毎日新聞に「サボテン・多肉植物ビッグバザール」の記事。なぜいま「空前の多肉植物ブーム」なのか。

コアな多肉植物ファンはもう気がついているかもしれませんが…。

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先日行われた「サボテン・多肉植物ビッグバザール」がニュースになっていました[*01]。

夏のサボテン・多肉植物ビッグバザールが毎日新聞に…

以前、中国でも多肉植物がブームと記事を書きましたが、日本でも多肉植物ブームは続いているそう。記事によれば、

東京都品川区で今月開かれた「サボテン・多肉植物ビッグバザール」。休日の早朝にもかかわらず、開場前に400人以上が列を作った。主催団体のメンバーで国際多肉植物協会の小林浩会長(77)は「約15年前から開いているが、ここまで集まったのは初めて。空前のブームだ」と驚く。特にこの半年で人気が高まり、今年は即売会の開催を年4回に増やした。

引用元:くらしナビ・ライフスタイル:「強くてキュート」多肉植物 – 毎日新聞

とのことで、収まるどころか、ブームは拡大しているようです…。記事の全文を読むと、「多肉植物とは何か」ということを主点に書かれています。

拡大を続ける「多肉植物ブーム」

実は過去にも「多肉植物ブーム」というのは起こっていて、2010年以降からだんだんとファンが増え続け、現在、爆発的に流行っているみたい。

2015年7月現在のGoogleトレンド
2015年7月現在のGoogleトレンド

以前、このことについての記事も書きました。現在は、多肉植物の「第3次ブーム」らしく、それ以前のブーム時期を(憶測で)探ってみましたが、未だに答えがよく分かりません…(笑)。

何故いま「多肉植物ブーム」なのか

それはともかく、今回の毎日新聞の記事にも書かれてはいませんでしたが、なぜいま、多肉植物ブームなのでしょうか。ここでは再び僕の憶測から、その理由を探ってみたいと思います。

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浜名湖花博2014にて

結論として、その理由を簡潔に列記するならば、

  • 可愛いいフォルムが、女子の心を鷲掴み!
  • 水やりの頻度が少ないから手間いらず
  • プレゼント&交換がしやすい

ということだと思います。

可愛いいフォルムが、女子の心を鷲掴み!

まず、多肉植物が好きだという女子に話を訊くと、大抵「プニプニしてて可愛いよね」との返答が。恐らく、多肉植物の独特な形状が女子の心を鷲掴みしているのでしょう。そして、形だけでなく、多肉植物のカラフルな色も女子の心を掴んで離さないのです。

photo credit: nan palmero via photopin cc
photo credit: nan palmero via photopin cc

僕自身、「葉が高度に多肉化する植物」が大好きです[*02]。キテ〇ちゃん、クマのプ〇さん、ピカ〇ュウ…。世を見渡せば丸っこいキャラクターが愛されているではありませんか。そんな丸っこい植物に男も魅了されてしまうのに、女性が放っておくわけありません。

水やりの頻度が少ないから手間いらず

さらに、たくさんの水を食らう熱帯植物のように、週に何度も水遣りをする必要はありません。むしろ、水を遣りすぎると弱るほど。ひるがえって、現代のように仕事が忙しい人たちには最適な植物です[*03]。

photo credit: Watering the Flowers via photopin (license)
photo credit: Watering the Flowers via photopin (license)

あとは日当たりのよい場所に置いておけば、ほとんど放任栽培でも育ちます。しかも、小さな鉢での栽培も可能なので、場所を取らないのもポイント。インテリア業界でも、多肉植物が人気を博している理由は、そういったところにあるのかもしれません。

プレゼント&交換がしやすい

そして僕が重要だと考えているポイントがコレ。多肉植物はプレゼント交換がしやすいということ。とくに女性は、何かとモノを交換することが多いです。そんなときに、自らが育てた植物を切り取って、そのまま渡せるのは、ほかの植物ではあまり考えられません。

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持ち運びもしやすいうえに、貰ったひとにとって、栽培が負担になりにくい。さらには、葉挿しなどで簡単に殖やせるので、ネズミ算式的に「多肉植物教(狂)」の信者を増やすことができるのです。

これが僕の憶測による、多肉植物ブームの理由。「いや、こんなことも挙げられるだろう!」とか「お前さん、それは違うよ!」などと様々な意見があるかもしれません。そう言った場合は是非、コメントorメールを頂けたらと思います。

「多肉植物ブーム」の今後

依然として、とどまることを知らない「多肉植物ブーム」。街の生花店にも普通に多肉植物が販売されるようになったのも、ブームのきっかけであるのは間違いないでしょう。

そろそろ「飽き」が来ているのでは?

ただし、そろそろ食傷気味。ある程度大きな園芸店やホームセンターにも、豊富な種類の多肉植物が置かれ始めています。

ゆえに、ブームを一巡した一部のファンには、「飽き」が来ているのではないでしょうか…[*04]。

恐らく、あと1~2年で落ち着くのではないか(ある程度普及して、頭打ちになるのではないか)と、僕は見ています。

2017年3月2日追記:如何に多肉植物を「みせる」のか?

未だ多肉植物人気は衰えていないようです。その理由に「インテリアとしての多肉植物」へと視点が移っているからなのではないでしょうか。

園芸店でも多くみられる普及品のクラッスラやエケベリアは、ブームが頭打ちになったと僕は考えています。その代り、今は室内に置いて魅せる多肉植物に注目が集まっています。

その要点は、

  • ある程度、大きい見栄えのする多肉植物であること
  • 多肉植物専用の鉢が増え、カスタマイズしやすくなっていること
  • SNSなどで情報が伝播しやすくなっていること

など。

つまり如何に「みせる(ディスプレイ)」のかということに着目され、そのうえ上記の「ブームの要点」も変わらずに重要視されています。結果的に、広い多肉植物の種類の中では売れる植物の移り変わりはあるけれど、全体を通してみると多肉植物部門はまだまだブームが続いている…ということ。

ただし、ファッション感覚×植物の在り方に疑問が残るのも事実。詳しくは以下の投稿をご覧ください。

今後も気が付いたことがあれば、記録してまいります。

  1. 当ブログにもこの日の記事があります。ぜひご覧ください []
  2. 平たく言えば、葉が球状に丸くなる種類のこと。特にアドロミスクスの虜であることは、このブログでも何度か書いています… []
  3. ここがいま、多肉植物が大きなブームをつくっている要因のひとつであると僕は考えています []
  4. それに、ある程度集めると、置き場所に困る。いくら場所を取らないとはいえ、数を集めれば相当面積をとることになります []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。