューリップってナニ??
一言で言えば、原種チューリップはチューリップ離れしている。
本家本元のチューリップを「チューリップ離れ」していると表現するのは見当違いかもしれませんが、僕のイメージするところのチューリップとはだいぶかけ離れていたのです。
取り敢えず、紙とペンを用意して「チューリップを書いてみてください」と言われたら、たぶん、十中八九こういうチューリップを書くと思います。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/ae46b1f460ee46f789c27b264a6cb421.jpg)
これが僕らのイメージするところのチューリップ。
ところが、原種チューリップはちょっと違う。
そのポイントをざっくり簡潔に記すと
- 葉が波を打ち
- 花首は短く
- シンプルだけれど、力強さのある花色
となるのです。
花壇に植えられた園芸品種のチューリップは、多くの人の手間や労力、そして時間をかけて育種されてきました。
けれど、あまりにも手が入りすぎて、かえって花本来の持つ力強さや自然の中に生息する根源的な理由が失われてしまっているような気がしたのです。
その後、こんな本も購入。
コレがまた、果てしなく面白い!
チューリップの世界はこんなにも広かったのだと、感動を覚えるほど。
これでもう、原種チューリップの魅力にドはまり。
ここまで一切、ホンモノの原種チューリップを育てたことはないし、なんなら見たこともありません(笑)。
チューリップ生産の本場、富山県砺波市へ!
そうこうしているうちにいてもたってもいられなくなり、気づけば、国内有数のチューリップ産地、富山県砺波市に降り立っていたのです(笑)。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2856.jpg)
「チューリップ四季彩館」でチューリップの基本を学ぶ
「チューリップ四季彩館」とは
で、まず向かったのは「チューリップ四季彩館」。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2876.jpg)
なにやら外壁工事中でしたが、問題なく入場ができました。
公式ウェブサイトには、
チューリップは春を告げる代表的な花であり家庭や学校の花壇などで育てる花として人気です。
引用元: 施設ご案内|チューリップ四季彩館
でも実は、チューリップ四季彩館の技術で一年中いつでも花を咲かせることができます。
チューリップ四季彩館は、土の中に埋まる球根が持つヒミツや、
チューリップを愛する人の歴史・文化を体感しながら巡るちょっと不思議な施設です。
とある通り、凄まじくチューリップ一色(笑)。
結論から書けば、チューリップのことを知るなら、この施設に行けばおおよそのことは事足ります。
なぜならチューリップの
- 歴史
- 生産方法
- 生活史
- 現代の活用方法
- 1年中観られる技術解説
などなどが詳しく解説されているから。
長い時間を掛けて1冊のチューリップ本を読むのも良いですが、この施設をサクッと回れば、何倍も早くチューリップを理解できます[*01]。
砺波市がチューリップの一大産地となったワケ
四季彩館の展示で特に面白かったのは、ここ。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/OI000112.jpg)
なぜ、富山県はチューリップの一大生産地になったのか…。
詳しく書くと、この展示の面白味が薄れるので書きません。
が、ひとつは雪深い富山県独特の気候をうまく利用しているということ。
富山県では夏から秋にかけてはお米をつくり、秋から春にはチューリップの球根をつくるという一風変わった二毛作を行っています。
これには、ふたつめの歴史的な背景と試行錯誤のドラマがあったのです。
ぜひぜひ、某放送局の朝ドラのテーマにしてほしい(笑)。
夏だろうが、秋だろうが、ナマのチューリップを観賞できる!
それから、このブースがなければ、はるばる群馬から来た意味を感じられなかったと思います。
四季彩館の一室、常にチューリップの生育に適した温度に保たれた部屋があるのです。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2907.jpg)
この中では1年中チューリップを観賞することができ、とてもフォトジェニックするポイントです(笑)。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2909.jpg)
そして、ただただ花の咲いたチューリップを展示するだけではありません。
なぜ、花期ではない時期にチューリップを見事に咲かせられるのか…、その技術を解説したコーナーもあるのです!
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/OI000193.jpg)
おいおい独自の技術をここまで教えてしまって良いのかよと、なんだか、ゲームの裏技を知ったしまったような気になれます(笑)。
チューリップの球根やチューリップグッズを買おう!
そんなこんなでチューリップのあれこれを学んだあと、やっぱり気になるのはショッピング。
四季彩館には、この時期ならではのチューリップの球根が並んでいます。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2885.jpg)
富山県花卉球根農業協同組合さんのカタログで目にする球根を、選びながら買うことができます。
通信販売で買うよりも、自分の手に取り確かめることができる。
だからこそ、生産現地に来ることは安心だし、安全です。
他にもチューリップグッズなど、チューリップ好きには堪らないグッズが盛りだくさん。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/P9160202.jpg)
日本人が好きな花ランキングでは桜に次いで2位のチューリップ。
どんなグッズをお土産にしても、きっと喜ばれるはずです(笑)。
無料の熱帯温室!富山県花卉総合センター
温室が無料という凄さ
それから次に行ったのは、ココ。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2931.jpg)
富山県花卉総合センターです。
特にチューリップとはあまり関係がありませんでしたが、温室内には熱帯の植物がみることができます。
しかも、温室への入場はなんと無料!
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2936.jpg)
日本各地で温室の存在意義が問われ、その存続に四苦八苦している昨今です。
無料で入場できる観賞温室は、まさに希有。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/DSC_2962.jpg)
まぁ、若干雑然としているのはご愛嬌…(笑)。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/OI000248.jpg)
それでも普段、観葉植物として売られている植物の「大物」などを無料でみられ、勉強になります。
本館では「アロエ類」の展示が
その隣には、「富山県花総合センター」の本館。
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こちらの施設は、展示室や研修室などがあり、様々な催し物が開かれているそうです。
僕が足を運んだ時には、アロエなどの展示中…。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/P9160249.jpg)
人気のアロエ類もいくつかあります。
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この場所も無料で入ることができ、あらゆるアロエの世界を堪能できました!
多肉植物の販売も
館外には格安で多肉植物も販売。
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多くは普及種で、質も良くお買い得だと感じます。
![](https://botanicalog.net/wp-content/uploads/2018/10/OI000267.jpg)
お土産を買うなら「道の駅となみ」
チューリップの球根、あります
最後に行ったのは、「道の駅となみ」です。
そうです。
職場や家族にお土産を買わなければなりません。
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こちらでもチューリップの球根が販売されていますが、四季彩館よりは種類が少なめ。
それでも買い忘れには十分な量です。
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他にも、富山県ならではのお土産や、目立っていたのは新米を買い求めるお客さんの数。
観光客だけでなく、地元の人も足を運ぶお店でもあるようです。
「チューリップ球根パイ」を食べてみた
で、僕が気になったのはコレ。
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チューリップの球根が1粒まるごと入っているという、「チューリップ球根パイ」(笑)。
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帰宅後、恐る恐る食べてみたのですが、これが意外と美味しいのです。
かすかに「球根特有の味」は存在するのですが、気にならない程度。
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むしろどこか「栗」に似た風味と「ラッキョウ」に似た食感を漂わせ、かえってそれがうま味に感じる、不思議な味わい。
インパクトもあるし、お土産には持ってこいだと思います。
砺波チューリップ旅行の反省
「球根まつり」の存在を後から知る
そんなこんなで、突然の砺波旅行は終了。
お目当ての原種チューリップもあまり情報が手に入らず、若干「何をしに砺波まで足を運んだのか」という疑問が残ります(笑)。
それでもチューリップのことについては、行く前と行ったあとでは知識の量が格段に増えました。
特に四季彩館は子供だけでなく、大人も「へぇ~」と唸る展示ばかりだったので、チューリップの見識を広めるには持ってこい。
…なのですが、残念だったのは、この数週間後「球根まつり」というイベントが四季彩館で行われていたそう。
チューリップ四季彩館ホールにて、
引用元: となみ野 イベントカレンダー | 第17回となみチューリップ球根まつり
市内の生産者が自信を持ってお勧めするチューリップ球根が勢ぞろい。皇室献上品種など全商品通常価格の2割引き!!毎日フリンジ咲きチューリップを使った寄せ植えの体験教室を開催!事前予約受付中!ほかにも楽しい企画が盛りだくさん!!
四季彩館のスタッフの方によれば、通常よりも球根の販売面積を増やし、ショップと隣接する展示会場をメインに2割引きで販売会を行うとのこと。
僕が砺波に行ったのは原種チューリップを学びたい、あわよくば自らの手で育ててみたい!という欲求からだったので、もう少しイベントの情報をしっかりとチェックすれば良かったと感じます。
2019年の「となみチューリップフェア」情報
ちなみに来年の「となみチューリップフェア」も開催が決定していて、先日、ポスターの発表も行われていました。
会 期:平成31年4月22日(月)~5月5日(日・祝)14日間
午前8時30分~午後5時30分テーマ:笑顔咲く 彩りの春
キーワード:「魔法」
引用元: 2019となみチューリップフェアポスターデザイン発表しました! | となみチューリップフェア
僕も行きたいのはヤマヤマなのですが、園芸関係者特有の「GW周辺は稼ぎどき→休みなし」に大きく当てはまります。
はあ。
一度でいいから、行ってみたい…。
- 展示ブースは有料 [↩]