『世界一うつくしい植物園』を読んで、一瞬にして世界中の植物園を巡るのだ!

昨年ごろでしょうか。キュレーションサイトが雨後の竹の子のように出現するのに伴って、ネット上に似たようなテーマを取り扱う記事を多く見かけました。

それは「死ぬまでに行ってみたい!世界の植物園」みたいなモノ…。大抵、シンガポールの新進気鋭の植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」がピックアップされ、少々食傷気味に…。

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そんななか、植物園関連の本が発行されるとの情報がSNSに舞い込んできました。ということで、早速購入し、読みました!

木谷美咲さん『世界一うつくしい植物園』を読む

世界一うつくしい植物園

家に届いたのは、とても目を惹く表紙の本。おっと、こちらにも「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」です(笑)。アマゾンの解説には、

世界中の魅力溢れる植物園から40箇所を厳選。
個性豊かな植物園たちの美しいビジュアルを、園内の風景写真だけでなく、
注目のスポットや植物をピックアップして紹介します。
ガーデニングが好きな方から、植物にあまり馴染みのない方まで、
楽しめる内容が満載です。
くつろぎながら眺めるうちに、訪れてみたい一か所に出会えるそんな楽しい写真集です。

引用元:世界一うつくしい植物園

とあります。ではでは、本のページを開いて参ります…!

世界中の植物園を短時間でまわれる!

結論から書きます。今回発行された「世界一うつくしい植物園」は、世界中の植物園を一瞬でバババッと訪れることができる…。そんな本だと思いました。

構成は、メインとなる大きな写真と、その植物園の概要が簡単に書かれ、さらには3項目ほどのポイントが列挙されています。なので、すぐに「読み」終えることができます。

植物好きは、写真注視に要注意!!

しかし、植物中毒者は要注意。美しい大判の写真がページ一杯にレイアウトされているのです。ということは、どんな植物が植わっているのか、どのようにして植えてあるのか…。文字を読むよりも、写真を「観る」という点で、なかなかページが進みません(笑)。

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例を挙げれば、スペインの「ルンブラクレ」の建築には未来感でいっぱいになるし、サボテン・多肉植物が出てくればその大きさと躍動感にいちいち感動する…。他にもイギリス・キューガーデンには、ページから品格があふれ出てきます。

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そんな植物園が日本国内外あわせて40箇所も紹介され、有名どころの植物園はほぼコンプリート。読み方としては、今後、行ってみたい植物園を探すというのも面白いかもしれません。

小山鐵夫さんの「植物園の話」という本

ところで、植物園の本というと、小山鐵夫さん[*01]の「植物園の話」という本を読んだことがあります[*02]。

著者の小山さんは27年間ものあいだ、「ニューヨーク植物園」の管理・運営に携わり、その経験に基づいて、世界中の植物園を解説しています。そのため、面白いし勉強になる。…のですが、巻頭を除いて、掲載写真が白黒(笑)。

「世界一うつくしい植物園」×「植物園の話」

そんなわけで、「世界一うつくしい植物園」と「植物園の話」を一緒に読むのもオススメです。

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もちろん「ニューヨーク植物園」は「世界一うつくしい植物園」に掲載されています。また、植物園の役割や、裏話も知ることができるので、興味のある方は是非、ご一読を。

もっと植物園にも光を当てて欲しい。

話は戻って「世界一うつくしい植物園」について。こういった、今すぐ植物園に行きたくなるような本は、あまりありませんでした。だから、画期的であり、新鮮。

ただ、内容については物足りないと思う方もいるかもしれません。今後、もっと植物園をフューチャーするような雑誌・書籍が増えれば…と思います[*03]。

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それでも、世界の植物園を知るには最高峰の1冊。植物好き一家に一冊、常備しておくべき本です。忙しいあなたも、一瞬で、しかも何度も、世界中の植物園を周れますヨ。

  1. 牧野富太郎氏の直弟子であり、高知県立牧野植物園長でもあります []
  2. が、まだ最後まで読み切れていません! []
  3. 日本にも面白い植物園はたくさんあるはず。それらを紹介した本ってあまりありませんよね。衰退しつつある植物園を応援するためにも、こういった本が待ち遠しいです。 []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。