いい意味で予想外でした。
「趣味の園芸2月号」を読んでみる
予想を外した!
2018年1月20日に発売された「趣味の園芸2月号」。
その特集は「まだまだやります! 冬も多肉植物、サボテン」です。
[大特集]まだまだやります! 冬も多肉植物、サボテン
とげや凸凹、綿毛やいぼなど、質感をもち、多彩な表情を見せる多肉。寄って、掘って、切って、魅力のヒントを発見! 多肉の新鮮な姿を観察してみよう。
・多肉植物、サボテンの真の姿を見てみよう!
引用元: NHK 趣味の園芸 2018年2月号 | NHK出版
・出身地別 多肉植物、サボテンコレクション
・NO MORE カン違い栽培 出動、多肉警察!
・早い! 簡単! 失敗しない! 多肉植物のふやし方
・専門家3人が厳選! 多肉・サボテン番付
・ガーデンツールの達人⑪ とっておきの多肉鉢
この特集に先立って、2月号はどのような構成になるのか予想してみたのです。
前回の2017年9月号では「コーデックス」と呼ばれる多肉植物群が大きく取り上げられました。
コーデックスの実用書が世にほとんどない現在、非常に貴重な情報源となったのです。
ゆえに今号もまさかコーデックスは取り上げられないだろうとみていたのですが、大きく外れました。
趣味の園芸を購入し中身を見ると、今号でもコーデックスについての情報が多く、また有用な情報源が増えたのです…!
有用なポイントを整理する
それは多肉植物の枠の中では玄人向けとして見られていた「コーデックス」の魅力を多くの人に伝えることができる点。
そしてその栽培方法を伝えることができる点…。
老若男女、多くの人が手に取る園芸誌だからこその工夫があちらこちらにちりばめられています。
ちなみに。
前回の多肉植物特集号(2017年9月号)のポイントは、大きく3つに分けることができます。
- コーデックスの種類紹介&簡単な栽培方法
- 人気の高い普及種の種別栽培方法
- 多肉植物のアレンジ方法
という要素で構成。
なかでもコーデックスの栽培法(栽培カレンダー)は程よくまとまっていて、非常に有益。
ネットにはいくつかの栽培方法があがっているものの、実用書など書籍部門ではなかなか見つけられません。
そして今回の多肉植物特集号。
同じく3つにポイントを整理すると、
- 主に冬型の多肉植物の紹介
- 冬型をはじめとする多肉植物の栽培方法
- 多肉植物番付と植木鉢特集
となるかと思います。
こうして眺めてみると、気温の低いこの時期でも、比較的冬越しが容易とされている植物を中心にスポットライトを当てていることに気が付きます。
初心者も読むであろう誌面にこの時期、わざわざ必要温度の低い植物を紹介してもトラブルのモトですし。
「趣味の園芸2月号」読んでおくべき内容
NO MORE カン違い栽培 出動、多肉警察!
さて、この特集のなかでいま読んでおくべき内容が3つあります。
ひとつめは『NO MORE カン違い栽培 出動、多肉警察!』のコーナー。
この章はホントに重要。
特に多肉植物の栽培を始めて間もない初心者は絶対読むべし。
冬の多肉植物管理を縦軸に取り、初心者に起こりがちな失敗を横軸に解説。
多肉植物の栽培に必要な基本が程よくまとめてあり、下手なインターネットのクソ情報[*01]を読むより何倍も有益です。
逆に言えばここに書いてある内容はごくごく当たり前なこと。
もし「えっ、アタシ勘違いしてた!」と感じたら軌道修正するべきです。
多肉植物 生産タイプ別栽培カレンダー
2つ目はこのコーナー最後の「多肉植物 生産タイプ別栽培カレンダー」。
ページを切り取って冷蔵庫に貼り付けても良いくらい活用できます。
実は2017年9月号にも「生育型別 栽培カレンダー」は掲載されていたのですが、こちらは1ページ。
今号では内容はほとんど変わらず2ページにわたって掲載され、非常に読みやすくなっています。
多肉植物には基本、生育型が3つあり、それぞれ「春秋型」「夏型」「冬型」に大別されます。
それにより多肉植物の管理を分けていく…というのがセオリーとなっているのですが、ついつい管理方法を忘れてしまうのです。
とりわけ初心者にとってはこの管理法がややこしい!
覚えるだけでも精いっぱいなのです。
直近で2度も同じ内容の情報が掲載されたということは、それほど重要な意味を持つもの。
自分が管理している多肉植物の生育型は何かを把握することは大変な作業ですが、まずは失敗しないための第一歩。
このカレンダーを大いに活用したいものです。
専門家3人が厳選! 多肉・サボテン番付
3つめ。
最近の「趣味の園芸」が変わってきたなぁと思うことのひとつなのですが、流行を取り入れた構成になりはじめているように思います。
それまでは公共放送らしく、なるべく万遍なく多種類の植物を小ページ単位で掲載。
それがかえって新奇性のない、いつもと同じ内容っぽく感じてしまう原因になっていました。
しかし、2016年4月号から「大特集主義」という構成方法に。
するとそれまでは載せられなかった最新の情報や、事細かな栽培方法も収められ、僕ら園芸初心者からすると何かと嬉しい誌面に変わったのです。
それがだんだんとエスカレート(?)し、今やトレンドをいち早く知ることのできる媒体となっています。
特に「今、熱い植物」コーナーはSNSなどのネット上で一目置かれている人物をフィーチャー。
同時に今後流行しそうな植物も併せて紹介されるので、僕は毎号、まずはこのページから目を通しています。
ハナシは今号に戻って「多肉・サボテン番付」のコーナーもトレンドを存分に取り入れた内容となっています。
特に「鶴仙園」の鶴岡さんが選ぶ「コーデックス番付」はコーデックス人気の中心を行く品種が数多く選抜。
マニアが憧れる「オペルクリカリア・パキプス」の説明も秀逸です。
他にカクタス長田の長田研さんが解説する「エケベリア育てやすさ番付」、山城愛仙園の山城智洋さんの「サボテン希少番付」も面白いです。
なぜいま、「趣味の園芸」を読むべきか
加速度的に早くなる商品のトレンド
多肉植物、もとい園芸業界の流れは非常に早くなっています。
昨日流行してたものが明日には廃れ、日の目もみなかったような植物が耳目を集める時代。
それは、IT技術が発達し、SNS上などで火が付いた植物が一気に広まるから。
それに乗っかる形で各種メディアが報道し、爆発的なブームとなるのです。
しかし、インターネットの使い方もままならない、俗にいう情報弱者も多いのが現状。
そんな方はきっと、今号で取り上げられている多肉植物の編成をみてもピンとこないか、「おい!多肉植物なのに木が載っているじゃないか」と仰天されるかもしれません。
ややもすれば、そんな植物販売の関係者もいたりして…(^-^;。
頭の中を「アップデート」するために
でも明らかなのは、誰も何が流行るのか分からないこと。
分からなくとも、自分の中に情報を取り入れ、古くなった価値観を刷新することはできます。
昭和の流行に憑りつかれたままでいるのではなく、少しは「現在」に寄り添ってみる。
そうすれば次の「何か」が見えてくるかもしれません。
できれば今後も趣味の園芸を使って、頭の中をアップグレードしたいです。
ちなみに昨年の「趣味の園芸9月号」も併せて読んでおくと、コーデックスとは何か、ふんわりと掴めるかもしれません。
まだ購入ができます。併読をオススメします。
- 当ブログも含めて [↩]