世界らん展日本大賞の「スピリット・オブ・ザマ」をラジオで聴く。笑顔にさせる植物にもドラマがある

2015年2月。東京ドームで開催された「世界らん展日本大賞2015」。

はじめて行ってみましたが、その規模や訪れる来場者の人数には腰を抜かしました。およそ1種の植物をメインとするイベントに、こんなにも大勢のファンが詰めかけるのには目を見張ります。それだけ国内外を問わずランという植物の人気が高いということでしょう。

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さて、今回の世界らん展日本大賞に選ばれたのは、我が神奈川県内の生産者さんだとか。しかも、その名誉あるランには、神奈川県の「座間」という地名が掲げられているのです。そんなランを生み出した「座間洋らんセンター」の加藤晴幸さんが、FM横浜の「KANAGAWA Muffin」というラジオに出演するとのことで、ワクワクしながら拝聴しました。

ラジオのおおまかな内容

世界らん展とはそもそも、世界規模でみてもいちばん大きな大会のひとつ。9日間で何10万人ものお客さんが訪れ、20数か国地域から、何10万鉢のランが出品されるという、謂わば「ランのオリンピック」のようなもの[*01]。

「スピリット・オブ・ザマ」とは?

その中で「日本大賞」を受賞したのがこの、デンドロビューム・スミリエの「スピリット・オブ・ザマ」です。

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高さ150㎝・幅が100㎝ほど。加藤さんによると、花からは蜜が良く出て、舐めたら甘いのだとか[*02]。大会の審査時には、小さな花が1722個付いていて、房も22本。

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デンドロビュームのなかでも珍しい種類で、本来、夏に咲く花。それが真冬の2月に咲いていることに様々な方に驚かれたのだそう。企業秘密の開花調整を行い、バラバラに咲く花を同時に、しかも審査時にいちばん綺麗な状態に咲かせたのも評価された部分ではないかと語ります。

運命的な出会い

実は4年前、加藤さんの温室に雷が落ち、300坪ほど温室と貴重な植物が燃えてしまう。一時期、花づくりができないとまで追い詰められたそうですが、県内外の方から励まされ、花づくりを続けていこうと決心

世界らん展で1番をとり、恩返しをしようと胸に誓ったちょうどその頃、このスピリット・オブ・ザマと出会ったそうです。

花の数だけ笑顔がある

加藤さんは語ります。

花の数だけ、笑顔があったり、幸せがあったりする。いろんな人に花で幸せにするという思いで花づくりをしている。花は国を超えて、心が伝わるもの。できれば世界中の人たちに花を届けたい

番組によると、座間洋らんセンターは見学が可能とのこと。今度、行ってみようかと思います。

  1. 外国の業者さんのブースも数多くあり、ランとはプロアマを問わず数々の人々を魅了する植物なのだと、この身で実感しました []
  2. 会場となった東京ドームは、確かに良い香りで満ちていました []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。