本日、読み終わりました。
趣味の園芸ビギナーズ2016年1月~3月号
特集タイトルは「ようこそ多肉、サボテン」です。
今号の特集は多肉植物・サボテン
『趣味の園芸ビギナーズ』に関して言えば、サボテン・多肉植物については食傷気味ですが、未だ人気のあるカテゴリー。
プレゼントで多肉植物を貰ったり、これからはじめよう!という人がいる限り需要はあるはず。書名もビギナーズですので、初心者に嬉しい特集は続けるべきです。
多肉植物の紹介。直観で選べる多肉植物とサボテン
さて、今回の中身を簡単に説明していきます。
まずは、多肉植物の紹介。多肉植物の性質別にカテゴライズしています。たとえば「ツルツルキラキラ」な植物には、コノフィツムのブルゲリやハオルシアのオブツーサなど。
対して「フワフワホワイト」な植物には、サボテンのケファロケレウス[*01]の翁丸や、カランコエの福兎耳など。
そのあとには、いま流行りの「コーデックス」、「兜サボテン」の紹介が続きます[*02]。このように、育ててみたい植物を直観で選ぶことができ、まさに初心者には嬉しい特集です。
ただ、ラインナップをみると、昨今なにかと話題の「珍奇植物(ビザールプランツ)」も混じっていて、いかにも普及種な多肉植物はあまり登場せず[*03]。時代は変わりましたねぇ。
もっと知りたい!「専門店の仕事とは?」
続いて、サボテン・多肉植物専門店の『鶴仙園』店長、鶴岡秀明さんの育て方講座。こちらはビギナーズを買って読んでもらうとして、注目は「専門店の仕事とは?」という1ページの記事。鶴岡さんの裏話(?)が掲載されています。
これ、膨らまし方によってはスゴク面白いネタだなって感じます。残念ながら今回の記事は、あまりスペースがありません。が、植物のプロは普段、どんな作業をしているのか。どんな思いを持って仕事を続けているのか…。植物を生業・趣味とするものだけでなく、一般人でも興味のあるところ。
こういった読み物では「グリーンコーディネーターになるには」などが、生の声を知ることができて面白い。
あとは、やっぱり西畠清順さんの「プラントハンター」。世界観がぶっ飛んでいる、日常とは異次元なギャップを楽しめます。
「職業論」的な部分を扱った本は、建築家のものは数多くあるけれど、なぜか園芸家にはあまりありません[*04]。著名な園芸家を何人か集めて、それぞれの仕事を追った本があれば、ぜひ読みたい…!
「グリーンハウスに行こう!」
話を戻します。その後は、多肉植物の寄せ植え解説などがあり、サボテン・多肉植物特集は終了。そして、「グリーンハウスに行こう!」とテキスト企画が続きます。
こちらは日本各所10カ所の温室のある植物園を特集したもの。行ったことのある植物園、これから行きたい植物園など、個人的にテンションの上がるコーナーです。どこも一生のうちには訪れてみたい場所。
冬から春にかけての特集
そしてここからが本題。前回の趣味の園芸ビギナーズは、何か内容が薄いものに感じられました。観葉植物の特集も掘り下げておらず、かといって冬の園芸も浅く狭いもの。
ところが今回は、冬から春にかけての「園芸の愉しみ方」がたくさん紹介されています。内容的には決して深いものではありませんが、プリムラを育ててみようとか、球根をはじめようとか、スプラウトに挑戦しようとか…。
前回よりも「寒い季節でも楽しめる園芸」が、いくつもの選択肢で紹介され、これならやってみようかな?と思わざるを得ない内容です。そしてここでも多肉植物を栽培する紹介があり、「植欲(植物をそだてたくなる欲求)」が湧いてくるのです。
まとめ
まとめです。前回よりはある程度、内容が豊富になったかなぁ…と思います。
ですが、僕の意見としては、これまでのように1冊につき1特集のビギナーズの方が読んでて面白い。そして深く切り込んでいるので永く使えるのです。
現状のものだと、ビギナーズとはいえ紹介される植物の種類は少ないし、栽培方法もあまりに初級。
多肉植物が伸びてしまったら切り戻します、はい終わり!じゃなくて、そこからどんな場所に置くべきか、他にどう寄せ植えなどのアレンジができるか、さらには少しの時間は保管できる…とか、初心者にとってはこういった「どうする?」の部分が知りたいのです。
2015年の春号から迷走している感が否めませんが、2016年の春号に期待です。戻ってきて!広くて深いビギナーズ!!