今回が3度目の参加。「世界らん展日本大賞」に行ってきました!
世界らん展日本大賞2017へ!平日なのに大盛況…!
パワフルな中高年
いつも前売り券を買い忘れてしまい、今回も当日券(2,200円)を購入。平日だから混雑はしていないだろう…。そう思って会場入りしましたが…。
大賑わい(笑)。これでも年々、入場者数は減っているそう[*01]。恐らく中高年の方が多いのかもしれません。とにかく皆さんパワフル。この一言に尽きます。
そんな人波に飲まれつつ、気になったポイントを記録してまいります。
モチーフは「霊峰富士」
まず驚いたのが富士山をイメージしたディスプレイ。
こんもりしていて、とても優雅。どうなっているのかみてみると、ネットに花が挿してある…。
1週間以上もたせないとならないので、セッティングにはかなりの労力を要したのではないでしょうか…(;’∀’)。
「日本大賞2017」は小田原市の永井清さん
そのあと、各部門別の審査コーナーを抜け、いよいよ日本大賞のブースへ。
毎年そうですが、日本大賞の前は混沌としています(笑)。
多くの見物客が見上げる視線のその先。神々しく鎮座しているのが「日本大賞」の蘭です。今回はデンドロビウムです。
作出者は永井清さん。我が神奈川県の小田原市の方。同じ神奈川県民として誇りであるし、これを目にできたことだけでも大満足です。受賞を知らせる記事には、
注目の日本大賞は、アマチュア愛好家の永井清さん(神奈川県小田原市)出品のデンドロビウム・グロメラタム’ロングウェル’が受賞しました。
(中略)
ラン栽培歴32年という永井さんがこの受賞花に出合ったのは13年前、以来、手塩にかけて育ててきました。特に近年、日本の夏の暑さが厳しくなり、夏越しに腐心したそうです。
「人工的ではなく、自然な通風や湿度で栽培環境を維持しています。遮光は50~60%です。打ち水をして足もとから自然な湿度を保つように気を配りました。しかし温室が小規模なので酷暑の影響を受けやすく、大変でした」(永井清さん)
審査講評によれば、花の色彩、花のコンディション、どの方角からも美しく見える花姿が評価され、エントリー880作品のなかから圧倒的な支持を得た大賞受賞だったそうです。
引用元: 2017年「世界らん展日本大賞」が開幕!~大賞受賞花はデンドロビウム・グロメラタム’ロングウェル’|トピック&ニュース|みんなの趣味の園芸
実は永井さん、2010年大会でも「日本大賞」を受賞しており、当時の地域情報紙にて取材を受けています。
蘭との出会いは55歳のとき。夫人と買い物に出かけた横浜のデパートで「レリアカトレア」という欄に魅せられた。蘭は温度管理が難しい植物だが当時は家に温室がなく、昼は廊下、夜は風呂場で育てた。愛情をたっぷり注いだ蘭は今でも健在。思い出の蘭を愛おしそうに眺めながら当時を振り返る。
(中略)
酒も煙草もやらず、趣味は蘭一筋。暇さえあれば温室にこもり、食事も忘れてしまうこともあるのだとか。中でも観察日記は毎日欠かすことのできない日課。天候、気温、湿度、成長度合いを積み重ねた20年の集大成が日本大賞受賞。「蘭はデータを基にきちんと育てれば応えてくれる。花が咲くのは、あくまで結果で、成長の過程が楽しい。再考の花嫁姿を見てもらいたい親の心境みたいなものだよ」。蘭の話は尽きることがない。
引用元:タウンニュース「人物風土記」
それまでバラ栽培に凝っていたということもあり、植物に関しての基礎知識はあったのだろうと思います。が、蘭をはじめたのは55歳からとは意外です。
恐らく、今回の「日本大賞」受賞まで日課である観察日記は継続されていたのでしょう。積み重ねの大切さと、趣味のチカラを思わずにはいられません。そしてそれを如何に続けていくことができるのか…。
その原動力はきっと「好き」だから、ということなのかもしれません。いや、もっと深いところに答えがあるのかも…。いつかお尋ねできる機会があればお伺いしたいです[*02]。
パフィオをめぐる議論
世界らん展の入場料って(会場のせいもあるのですが)ちょっとお高め。ただし、そんな入場料を払ってでも巡りたいのがショッピングコーナー。
街の生花店で売られている蘭はコチョウランばかりだし、広いランの世界で、少しでもマニアックな種類となるとなかなか見かけません。それでいて、各地で開催されるランのイベントもそれほど販売数が多い訳ではありません。
ところが「世界らん展」は、「世界」という名を冠しているだけあって、世界中の生産者さんが集結。もちろん、国内の有力業者も多く出展するため、あらゆる国や地域から、ファンが買い付けにくると言われます。日本の栽培家さんもこの日のために(多額の)予算を用意し、いわば「参戦」するとも…(笑)。
とはいえ、僕はランのことをよく知っていません。最近やっとランに関する実用書を購入し、ちょっとずつ読んでいるのですが…。やっぱり育ててみないと実感が湧きません。
そこで今回は「簡単なランを1鉢買って挑戦してみよう」という目標を胸に秘め、参加したのです。狙いは、ずっと気になっていたパフィオです。
そうこうしていると、とあるブースに何やら人だかりが[*03]。みるとお客さん同士でランを前にペチャクチャ…。
こりゃあ立派だねえ。葉っぱが綺麗だわ。でも難しそうね?
あんたコレ、簡単よ!アタシも2つ買ったもん!
ホント!?じゃあアタシもやってみようかしら…。
そいつは難しいよ。オレは昨年買ってダメにしちゃった!
あら、まぁ。
そんなことないわよ!アタシは2つとも元気よ!
やだ~!!アタシ、どうしたらいいの…?!
結局、オバちゃんAは1鉢購入し、ブースを去りました。
ついにパフィオを購入する
遠く、柱の陰からそのやりとりを聞いていた僕。どんな蘭なのか、一団が去ったあと見てみると、驚きました。なんて綺麗な葉っぱ!
しかも「初心者におすすめ!」と札まで付いています。しかしながら先ほどの一連のやり取りは気になる。葉の美しさに惚れ惚れしていると、店の主人が出てきます。
それ、気になるかい?
ええ。葉っぱが綺麗なので…。
「初心者におすすめ」とあるのですが、簡単に育てられるものですか?
そうだねえ。部屋の最低温度はどのくらいかな?
5℃くらいだと思うのですが…。
5℃か。そうしたら、夜は居間に持っていって、陽が出たら窓際に置くといいよ。
それと乾燥させてはいけないよ。冬でも乾いてきたと思ったら、霧吹きで水をかけてやると良いかもしれない。
なるほど!
ちなみに分からないことがあったら、地元で「蘭の同好会」を探してみなさい。大抵はどこにでもあるから。聞けばなんでも教えてくれるさ。
いまやどこも年齢層が高めでね…。若い人が入れば良くしてくれるよ!
そうなんですか…(^_^;)
店主さまにはいろいろとお教えいただき、僕も1鉢購入しました!念願のパフィオです!オバちゃんBの言うように「簡単」なのかもしれませんが、このパフィオの特徴を掴むまでが「難しい」…。話を聞いて僕はそう感じました。
まだまだ知識不足ですが、少しずつ勉強していこうと思います。もし機会があれば同好会にも…!?
パワフル中高年!
そんなこんなで、今年も楽しめた「世界らん展」。それにしてもだいぶ疲れました。周囲の中高年の方々のほうがよっぽど元気があります。乳母車を押してまで会場を巡るおばあさんをみかけましたが、もう脱帽です…。年々衰えを感じ始めているアラサー男子ではありますが、負けてはいられません。
先述の永井さんもそうですが、植物を愛でようとする熱意は計り知れないものがあります。僕も頑張らなくては!