先日、GreenSnapを運営するアライドアーキテクツ株式会社さんの方から「GreenSnap」がテレビで紹介されたんですよ!との連絡がありました。
『ヒットの順番』で発表された観葉植物のランキング
放送日、なぜか伸びた当ブログのPV数
紹介があったのは、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」。このコーナーのひとつである「ヒットの順番」でGreenSnapが紹介されたそうです。
【ヒットの順番】観葉植物:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京
そういえば27日は、過去に投稿したGreenSnapの記事が何故だか大変多く読まれていました…。
そういうことだったのですね。僕はリアルタイムで観ていないのですが、テレビ東京のウェブサイトで、放送された内容を観ることができました[*01]。
解説文には、
都内にある老舗の花屋さん。店内では色鮮やかな花が目を引く。そんな中、客が思わず足を止める一角があった。花ではなく緑を楽しむ観葉植物だ。観葉植物の人気ランキング。6位までは緑の葉っぱが目に鮮やかな植物たちが並ぶ。9位のモンステラと10位のシェフレラは大きな葉で手軽に室内の緑を増やせる。6位のオリーブは、食品としてもよく知られているが、実は観葉植物としても人気。そしてランキング上位5つには、ある共通点があった。ベスト5は全てその多肉植物が占めた。5位の「コーデックス」。実は男性に人気。コーデックスは塊根(かいこん)植物とも言われる。幹や茎が盛りあがる植物。無骨な見た目が男性に受けている。一つ一つ、違う形に育つためその個性が魅力的なのだとか。1位に輝いたエケベリアは、葉っぱがまるでバラや牡丹の花のように広がるのが特徴。また、紅葉もするので豊富な色彩が女性に大人気の秘密だ。
引用元:【ヒットの順番】観葉植物:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京
とあります。
紹介された観葉植物ランキング
番組で登場したランキングは、COTO treeフェア(日比谷花壇)さん出展の統計(7月~9月)だそうで、非常に共感できました。ここにその順位を書き記しておくと、
- 10位:シェフレラ
- 9位:モンステラ
- 8位:フィカスアルテシマ
- 7位:ガジュマル
- 6位:オリーブ
- 5位:コーデックス
- 4位:アロエ
- 3位:アガベ
- 2位:ハオルチア
- 1位:エケベリア
とのこと。番組内でも解説がありましたが、5位から1位までは多肉植物です。今回はどうしてこんな順位になったのか、僕なりに踏み込んで書いてみます。
『観葉植物ランキング』と僕の戯言
10位:シェフレラ
インドアグリーンとして、長い期間、高い人気を誇る観葉植物です。レストランをはじめ、ホテルやショッピングモールなどあらゆるところに使われています。
以前このブログでも紹介した「はじめての観葉植物 (TJMOOK)」には、
環境に順応する能力が高く、徐々に慣らしていけば日陰にも真夏の直射日光にもよく耐える丈夫な植物。移動される際は徐々に環境に慣らすようにする。日当たりの良い場所のほうが丈夫に育つ。
引用元:はじめての観葉植物 (TJMOOK)
とあります。多くの植物は日当たり良好な場所だけを好んだり、日陰だったら日陰を好みます。ところが、生育環境によって順応するなら、ある程度日光が差し込む場所なら置き場所に頭を抱えなくても済む…ということ[*02]。
あらゆる施設で目にしたり、葉の形状も独特なため、「刷り込み」で記憶→人気が高い…ってのも、あるかもしれません(笑)。
9位:モンステラ
こちらも2000年代に入って、インテリアファブリックの図柄に採用され一大ブームを巻き起こしました。建築関係や服飾関係の方であれば「モンステラ柄」ときいてピンとくるかもしれません。
そのブームと同じくして、ホンモノのモンステラが建築雑誌にも多く登場し、僕もその流行に乗ってモンステラを育てていました。ところがあまり知識がなかったので、冬でもバンバン水遣りをしていたため、あっという間に枯れました。
「水を遣ってるのに、どうして枯れるの?」
初心者の僕がこの悩みを解決するのは、それからずっと先のこと…[*03]。最低温度は5℃。冬場の水やりは控えめにすると、越冬しやすくなります。
8位:フィカスアルテシマ
簡単に言えば、ゴムの木です。ゴムの木にも種類が多く、普及しているのは「フィカス・バーガンディ」「フィカス・エラスティカ・ティケネ」そして「フィカス・アルテシマ」です。
アルテシマは、緑色を基調とした葉に、黄緑色の斑が入ります。エラスティカ・ティケネよりも派手ではないのですが、よく目を凝らせば見えてくる斑がなんともお上品。
ちなみにゴムの木系統の「フィカス」と付く植物は総じて丈夫です。なかなか乱暴に栽培していても枯れることはありません。1週間旅行に出かけ、ほかの熱帯植物ならシワシワになっているところ、フィカス類はまだまだピンピン。
もちろんこのフィカス・アルテシマも丈夫で、容易に長く付き合える植物であると言えます。
7位:ガジュマル
上記「フィカス」と同じ仲間の植物です。日本でも屋久島や沖縄にも地植えで生えているため、知名度も高く人気です。
そんな自生地では高さ20mになるものの、小さな苗を購入し、小さな鉢で栽培するとゆっくり成長していきます。そのためコンパクトな大きさに収めることができ、インテリアプランツとしての凡庸性に優れ、評価されています。
盆栽のように適切なメンテナンスを施せば、小さな姿形で栽培ができるので可愛いらしく、女子向けセレクトショップでもよく目にします…[*04]。それにゴムの木と同じく丈夫で育てやすい!
冬場、葉っぱが黄色くなってハゲてしまっても、春に小さな芽を出して安堵する…なんてことも(笑)。「枯れちゃったから捨てよっと♪」などと処分しませんように…!
6位:オリーブ
実はオリーブを栽培したことがなく、僕にはこの植物に関する経験やデータがあまりありません。
知っているのは、西畠清順さんが樹齢数100年のオリーブの木でブームを起こしていること。それから2本購入しないと実をつけないことくらい…。
どちらかと言えば庭木の扱いで、守備範囲外なのですが、機会があれば栽培したい植物のひとつです[*05]。
5位:コーデックス
ひとくちに「コーデックス」とありますが、コーデックスとはいわゆる「塊根植物」。根や幹の部分が肥大した植物の総称です。
コーデックスのなかには様々な種類の植物が含まれていて、有名ドコロでは「パキポディウム」や、
「アデニウム(砂漠の薔薇)」があります。
近年「男前インテリア」や「塩系インテリア」などといったスタイルの流行によって、その無骨な印象が男性からの支持が増えています。
さらには雑誌「BRUTUS」での「珍奇植物」特集などによっても注目度が上がっていて、今後もファンは増加する予想です。
残念なのは、非常に人気の高い一部の種類は価格が高騰していることが挙げられます。
4位:アロエ
アロエときけば「ヨーグルトに入ってるアレでしょ?」とキダチアロエを想像される方も少なくありません。
実はアロエの園芸品種には様々なバリエーションが流通しています。古くからのファンも多いのですが、色合いや質感に惚れこんでしまう若い世代の愛好者も生まれつつあります。
さらには交配も盛んに行われ、豊かな表情を持つアロエがいまもなお増えているのです。
一方で、何と何を交配したのか分からなくなってしまったいわゆる「札落ち」の美しい株が、二束三文で売られていたり…。こういうのを買うことについてコレクターの間では賛否両論あるのも付け加えておきます…(笑)。
3位:アガベ
正直、筆者としては意外なランクインだと感じています。
有名なのはテキーラの原料となるのが、アガベのテキラーナ・ウェーバー・ブルーという品種から造られるということ。
またはたびたびニュースになるのが、アガベの花が咲くと「100年に一度の開花」とあらゆるメディアで報道されることです。
園芸品種としては、5位のコーデックスにも共通する「無骨な印象」が受けている種類もあり、それがこの結果に影響しているのかな?とも感じています。
ちなみにコンクリートを突き破って子株を生やす「ド根性」も持ち合わせているので、それもまた魅力のひとつです(笑)。
2位:ハオルチア
2016年の春ごろから、テレビや新聞のニュースでこの植物を見かけた人も多いのではないでしょうか。
暗い話なのですが、ハオルチアを愛好している栽培家さんの家に窃盗犯が入り、多くの株を盗まれてしまうという事件が全国各地で起きているそうです。
なぜなら、ハオルチアは日本で作出され、世界中でその評価が高まり、現在でも驚くほどの価格で取引されているから。
確かに、植物とは思えないほどの美しさや魅惑に触れれば、誰しもが心を揺さぶられてしまう…。価格もピンキリで、栽培も比較的容易。最近は流通も増えているので、手頃なハオルチアに出会ったら挑戦してみては?
1位:エケベリア
さすがです、1位はやっぱりエケベリア。なぜなら女子からの支持率が圧倒的に高いのです。
番組内でも紹介がありましたが、バラなどの花を思わせる「ロゼット型」のフォルムが「可愛い」「美しい」と評され、人気を呼んでいます。
株の形状のみならず、花も可憐で心を惹かれるので、その魅力から人気が高いのも頷けます。
栽培も簡単なため、初心者からも愛されるのも頷けます。
まとめ
女性客が多かった?
こうしてみてみると、おそらく女性のお客さんが多かったのではないかと推測できるのですが、およそいまの流行とかけ離れた差異はないかと思います。
珍奇植物というキーワードから始まり、ハオルチアの事件など…。その植物を知るきっかけはさまざまですが、上位に多肉植物がきているのも興味深いところです。
現代の多忙なライフスタイルとはいえども、身近に「緑」を置きたい…。そんなとき比較的管理が容易な多肉植物が好まれるのは想像に難くありません。そこに「シンプル」「クール」「スタイリッシュ」などというコンセプトキーワードが室内空間の多様化に伴い観葉植物にも波及している…と僕は考えています。
ゆえに今後は、5号くらいからの比較的、中型~大型の植物が再び求められるような気もします。ここらへんは年末にでも2017年予想として記事化してみます。
植物ランキングって面白そう…。
音楽や映画、そして本のチャートはあるのに、よく考えたら「人気の植物ランキング」ってあまり聞かないです。各地の小売店や市場での統計はあるのかもしれませんが、流行とは関係なく「物日(一般的にお祝い事などの意味を言いますが、花卉業界では出荷の多い季節を指したりします)」で定期的な予測もたつのでさほど注目はされないのかも。
けれど、鉢物(観葉植物)の部門だけでも統計を算出してみれば、案外、流行に左右されて変動しているかもしれません…。業者ではないので詳しくわかりませんが、調べてみたいもののひとつです。
どこか大きな業者が「今月の観葉植物ランキング」と何かで発表していたら、面白いコンテンツになるだろうなぁ(笑)。そこにECサイトの機能も付加してみたり…。机上の空論が止まりません…(笑)。