「世界らん展日本大賞2018」の東京ドームを歩く!ランを買おうか迷っていたけど、結局…。

今年も参加してきました!「世界らん展日本大賞2018」。

世界らん展 日本大賞2018

世界らん展日本大賞2018 世界各地のさまざまなジャンルの蘭を集めて、皆様をお待ちしております。

www.jgpweb.com

群馬県からの参戦です。

世界らん展日本大賞2018へ!

会場はこんな様子です

今回はとにかくまわろう。そして、いろんなランを観て、本当に気に入った植物を買って帰ろう
そう決意して臨んだのです。

開催序盤ということもあって、会場は満員のお客さん

熱気がすごいです。
「世界らん展」が多くの人を惹き付けてやまないのは、やっぱり蘭の魅力を存分に表現しているから
入場してから眼前に現れる装飾エリアをみれば、「今年も来たんだなぁ~」と思わずにはいられません(笑)。

とくに感銘を受けたのは「神奈川沖蘭の浪裏」。

デンファロが押し寄せる波のうねりを表現していて、迫力満点。

写真で見るよりも実物は巨大で、モーション感を味わえるのです。
僕の中では、この「蘭の浪裏」がいちばん好きかな。

いちばんのミドコロはやっぱり「日本大賞」

そして会場のほぼ中心に位置するのが、みなさんお待ちかねの「世界らん展日本大賞」。
遠くから見ると、こんな感じ。

日本大賞の前には多くの人が集まっています
裏に回れば…。

スマホやカメラを手に撮影しようとワンサカワンサカ…。
それもそのはず。
今年の日本大賞は「グラマトフィラム・マルタエ ’マッシイズ’」。

ひときわ目立つ大株で、作者の斉藤さんは、なんと今回で4回目の大賞受賞最多だそうです。

注目の日本大賞は斉藤正博さん(茨城県つくば市)出品のグラマトフィラム・マルタエ’マッシイズ’が受賞しました。2008年、2009年、2013年に次ぐ、世界らん展最多4回目の大賞受賞です。

引用元: 「世界らん展日本大賞2018」が開幕!~大賞受賞花はグラマトフィラム・マルタエ’マッシイズ’|トピック&ニュース|みんなの趣味の園芸

「みんなの趣味の園芸」にはさらに、

大賞受賞の斉藤さんは、「1998年、小さな株で入手して以来、20年間、育ててきたランで、昨年の夏から秋にかけての長雨と低温が幸いしました」と語っていました。

「受賞したグラマトフィラム・マルタエ’マッシイズ’は本来の開花期である昨年5月に咲いたのですが、その後、夏以降の天候不順が影響して再び花芽が付いたのです。12月以降、温室の温度を上げ、蕾が落ちないように温度管理と水やり管理に注意し、再び花を咲かせることができました。」(斉藤正博さん)

引用元: 「世界らん展日本大賞2018」が開幕!~大賞受賞花はグラマトフィラム・マルタエ’マッシイズ’|トピック&ニュース|みんなの趣味の園芸

とありました。

一朝一夕にはいかないのが植物栽培です。
そのうえ、20年間も育ててきたとなると、植物愛もひとしおなはず。
枯らさずに現状維持をするだけでなく、立派に育て上げること…。簡単そうに見えて、すごく難しい。
その努力が結実しての出展であり、日本大賞であるのだと感じます。

展示はいつも驚きと発見に満ちあふれていて…

他の受賞作も見応え抜群。

こんなランもあるんだ!といつも驚かされるのです。

他にも、色とりどりのデンドロビウムのコーナーに、

僕の好きなパフィオのコーナー。

そして目を惹くファレノプシスの鮮やかさ…。

などなど。
種類別とはいえ、そのカテゴリーの中にも多様な品種があり、ランの多様性に惹きこまれます

販売ブースのお兄さんの熱意に飲み込まれたハナシ

植物を買って帰ろう!プロジェクト

さて、ここからが本題。
今回はランでもシダでもチランジアでも、何か「これだ!」と思う植物を買って帰ろうと心に決めての参戦です。

なぜか。

基本、多肉植物を主に栽培してきた身であり、他の植物の栽培方法に関しては非常に疎いボク。
もう少し経験値を上げたいと考えていた今日この頃。
できればランを買って帰りたい…。と群馬を飛び出したのです。

消費者マインド

はじめは栽培が簡単といわれるデンドロビウムあたりを物色していたのですが、どうもピンとこないのです。
いや、花は可憐できれいだし、何とも言えぬフォルムが植欲をそそる…。
のですが、いまやホームセンターで出回るデンドロの安さが心のどこかで足を引っ張る。

おなじ鉢物を生産している人間の言うことではありませんが…。
品質や品種の確かさにおいては、らん展のナーセリーで購入したほうが良いに決まっています。
分かっているのですが、スーパーやホームセンターで出会う、枯れかけ(!)の植物を買う方が案外、愛着が深くなるのも事実…。
人間って不思議です。
たぶん、これが厳然たる消費者マインドで多くの人も同じように考えているコトでしょう…。

「ランって面白いですよ」

結局、数件のお店でデンドロについてお話を伺いましたが、購入を断念。
そんなとき、とあるお店の男性から声を掛けられました。

販売員さん

お兄さん、このラン綺麗でしょ?

ふとお店のディスプレイに目をやると、カトレアを主にした品ぞろえ。
カトレアって僕の勝手なイメージですが、耐寒性が乏しく、ちょっと気難しい…
だから買わない。
正直に僕の思っているイメージを男性に伝えてみました。

すると、

販売員さん

いや、そうなんですよね!僕もたくさん失敗してきたんですけど、それでも面白いんですよ

その言葉を話した男性の表情は、ずっとにこやか。

販売員さん

僕なんか、冬の寒いあいだはコートの中にしまったり、なるべく暖かい場所にランを置いていましたよ。

お住まいは群馬県ですか…。

ん~、コタツに入れちゃうのも有効ですよ!(笑)

あれ?そこら辺のお店の人と、雰囲気が違う…。
そう思い、

杢太郎

ちなみにこのカトレア、どこがおもしろいんですか?

と、これまた直球の質問をぶつけてみる。

販売員さん

そうですね。人によっても違うと思うのですが、

この花の下の「バルブ」を楽しむ人もいれば、もちろん花を楽しむ人もいます

それにこのカトレアは「着生」して育てるとより一層、面白いんですよ!

ここで僕は感じたのです。
この人、本当にランが好きなんだなぁ…と
あらゆる展示会や植物イベントに回ってきましたが、どうも「業務」という形で接客に当たるナーセリーさんもいらっしゃいます
きっと、好きではない植物を売らされているんだろなぁとか、本当にこの植物を育てたことがあるんだろうかなど、疑問符が残る販売員さんも少なくはありません。
けれど、このお店のこの男性は、小さいころからランと親しんでいるそうで、今でもあらゆる可能性を探っている…。
だからこそ、栽培方法の解説がいちいち面白いし、リアルなのです。

ボク、カトレアを買う

完全に男性の熱意に、僕は根負け。
男性のオススメで、とにかく丈夫で育てるのが簡単なもの!ということでチョイス。
結果、「金橘子」というオレンジ色の花が眩しいカトレアを購入しました。

ポイントは乾燥気味に育てることだと、男性の販売員さんからイキイキと伝授されました。
いずれこのランの「動き」に慣れたら、着生にも挑戦してみたいです。

消費者目線で植物を売る

この体験をした後、考えたのは販売する側も消費者と同じ目線で、しかもそれ以上にあらゆる可能性を探るべきだと。
何年間も「好き」という原動力でその植物の実際を経験し、だからこそこういった場で、豊富なアレンジや栽培方法を解説できる。
「好きを仕事に」という一種のスローガンがあらゆるシーンでブームを起こしていますが、植物業界もことほど左様に有効のよう
この男性が幼いころからランが好きでなかったら?
好きでもないのに販売ブースに立っていたら?
間違にいなく僕は何も買わずに、東京ドームを後にしていたことでしょう。
それって、言い過ぎでしょうか?

ハナシは無駄に長くなりましたが、購入したカトレアが面白そう!
今度は僕がこの植物を「好き」になる番です。
まずは枯らさないように、丁寧に観察しながら育てていきたいです!

この「世界らん展」、最大の収穫は…

ということで、東京ドームの回転ドアを抜けて、群馬へ帰宅。
ちなみにこんな帽子を無料で頂きました!

たぶん、この世界らん展での、最大の収穫物はコレかもしれない(笑)。
後日、職場の農場で着用し、ひと笑いが取れました。
もう大満足です。
目立つがゆえに、遠くからでも仕事をサボる僕を見つけられるとのことで好評でしたよ!
株式会社フローラさん、ありがとうございます!

世界らん展の歴史も記述。おすすめ

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。