ここ最近、多肉界隈を賑わせている情報…。それは、趣味の園芸ビギナーズが多肉植物とサボテンのムック本を出したとか…。僕自身、広く植物本の情報を集めているのだと自負していましたが、何故か今回は見逃していました…。
慌てて購入し、早速、読んでみました。
この本の内容について
ぱらぱらっとページをめくると、何か見覚えのある情報や写真がちらほら…。そうです。今回のムック本は、以前発行された「趣味の園芸ビギナーズ 多肉植物12の扉」を加筆したもののよう。
当然、内容がカブる箇所もいくつかありますが、ビギナーズのテキストはすでに絶版状態。入門書として購入するのなら、今回の「はじめて育てる! 多肉植物 サボテン」を買うしかありません。
端的にこの本の用途を示すのなら、多肉植物をプレゼントするのなら、この本をつけるべし、といったところ。「多肉植物って、サボテンみたいなやつ?」とか言っちゃう人には最適です。要するに、入門書中の入門書です。
構成は、多肉情報を広く深くカバー
ただし、入門書だと侮ることなかれ。以前、ビギナーズテキストの紹介をしたときにも書きましたが、今回も構成は教科書のようになっていて、広く深くカバーしています。多肉植物を数年間、趣味として続けてきた僕でさえも、「えっ、ここまでカバーしちゃうの?」という内容の深さです。
多肉植物マニアへの第一歩!「多肉植物・サボテン 特選カタログ」
例えば、テキストにはかなった「多肉植物・サボテン 特選カタログ」。どういうコーナーかと言えば、普段、ホームセンターや街中の園芸展では多分みることのできない、レアな品種を紹介しています。
多肉植物以外のあらゆるジャンルにも共通することですが、マニアックなものの価値は、手に入りづらい(作りづらい)、あるいはその特異性(エラー品など一般的でないもの)によって高められていくのだと思います。
もちろん、多肉植物・サボテンにおいても同じこと[*01]。他では買えない、ヘンテコなものを購入し、悦に浸るのがマニアックの醍醐味であって、それに自分なりの付加価値を込めていくのが、その王道。
「特選カタログ」には二十数種類もの植物が紹介され、マニア道への一助となること間違いなし。
「多肉植物・サボテン 特選カタログ」でみつけた、声に出しては読めない新たな情報
なかでも、僕も持っているあの卑猥な「珍宝閣」も紹介され、このテキストで新たな情報を見つけてしまう。
それは、珍宝閣を英名で呼ぶと
となるらしいのです[*02]。ねっ、広く深い内容でしょ。
重宝する「多肉植物・サボテンが買えるSHOPリスト」
他にも、重宝する情報は「多肉植物・サボテンが買えるSHOPリスト」。
いくら情報が得られやすい世の中になったとはいえ、まだまだ専門店を統括して紹介している情報は数少ない[*03]。
その上、多肉植物ブーム以降、多肉植物専門店は確かに増えました。それらを全国的に、かつ、概要までをも網羅した情報はこれ以外まだ見たことがありません。ゆえにこの「SHOPリスト」だけでも重宝します。
マニアと多肉トークをする前に「多肉植物カタログ」は読んでおこう
また、テキストにあった「多肉植物カタログ」。これにサボテンを100種類以上追加したものが、今回のムック巻末にある「多肉植物・サボテン図鑑」です。
広く流通し、一般的な種類をほぼピックアップしているので、これさえ覚えておけば、マニアの出題する口頭試問には合格できそう。多肉植物好きなら、このページをペラペラめくりながら酒が飲めますよ。
「サボテン」関係の情報は薄い…。
ただ、残念なのが本のタイトルに「サボテン」と入っていますが、サボテンに関する栽培法の記述はほぼありません。
ビギナーズのテキストに、慌ててサボテンを詰め込んだ感が否めません。貰ったサボテンを前に栽培法を調べるとすると、きっと内容の薄さに困る。サボテン初心者からしたら、この本は使えないかも。別の本を購入されることをお勧めします。
初心者へのプレゼントには超絶マッチ!
とはいえ、あくまでメインは多肉植物。多肉植物をはじめて栽培しようとする方なら、これ以上、入門書として最適なものはありません。カワイイ多肉植物+この「はじめて育てる!多肉植物 サボテン」ムックのプレゼント。友人・知人に中毒症を広めるのなら、持って来いです!