また、「沸騰ワード10」関連の話を書きます。この記事が読者の方にどういった意味をもたらすのか、書こうか書くまいか逡巡していました。
書いたことで被害に遭われた方の心情を損ねたりしないか。また、無暗に騒ぎ立て、犯罪を助長させたりしないか…。いろいろと考えましたが、僕の良心に従って、書き記すことに決めました。
「日本ハオルシア協会」さんのブログ記事から。植物を盗まれないために…。
「沸騰ワード10」の番組後半に、ハオルシアの価格が高騰している…というシーンがありました。オーソドックスなものなら一鉢500円程度のものですが、珍しいものになると100万円の価格がつくとか…。ここまできたら、生きる美術品といっても過言ではありません。
ハオルシアの盗難被害が続いている…
そんなハオルシアについて、国際多肉植物協会さんのホームページにこんな記述があります。
今年に入って海外でも価格が高騰しているハオルシアの盗難被害が続いています。
日本の園芸種は特に人気があり、ハオルシア栽培家、専門業者の方は十分警戒してください。
日本ハオルシア紹介オフシャルブログより http://haworthia.ldblog.jp/(原文ママ)引用元:国際多肉植物協会(I.S.I.J.)
さらに、このリンク先へ飛んでみると、日本ハオルシア協会さんのブログに行きつきます。みると、ここ最近の投稿は残念な話題が多いのです…。
簡潔に書くと、ハオルシア栽培家さんの温室に窃盗犯が入り、大量のハオルシアを鉢から抜き取って盗んでしまう…というもの。しかも1件だけではなく、立て続けに事件が起きているのです。
これまで多くの植物で盗難事件はありましたが、これほど高額被害の事件はほとんどありませんでした。つまり単位重さ当たりではハオルシアは飛び抜けて高価 な植物だということです。
車1台で何億円もの盗品を積み込めるわけで、泥棒にしてみればこんなに効率的に稼げるものはない、ということです。観賞上、あるいは美的にだけでなく、価値の上でも宝石のような植物になったわけです。裏社会の人間にしてみれば、日本には畑の真ん中などに何億もの価値のある植物が、全く無防備においてあり、ナイフ1本で簡単に侵入して盗みだせる、某国にはいくら金を出しても欲しい人間がたくさんいて闇から闇へと容易に換金でき、かつその植物がどこから来たかという点で、証拠がない、つまり足がつかない、日本の警察も盗品が植物だから真剣に捜査しない、こんなうまい話はない、というわけです。
一連の事件が同一犯かどうかわかりませんが、その可能性も高く、実際にとんでもない金額の盗み出しに成功したのですから、裏社会でも大きな話題になっているはずです。
防犯対策について。詳しくはハオルシア協会さんのブログを読んで!
ハオルシア協会さんのブログでは、今後、プロの窃盗団などによる、こうした事件が多くなると警告しています。そして、どのように警戒するのか、
- 必要な場合、個人情報等の公開を最小限にとどめる
- ネットに連関する写真を無暗に公開しない、Exifという付加情報に注意する
- 温室への物理的な防犯対策、カメラの設置や警備会社との契約などをする
などと注意を喚起しています。他にも沢山の対策方法・注意喚起がありますので、詳しくはハオルシア協会さんのブログをしっかりと読んでください。
ハオルシアが高価な理由
世界的にみてもハオルシアの人気が高まり、人気が高いということは、高値で取引されるということ。大変な需要があるということです。
また、ほかの植物でもそうですが、生産しようと思ってもすぐにつくられるものでなく、商品になるには長い年月が必要となります。もっとも、ハオルシアなどの多肉植物は生長速度が極めて遅い。
ゆえに、商品単体のコストも当然に高くなり、そこにコレクション性などのプレミアムも付加され、とんでもない価格で出回っているのです。しかも世界規模でブームが起きていると…。
僕が多肉植物をはじめたころにはすでに、ハオルシアの人気は高く、一時期のビッグバザールでは大半の商品がハオルシアだった…という記憶も。今では「珍奇植物」の台頭で、バリエーションに富んだ植物を観ることができますが…。それでも国内のハオルシアブームは衰えていないと感じます。
命を削りながら植物を育てている…!
今年、ハオルシア協会さんの「ハオルシアフェア」にも参加させていただきましたが、どの方もハオルシアを大切に育てているのを強く感じました[*01]。そして、どの方も優しくアドバイスなどをくれ、大変有意義なイベントだったと記憶しています。
その一方で、今後大きく発展していく分野(商圏)であるとも…。そんな中でこういった事件が起こるのは、悲しいこと。
植物愛好家はコレクションに長い時間を使い、対価を払い、文字通り命を削りながら栽培しています。それを問答無用に鉢から引き抜き、粗雑に盗み出す。考えただけで言葉にならない悔しさと、虚しさが沸々と起こります。植物愛好家の一人として、許せません。
対策をしなければならないのは、ハオルシアだけじゃない。
今後、ハオルシアだけでなく、ラン・多肉植物を含め、あらゆる植物も注意が必要になると僕は思います。ネット上には多くの植物情報が溢れ、一昔前には見向きもされなかった植物も、誰彼かまわず、一瞬にしてその価値を判断することができます[*02]。
だから、ハオルシア協会さんのブログに書かれている事柄は大変重要で、僕らはこれまで以上に注意を払わないといけないのです。残念ですが、世間での植物への関心が高まれば高まるほど、防御の体制もしっかりとしなくてはならないようです。
あらゆる人への注意喚起と、ハオルシア協会さんへ少しでも助けになればと、ここに記しました。ブログの内容をぜひご一読いただきたいです。みなさん、お気を付け下さい。