BRUTUS『珍奇植物』特集第3弾を読む!ワイルドな自生地の姿にヨダレ掛け必須だよ。

待ちに待ったBRUTUSの珍奇植物特集第3弾

これまであらゆる分野に影響を及ぼしてきた珍奇植物特集ですが、今回もインパクトがデカい
なんせこれでもか、というくらい原生地の写真をふんだんに掲載し、そのパワフルで野趣溢れる植物の「生き様」を見て取れるから。

BRUTUS『珍奇植物』特集第3弾、2018年6月15日発売!

題号は『新・珍奇植物 遥かなる自生地へ。』

本日、出勤前にコンビニへ立ち寄り、雑誌コーナーから1冊の本を抜き出し、まるでエ〇本を買うかのようにレジに突き出しました。
決してひるむことなく、オレはこんなモンを買うんだぜ、何か文句ある?と。
そしてそのまま会社の休憩時間に堂々と読みふけり、真っ昼間からその珍奇さに酔いしれたのです。

BRUTUSのウェブサイトには、

2年ぶりに帰ってきた「珍奇植物」特集。多種多様、珍妙珍奇な植物たちは、今もなお、多くの人々を魅了し続けています。今回は、その生長の美しさから園芸の手本とされる、珍奇植物たちの故郷、“自生地”に焦点を当てました。育てる上で、愛でる上で、知らずにはいられない憧れの地を、少し覗いてみませんか?

引用元: 新・珍奇植物 — Brutus No. 872 試し読みと目次 | BRUTUS | マガジンワールド

とあります。
そう、たいていの植物には「自生地」があり、その地の環境下であればたくましく育つもの。
植物の中に眠る生命力を如何に引き出し、健康的な株に仕上げていくのもまた、園芸人の腕の見せ所。
ゆえにあらゆる園芸指南書では「自生地の環境に学ぼう!」とか「原生地を知ろう!」などの記述があったりするのです。

自生地の写真がふんだんに使われている写真集といえば、最近では、

や、ちょっと古いものだと

などがあります。
が、なかなか珍奇植物の「濃い類」の写真集がないのです…。
そんなところに今回の「珍奇植物第3弾」。

自生地のチカラ強さ

序盤には、

  • 南アフリカ・ナミビアの多肉植物
  • 中南米のサボテン
  • 東南アジア・南米の熱帯雨林植物
  • 世界の食用野生植物

と続きます。
写真点数は決して多くはありませんが、憧れのアノ植物が現地ではこんな風に生えているんだ!と、違った一面を知ることができるかもしれません。

そして後半はスピーシーズ ナーサリーの藤川史雄さんと行くブラジルの旅
こちらは主にプロメリア系の植物サボテンの現地写真が多く、あたかも藤川さんの旅に同行しているかのような気分になります(笑)。
何より前半も後半も、植物のありのままの姿が、ダイナミックで力強い印象を抱くはずです。
その環境に適応するため、長い時間を掛けてカタチを変化させてきた植物たち。
窮屈な鉢に植えられているときとは違う、ありのままの姿こそ栽培の原点であり、その植物たちを愛好するのならば写真だけでも見ておきたい。
できるのならば、いずれはこの目で本来の姿を目の当たりにしたい!…という夢も膨らませてくれるのです(笑)。

第1弾と構成が似ています

感想。
どこか「珍奇植物」特集の第1弾に構成が似ていると感じました。
共通する箇所は、

  • 珍奇植物リスト
  • 珍奇植物を取り扱うショップリスト
  • 藤川さんの現地レポ

といったところ。
ただし、珍奇植物のリストは第1弾に比べるとなかなかディープ

第1弾・第2弾を読んだ後に第3弾を目を通すと、なんだか次元の違いを感じてしまう[*01]…(笑)。
職場のオバサンに「こんな植物が載ってますけど、どうです?」なんて見せたら、「気持ち悪い!蛇みたいな色だけど枯れてるのかしら?」だって。
ちょっと刺激が強かったかしら?(笑)。

カッコイイのは集める事じゃない。育て続ける事。

「珍奇植物」の栽培解説が少ない

で。
このブログに何度も書いていますが、「珍奇植物」ブームが起こってから、あらゆる事象が各地で発生
他人や専門店の植物を盗んだり、はたまた植物店が生産者の植物を盗んだり…。

それだけではなく、高い金額の植物を買ったはいいものの、間違った栽培方法で育て、1年も経たずに枯らしてしまう…などなど。
ブームはその趣味に打ち込む人を取り込む広い門戸となって喜ばしいことではありますが、僕としては流行の流れが速すぎると感じます
そもそも「珍奇植物」の栽培方法を解説したウェブサイトや書籍が少なすぎるのです。
基本的にはエアプランツや観葉植物・多肉植物と同じような栽培方法での管理ができるのですが、初心者が同じ系統の植物を調べだし、どの生育型が適合するかなど、細かいところまで探し出すことができるのでしょうか?
できれば、その植物を検索すれば即座に栽培方法がわかるウェブサイト、書籍の充実が望まれます

最低限の覚悟と知識と努力を要する

植物を育てることで楽しむ僕らにとっても、栽培方法を知るための努力と、知識、それから永くその植物と暮らすための覚悟は必要です。
かくいう僕も幾多の植物を枯らし散財してきたクチなので、偉そうなことは言えません。
が、珍奇植物とされる部門の価格が高騰している以上、お節介ながらも警鐘をならしたいところ。
とくにワシントン条約で取引の規制がかかる植物は人気が高いものも多く、その分、価格も目下乱高下中。
栽培も気難しいものもあり、珍奇植物をはじめるのなら、ショップリストにあるような専門店の方に相談を請うほうが無難です。

珍奇植物をカッコイイと感じるのは、フォルムがカッコいいから。
珍奇植物を育てている人がカッコいいと感じるのは、育て続けているから。
珍奇植物を育て続けている人がカッコいいのは、知識と経験があるから。
でも、知識と経験は誰にでも手にすることができます。
永く植物と暮らす覚悟があれば…。

第3段と併読するなら「合本」を選ぼう

ちなみに。
第1弾と第2弾を合体させ、1冊で「珍奇植物」の世界を俯瞰することができるのが「合本 珍奇植物/総まとめ」です。

まだ第1弾も第2弾も読んでいないという方は、特にオススメ
是非とも、第3弾と一緒に購入してはいかがでしょうか。

  1. 第1弾をみたときには軽く眩暈を起こしたのです(笑)が、もう耐性がついたみたい。 []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。