鉢物生産の仕事に転職してもうすぐ3年…。いまの僕が思うこと

以前エントリーした、群馬県の鉢物生産会社に転職したハナシ

僕が鉢物生産の仕事に就いた3つの理由。私事ながら転職しました。

2017.05.14

実は多くの方から反響をいただいていて、自分の状況を発信していくことの意味を改めて実感しました。

3年間「鉢物業界」で働いて感じたこと

さて、転職してからもうすぐ3年目になろうとしています。
ちょうどいい機会(?)なので、いまの僕が感じたことを記録しておこうと思います
備忘録と、自戒の意味も込めて…。

生活リズムが規則正しくなった

まず自分でも驚くこと。
それは就寝時間が早くなったこと。
言い方を変えれば夜は遅くまで起きられなくなったのです。

夜の9時くらいから眠気が起きて、11時頃にはもう眠りについているような感じ…。
事務仕事をしていた頃は夜中の2時頃まで起きていても支障はなかったのですが、群馬県に来てからは、そんな日はほぼ皆無…。
かといって、出勤は午前7時30分ごろなので一般的ともいえます。

きっと朝陽をしっかりと浴び、少なからず農場を歩き回るので自然と体力を消耗しているのかもしれません。
生体リズムも整っているのでしょう。
人間は本来、外に出て歩くことが前提の生き物だと思い知りました…。

植物にとっては鉢のなかがすべてだ

生活リズムの話はどうでもよくて、植物のハナシ。
この仕事に就いた目的は「植物の基本」を知ることです。

今の僕が感じるのはやっぱり、毎日が発見の連続
そして学習の連続です。

鉢物生産において商品として扱う植物はかなりデリケート。
いや、生命力はあったとしても、カタチが悪ければ出荷されません。
商品として流通させるためには見栄え良く見せることが重要となるのです。

そのために何万鉢ともある鉢植えの中の1鉢でも異常を見つけられる目が必要で、さらにいえば異常の原因と対処法も考えなければならない…。
そんな非常にシビアな世界だったのです…。
花屋や園芸店で見かける鉢物は、多くの障壁を乗り超え、選抜されたエリート集団なのです。

温室の中の鉢物は、本来あったはずの外界と隔離された環境にあります。
いわば自由に根を張り巡らせたり、水を吸い上げられる「土」のない環境にあって、人間が絶えずコントロールしなければあっという間に枯れてしまう。
職場の先輩方が口々に「ここの植物は鉢の中がすべて。人間がしっかりみてやらないと…」と仰ることには重みがあります。

生産者は時間を売っている…

この仕事に就いてより深く実感したのは「休み」がないこと。
それを承知で入社したのですが、さすがに週休2日制で働いていた身には堪えます…(笑)。

先にも書いた通り、植物はいつも何らかの「動き」を起こし、休みません。
それに人間が合わせようとすると、植物の動向についていくのに精一杯になってしまうのです。
以前、コロンカクタスさんのFacebookページにこんな投稿がありました。

日々、植物を商品として育てていると「植物を売る」というよりも「時間を売る」ことのほうがしっくりきます
商品となる植物には、多くの人手を要し、やっとの思いで消費者のもとへたどり着く。
このことを文字通り、「痛感」したのです…。

「楽しさ」を探し続けよう!

今後の園芸は…?

日本の農業の生産性は低く、まだまだ伸びしろがあるといわれています。
多くの作業が今後、機械化され、ビッグデータや人工知能などの先進技術が農業にも取り入れられるのは時間の問題です。

手間ばかりの低効率のまま植物を生産していては、やがて価格にまわることは確実です。
安く高品質の海外産が台頭したとき、手を掛けた日本の植物を消費者が手に取ってくれるのでしょうか?
分野によって変わるものの、鉢物分野、特に観葉植物関連は、間違いなくアジア諸国にシェアを奪われるのではないかと危惧しています。

楽しくなければ、園芸じゃない!

さらに、食べるものでもない植物を育てる意味がほとんど見いだせないのが今の現状なのかと思います。
どうして消費者は植物を買うのか。
どうして消費者は植物を育てるのか。
そのなかで僕は、園芸とは「娯楽」であると考えています
そしてその「娯楽」を如何に追求できるかが重要なのです。

周囲はモノであふれかえり、情報は過多。
園芸を楽しむためには果てしなく高いハードルが待ち構えています。
どうすれば楽しさを消費者へと提供することができるのかを、しっかりと考えていく必要が求められているのだと思います。

以前、転職したことをエントリーしてから、多くの方からご意見、ご感想をいただきました。
そのなかでも多かったのは、「私も園芸業界で働いていますが、この仕事を続けていいのか迷っています」とのメッセージです。
同世代の業界の方や農業人の方と話せば、「どこに面白さを見出せば分からない」ともよく聞きます。

正直、僕も同じです(笑)。

でも、楽しさを発見すべき立場の僕らがそれを怠っては、衰退する一方だと僕は思うのです。
だからこそ、楽しさを探し続けたい…!

2019年。
この1年は考えたことを少しずつ行動に移していきたいと思います。

あなたへのオススメ記事