想像していたのと違った…良い意味で!
見方で変わるエケベリアの魅力
好きではなかったエケベリア
僕はエケベリアはあまり育てていません。正直なところ、あまり好きではないのです。
どれも同じような色やカタチに見えてしまううえ、基本的には、僕の好きな「ぷっくら丸い」植物ではないからです。基本的には…。
例外を挙げるなら、「大和錦」のような派手目な模様で、さらには高度に多肉化しているものなら大好きなのですが。
そんなこんなで、エケベリアに群がる、いわゆる「多肉女子」を見るにつけ、どこか良いんだろうねぇ…と冷たい視線を送っていたものです…(笑)。
僕の志向が変化してきた?その理由は…
ところが最近、僕の嗜好が変化してきたらしく、エケベリアが可愛く思えてきたのです。繊細な色合いに、笑っちゃうほどプリティな花。そして、花弁のように開いた美しい葉…。
なぜかと思考を巡らせてみれば、たどり着くのはGreenSnap。多くのブリーダーさんが、自ら育て上げたエケベリアのベストショットをGreenSnapに容赦なく放り込んでくる。
そうすると、今まで気づきもしなかったエケベリアの魅力が、突如として僕のスマホに立ち現われるのです…!こんなにぷっくらとしたエケベリアがあったの?こんなに鮮やかな色が出るの!?などなど、エケベリアの魅力に少しずつ侵されていったのです…。恐るべし、GreenSnap!
エケベリアの本が発売される!?
そしていま、欲しいのは「ローラ」という名のエケベリア。まるで花のようなカタチが美しく、GreenSnapで見つければ、1分ほど凝視してしまいます[*01]。
そんな状態の中で飛び込んできたのは、エケベリアの本が発売されるという情報。
今まで、ありそうでなかった本です[*02]。見つけた瞬間、すぐにアマゾンで予約しました。
『エケベリア GIDE TO ECHEVERIA』を読んで
エケベリアすぎる
そして先日、我が家に到着。
封を開けた瞬間、思わず吹いてしまいます。なぜなら
エケベリアすぎる
から。いや、ホントエケベリアすぎる。むしろ、エケベリアしかない(笑)。どんだけエケベリアなんだろうかと思うほど、エケベリアであるのです ((この一文、日本語になってない))。
簡易的に説明するならば
- 最初から最後までエケベリアの種類紹介
- エケベリアの血が混じるなら掲載
- 栽培方法は無し
という感じです。詳しくは以下より説明します。
最初から最後までエケベリアの種類紹介
まず驚くのが、著者のメッセージの次に、いきなりエケベリアの紹介がはじまるのです。1ページにつき3種類掲載され、それがそのまま300ページ超に及びます。
掲載されているエケベリアは、名前がアルファベット順に並び[*03]、巻末に索引もついているので引っぱりやすいのです。そして何より、一種一種に記される解説の度合いが濃い。
例えば「聖夜の薔薇」の解説をみてみると
和名 聖夜の薔薇
E.derenbergii(静夜)×E.spec.nov.Zaragoza(サラゴザノバ)作出者:Toshikazu Negishi
引用元:多肉植物エケベリア Guide To Echeveria
葉の形はサラゴサノバだが、爪がない。花も静夜のものとは違うので、交配の不思議を感じる。写真の苗は6㎝のロゼット。現在「せいや」の表記が2種類の漢字で流通しているが、根岸氏のリストには「聖夜」の表記で載っている。
と、超マニアック。それが1,000種すべてのエケベリアに付記されているので、読み応えあり。もはや図鑑を超えて、読み物レベルです[*04]。
エケベリアの血が混じるなら掲載
さらに特筆すべき点は、ハイブリッドまで掲載しているということ。
- クレムネリア
- グラプトベリア
- パキベリア
- セデベリア
- そのほか
と、エケベリアの血が混じっているのなら、ことごとく紹介。また「そのほか」の項目では、エケベリアとそっくりなロゼット型で、間違えそうな植物を敢えて掲載しているのです。初心者にとって実にありがたい!
こうしてパラパラ読んでいくと、そうか、エケベリアはベンケイソウ科で、同じ科の植物とは交配ができるのかと、改めて新鮮な思いを起こさせてくれます。しかも、それぞれがもとの親の特徴を持っていたり、持っていなかったり…。
このハイブリッドの章だけでも、読めば植物の不思議や魅力を実感できるはずです。
栽培方法は無し
最後に惜しいな!と思ったこと。これだけエケベリアの種類を網羅し、かつ、細かい部分までの解説があるのであれば、栽培方法は載せてほしかったなぁ…と。そうです。この本に栽培法は記載されていないのです。
栽培方法さえ書いてあれば、エケベリアの百科事典になり得たと思います。エケベリアに困ったら、この本を引っ張り出す…みたいな。
とはいえ、世には無数の「多肉本」が発売されています。そこには必ずと言ってもいいほど、エケベリアの解説はあるはずだし、中級者になってしまえばそれほど要らない。
栽培法を確認するなら、こんな本や、
こんな本に
あたればいいのです。
種類や名前の整合性確認に使える一冊
初心者向けとは言えないけれど…。
この「GUIDE TO ECHEVERIA」は、エケベリアを全く知らないような初心者向けの本ではありません。ただし、エケベリアを好きなら、ぜひとも手に入れたい一冊。ひとつひとつ、深い解説が、エケベリアの知識をさらに深めることでしょう。
また、酒のつまみにぺらぺらとページをめくらするのもオツ(笑)。そんなこと言われなくても、エケベリアファンなら購入しているはずですが…。
著書の羽兼直行さんも本書で述べている通り、この本を読んで、種類の確認や名前の整合性チェックに一役買いそう。おそらく、エケベリア本の決定版になるであろう1冊です。