個人的な憶測とネット情報をつぎはぎして、「多肉植物ブーム」を探ってみた

植物ニュースに引っかかった、この記事。どうやら現在、「第3次多肉植物ブーム」のようです…。

いまは「第3次多肉植物ブーム」!なにそれ?

気ショップのオーナーが語る「多肉植物」の魅力

「内側に水分をたっぷりと含んでいる“多肉植物”は、とてもジューシーでパワーがあるんです。触れているだけで元気がもらえる感じがします」と勝地末子さん。

まだ“多肉植物”や“エアプランツ”などが珍しかった時代から、「ブリキのジョーロ」という店を開き、ディスプレイや寄せ植えを提案してきたグリーンスタイリストの第一人者です。勝地さんによると今は“多肉植物”の第3次ブームで、特に若い男性に人気だそう。

「人気タレントの方がテレビで、自分の“多肉植物”を披露したのがきっかけ。生産者の工夫で種類が増え、選んで組み合わせる楽しみも広がりました」

引用元:「多肉植物」ブーム再来!癒しと安らぎのパワーがもらえる | OurAge

この記事には、いつが第1次・第2次なのかは明記されていません(*01)。なので、僕なりにいくつかの手掛かりを元に第1次・第2次・第3次を探してみました。

DSC_9567.JPG

ネットサーフィンによる「多肉植物ブーム」探し

が…。それがどう検索しても答えが出ない。なので、最近動き出した「Googleトレンド」を使ってみる。

このグラフは2004年あたりからはじまっていて、それ以前の情報はありません(*02)

また、2004年ごろからグラフが伸び、以降は落ち着き、2013年5月に大きな波、2014年5月には最大級の波がカウントされています(*03)

とりあえず、Googleトレンドからブームを仮定

単細胞的に考えれば、2004年あたりの波が第1次ブーム、2013年5月前後が第2次ブーム、そして2014年5月が第3次ブームということになる…。

ただし、この結論はあまりにもいい加減です。単純に検索エンジンで「多肉植物」と調べただけであって、これが直接的にブームと関わっているとは限らないわけで。

第3次ブームは2014年5月前後?

とはいえ、第3次ブームはおそらく2014年の5月前後で間違いない。文中の「人気タレントの方がテレビで、自分の”多肉植物”を披露したのがきっかけ」とありますが、僕はこれが2014年3月22日の「嵐にしやがれ」だとみています。

それに加え、2014年1月から「趣味の園芸ビギナーズ」で多肉植物を特集したのも検索数が上昇したのと関係があるはず。なので、第3次多肉植物ブームというのは、2014年の5月前後のことになるかと思います。

第1次ブームは2000年以降?

また、とある情報によると2000年以降、インターネットが普及し、サボテン栽培家がハオルチアへ移行したという記述(*04)もあり、この後から少しずつ様々な多肉植物が広まったということのよう?

DSC_6223.jpg

であるならば、第1次ブームは2000年以降のことになるのでしょうか?2000年以前の資料になると、多肉植物に関するものがあまりなく、あったとしてもサボテンとの抱き合わせのものが多いのです(*05)。やはり、ブームに合わせ本などが出版されることを考えると、ブームは2000年以降であると考えてもいいような気がします(*06)

柳生真吾さんあたりが怪しい…(笑)

したがって、はじめの大きな波のある2004年近辺で、何らかのアクションがあったのだと思います。

このころには園芸家の柳生真吾さんも自身のウェブサイトで「テーマは「多肉植物の楽しみ!」(2005年9月投稿)」と多肉植物愛好家であることを表明しています。

僕が多肉植物に手を出したのは2008年。このとき、職場の上司(女性)に、多肉植物に興味があることを話した際、まっさきに出てきたのが「八ヶ岳の柳生さん」。そうです。その頃には柳生真吾さんを筆頭に、一部の多肉栽培家がすでに「多肉植物栽培ブーム」を確立していた…。柳生さんを通して、何らかの形で多肉植物の存在を世間一般に知らしめるアクションがあったのでは?と考えています(*07)

第2次は王様のブランチあたりでは?

そして第2次ブーム。これはもう憶測以外の何物でもないのですが、僕は王様のブランチでの多肉植物特集(2012年2月)や、NHKの「美の壺」の多肉植物特集(2012年4月)ごろではないかと考えています。

僕の記憶では、このころあたりから、初心者の方から多肉植物について聞かれることが多くなってきたように感じます。上に挙げた「Googleトレンド」には出てきていませんが、感覚としては着火点がここらへんだったのではと思っています。憶測ですけどね。

結論:第3次以外さっぱり分からない。

ということで、ネットの情報だけであれこれと考えてみましたが、結論からして、第1次・第2次がいつなのかはさっぱりわからない(*08)。きっと、業者や長年趣味としている方の「体感」によってのブームなのだとは思いますが…。

それ以上に、多肉植物を取り巻く園芸史チックな資料を見つけることができませんでした。こういった記録は、長年の栽培家さんに是非、残してほしいと思います。

ここに書いたこと以上に詳しい方、異論のある方は是非、議論を深めて行っていただきたいと思います。

この記事の脚注

  1. この「第3次ブーム」というキーワードを文中に挿し込むのなら、その他のブーム時期について解説があってもいいのではないか?と思うのは僕だけでしょうか? []
  2. 2004年以前はブログサービスも出始めたころで、詳しい情報を見つけられないのも仕方がないか []
  3. 毎年5月ごとに検索数が増える不思議。これってもう「サボテン・多肉植物ビッグバザール」が絡んでいるからとしか思えないのですが…(笑) []
  4. http://mixi.jp/view_bbs.pl?comm_id=4913756&id=56314457 []
  5. 1956年に出版された奥一氏の「趣味の多肉植物 : 栽培と観賞」という本があります。Amazonで検索する限り、多肉植物を専門とする本はこれがいちばん古い。中身を閲覧したことがないので、当時はどういった多肉植物が知られていたのか、非常に興味のあるところではあります。 []
  6. 2000年以降になると、国際多肉植物協会さんの「多肉植物写真集」が発刊(2004年)される。 []
  7. 恐らく、このころ柳生さんは趣味の園芸に出演していたので、その関係から多肉植物にスポットライトが向けられたのでは?と。超身勝手な妄想です(笑)。 []
  8. もっといえば、ネットだけで探しても、見つかる答えはやっぱり少ない。長年多肉を趣味としている方に訊くとか、専門的に研究されている方に訊いた方が、結局は早いと感じました。 []
スポンサーリンク

2 件のコメント

  • こんにちは。
    あちらではお世話になりましたっ(*´ω`*)

    私の叔母が生前語ってくれたことがあるのですが
    何度かブームがあったそうで
    ざっとまとめると以下のようになりました。
    第一次ブームは戦後すぐ、
    露店でサボテンが売られていた頃。
     ※これ以前は博物主義的収集家が存在していましたが
     一般的ではなかったと聞いております。
    第二次は1975~78年頃。
     ※この頃大手種苗会社でリト・コノの頒布会がありました。
     サボテンではなく
     多肉が一般的になりはじめた、ということでは
     これが第一次になるかもしれません。

    以上、田舎のおばちゃんの思い出語りなので
    根拠は実体験…としか言えず申し訳ありません。

    近場で当時を良く知るのは、藤沢・紅波園の園主さんです。
    とても素敵な方で、
    多肉の歴史についてたくさんのお話をしてくださいます。
    一度足をお運びになられてはいかがでしょうか。

  • ゆぽぽさん。
    そちらのゆぽぽさんですか(笑)ご無沙汰しています!
    詳しい解説、ありがとうございます!
    非常に参考になります!

    75年ごろにはすでに多肉植物が広まっていたのですね。

    文中にも引用させていただいた記事(出典者がどのような方なのかは不明ですが)には、
    昭和30年から昭和45年をピークに、ワシントン条約が施行されるまでの60年まで、
    サボテンの黄金期だったそうです。
    そしてゆぽぽさんの叔母さまが仰る1975年頃に、

    「新興のサボテン業者だった【山城愛仙園】(山城勝一氏)が大量に輸入球を取扱う様になり、その中から地域固体差や突然変異種と云った、センセイ達が分類した種属の定義から外れる固体を、狂人達から銘品として崇められる風潮が表れたのです。」

    ともあり、この波とリトープスやコノフィツムの頒布会もリンクしているような気もします。
    ここらへん、考えれば考えるほど面白いです。

    さらに言えば、これほどにまで「多肉植物」といった分野が確立してきたときに
    どうやってここまでのブームを築いてきたのか、みすみす失われてしまうのは勿体ないと思います。

    今後も、サボテン側からもアプローチしてみたり、
    多肉植物側からもアプローチしてみたり…。
    紅波園さんにも今度、お話をお伺いしたいと思います!

    貴重なご助言、ありがとうございます!