見逃した「美の壺」エアプランツ特集をみた感想と「エアプランツ男子」のことと…。

縁あって「美の壺」を観ることができました

僕の勘違いで観ることができなかった美の壺・エアプランツ特集(file317 「不思議植物 エアプランツ」(*01)。実は、たまたま録画をすることができ、この度観ることができました!

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photo credit: yoppy via photopin cc

そこで、この放送を観て、僕の感じたことを挙げていきます。まずは、番組冒頭の「用語解説」から。

水を吸収する「トリコーム」という器官

エアプランツの特性を何も知らなかったので、大変に勉強になりました(*02)。とくに、序盤で出てきた「トリコーム」というエアプランツに具わる機能。美の壺のホームページには、

根ではなく、葉から水分を取り込むために、エアプランツには独特の器官があります。トリコームです。葉の表面をびっしりと覆うトリコームは、ふだんは強い紫外線を跳ね返す役割を果たしています。
ひとたび水をかけると、トリコームの羽根状の細胞が動いて水をキャッチします。

引用元:file317 「エアプランツ」|NHK 鑑賞マニュアル 美の壺

と、トリコームの解説があります。このトリコーム。エアプランツの本などには「鱗片」とか「銀鱗」とかと書いてあります。エアプランツの表面に無数にある毛状の突起(*03)が空気中などにある水分を捕まえ、根元にある「給水細胞」へと水を浸透圧で流すのだとか。

水を「取り込む」から「トリコーム」?

そこで一つの疑問。この「トリコーム」との名称。水分を「取り込む」から「トリコーム」なのでしょうか?

英語が全く読めない僕が調べたところ、「トリコーム(trichome)」の語源はギリシャ語で「髪」。そこから「毛状突起」などの意味になったようです(*04)。てっきり和製英語の植物用語かと思いきや、どうもそうではないみたい(*05)

ミクロの視点からみたことで、エアプランツと呼ばれる根本的な所以が垣間見れて興味深い。また、基本的には水分を葉から吸収するので、申し訳程度に生えている根(*06)は自らを支えるためだけにある、という事実も参考になります。

エアプランツの魅力

airplants never die

番組の途中、こんな言葉が紹介されました。

「airplants never die(エアプランツは絶対に死なない)」

中南米の砂漠地帯にて、根も張らず葉からのみ、霧などのわずかな水分を糧として生きる。この強靭な生態を熱川バナナワニ園の清水さんは「植物離れしている」と評していました(*07)。他の植物では生きていけない環境でも生きていける。だから「airplants never die」。清水さんはだからこそ「愛おしい」と…。

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photo credit: joe calhoun via photopin cc

このコロッとしている姿形は、小さいから弱いという思い違いを超えて、実はとっても逞しい…。

のですが、僕は今までエアプランツを健全に育てた(*08)ことがなく、死なないはずのエアプランツを幾度も殺してきました。この言葉はどこか「ホントは強いエアプランツをどうして育てることができないの?」という強迫観念を持っているような気がしてなりません…。ぐさり。イテテテ…。

新しいエアプランツ

その他には、ブロメリアにおいて世界的に有名な滝沢弘之さんや、エアプランツを暮らしの中でどのように扱うなどが紹介されていました。

滝沢さんは世界中のエアプランツを「集めつくした」そうで、その執着だけでも感服すべきところなのに、さらに「新しい種類を生み出す」ことに挑戦しているそう(*09)です。番組の最後には、

一属のなかに600種を超えるような種を擁しているのは希(まれ)。どこまでいっても突き詰められることがない。いままで誰も見たことのないものを作りたい。

引用元:file317 「エアプランツ」|NHK 鑑賞マニュアル 美の壺

と語る滝沢さん。エアプランツは死なないし、ブームが去っても探求している人がいる限り、エアプランツの栽培文化は死なない。そう感じた番組でした。

巷では「エアプランツ男子」とやらが…。

「エアプランツ男子」とは

番組を見逃した後、感想を書いている人はいないかとネットをサーフィンしたら、こんなワードが目に入る。

「エアプランツ男子」とは、まさにエアプランツ(エアープランツ)のように、空気中にあるものを吸収して成長している男性のこと。

引用:「エアプランツ男子」のこと|コミュニケーションスタイリストblog

これはコミュニケーションスタイリストの吉戸三貴さんがつくった造語の様で、

植物の場合、それは水分や窒素ですが、男子の場合、それは街やセレクトショップの空気感。カルチャーの文脈上にある色々なものです。

表参道を歩き、買い物をするのは、高級ブランドで全身をかためるためでも、無理をして自分を飾るためでもない。

セレクトショップで雑貨を含めた買い物をしたり、できる範囲でファッションにお金を使ったりしながら、自分のこだわりを表現していく。

贅沢消費や、ご褒美消費ではなく、理想のライフスタイルに近づくために少し背伸びをする「こだわり消費」とも言えるかもしれません。

引用:「エアプランツ男子」のこと|コミュニケーションスタイリストblog

という男子をみて、エアプランツ男子と名づけたそう。

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その他の記事

エアプランツの生き様

決して多いとは言えない金銭的余裕の中で、「自分のこだわり」を表現するために、あらゆるものを取り入れていく。僕はこのワードをみて「なるほど」と思いました。確かにそういう感じの人がいるなぁ、と。ただ、僕の思う「エアプランツ男子」は少し違う。

エアプランツのもう一つの特性は、根っこの張り方。風に吹かれて転がったりしながら、あらゆる場所を転々として生きていく。故郷を離れ、職を変え、地に根を張るということのしない(できない)生態の若者も、どこかエアプランツに近いのではないかと感じました。けれども、返ってそれが魅力的であるし「植物離れ」した、力強く生きていくことの秘策でもあるのだから…。

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photo credit: lightninglandon via photopin cc

この番組をみて、エアプランツ越しにいろいろなことを考えさせられました。と同時に、エアプランツをまたまた育てたくなってしまいました…。

この記事の脚注

  1. 観れなかった経緯についてはこちらをご覧ください []
  2. ちゃんとした趣味家さんなら、栽培する前にそのくらいのことは勉強しておけよ、と言われそうですが []
  3. 主に銀葉種と呼ばれるエアプランツにある []
  4. なんせ英語が読めないので自信がない。間違っていたらゴメンナサイ []
  5. 逆にそうでなかった場合、水を取り込む仕組みの一端を「トリコーム」という機能が担っているという言葉の不思議を勘案すれば、まさに「不可思議植物」であると感じます。 []
  6. 支持根 []
  7. 「植物離れ」。カッコ良い言葉だなぁ。植物っぽくない植物って世には沢山あるけれど、どれも植物。じゃあ逆に植物らしい植物って何だろうって考えたときに、そんなものはなくて、どれも植物離れしているし、どれも植物らしい。でも人にはどこか「植物に対する基準」があって、その基準を頼りに植物の生態を考えたりしている。あれは嫌い、これは好き、みたいな。これって人の個性にも言えることだなぁって思った。今度、植物のウンチクを語る時に「これって植物離れしててさぁ」って使っちゃおうかな。 []
  8. 1年以上、かつ花を咲かせるまで []
  9. 番組で紹介されたのは「キセキ」と「ミラクル」と呼ばれる品種 []
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