秋のサボテン・多肉植物ビッグバザール2013!購入した多肉の記録

オカシさに気付けない!

ある分野で活動していると、一般の人から「それオカシイ!」と思われることが、さほど気にならなくなったりします。業界では当たり前なことだから…と。でもよくよく考えてみると、確かに「オカシイ」。えっ、何でこんなにオカシなことに気が付かなかったのだろう、みたいに。そんなことってありませんか?

よく「僕の趣味は多肉植物です」なんて言うと「えっ?果肉植物?サボテンのこと??」と訊かれ「いいえ、多肉植物です。こんな植物を多肉植物と言うんですよ」と画像をみせるやり取りをします。そうすると「キモい!」とか「かわいい!」など、反応は千差万別[*01]。それから一部の人は興味を持ち、多肉を始めた方もいます。

職場の上司もそのひとり。今月には八ヶ岳の柳生真吾さんのお店へ、多肉植物を物色しに行くそうです。きっと現地では「なにコレ!オカシイ」の連発だと思う。

振り返ればそういう感動が僕には減っていました。

僕の間違いと反省点

このブログを書いていると、ネタ集めのため、知っている植物をもう一度観察することがあります。「プラント・リハント」なる造語を自分に言い聞かせ、新しい発見はないかと探し回るのです。そして分かったのは「既知は未知を阻害する」ということ。「この植物はこういうモンだ」と決めつけると、それにしか見えなくなってきてしまうのです。

シダの講演で中池さんが語られた「いろんな角度から植物を観れば印象が変わる。人間もそうであるように」との言葉。これで僕は間違いに気が付きました。偉そうに他人に多肉を紹介している場合でなく、ひとりの「趣味家」として観察方法を改めねばと思い立ったのです。

そして、今回の「サボテン・多肉植物ビッグバザール」。テーマは「とびっきりオカシな植物を手に入れる」こと。オカシイと思えるのは、そのオカシさに気付けたから。初心に立ち返り参加しようと決めたのです。

テーマを決め、いざビッグバザールへ!

前置きが激しく長くなりましたが、購入したのは以下。

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順次解説していきます。

3鉢で500円!

この3つはなんと計500円。安い。

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まずはこれ。ブースの方に訊くと「セダム」とのこと[*02]。

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全体に広がっているのはもしや「タイトゴメ」?

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あの公園に自生するタイトゴメも、そろそろ紅くなるのではないでしょうか。そのタイミングを知るためにも、買って損はないと思いました。

真ん中の植物は何だろう。ツメレンゲかな?

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にしても、葉が細すぎる。やや徒長気味だから?来春から株を引き締めてみよう[*03]。

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次は「姫春星」と書かれた植物。調べると「マミラリア」と呼ばれるサボテンのよう。

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蒸し暑い夏は苦手で、涼しい場所での管理がベスト。ピンクの花が咲くらしいです。

買った理由は「色が風呂敷」だから。目を細めてみると、ほらほら、風呂敷に見えてきませんか?和風な印象が漂います。

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そのほかに「ミルキーウェイ」と呼ばれるハオルシアも購入しました。これで500円。安いです。

一般的な園芸展ではまず売られない、奇妙な植物たち

次に葉ネギ。ではなく「ナマクエンシス」と書かれた植物。

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葉ネギそっくり。発芽した葉ネギが水不足になるとこんな感じになります。ブースの方によれば、この植物は球根。休眠時に葉を落とし、そしてまた葉が生えるそうです。ほぉ~…。そのサイクルをはやく観たい。

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そしてここからが本命です。奇妙な形なのに、カラーリングが気に入りました[*04]。名札には「Sta.rufa」。ブースの方によると「ガガイモ科」の植物とのこと。

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「多肉植物写真集」を当たってみると「Sta」なる名称の多肉は沢山あり、なかでもガガイモ科(Asclepiadaceae)には「Sta」が一杯[*05]。ひとくちにガガイモとはいっても、種類がたくさんあるそうです。

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同じくガガイモ科の植物。「Piaranthus computus DP5562E」。僕の中ではいちばん衝撃的でした。

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だって、すごい上昇志向。上向き矢印の嵐。なんだか元気になってきます。

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グラフに置き換えてみれば、落ち込んだときですら上向き矢印。ポジティブでいればいつかきっと花が咲く。良いこと教えてくれています。

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最後に

これが僕の選んだ「オカシな植物」たち。

人によってオカシさは違うだろうし、まだまだ不思議な植物はあったのかもしれません。ただ、視点を定めテーマがあれば、見える世界も変わってくる。今回の取り組みは僕にとって、間違いなく正解であり成功でした。

  1. 見せる多肉植物にもよる。僕自身いちばん可愛いと思っている「小熊の手袋」を紹介するようにしています []
  2. 持ち帰るときに手前の株がくたびれてしまった []
  3. ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご一報を! []
  4. 冬場、パキラを外に出し、取り込み忘れ、こんな姿になってしまったこともあります。 []
  5. 例を挙げれば「Stapelia」「Stapeliopsis」「Stathmostelma」「Stapelianthus」など。どの「Sta」? []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。