西畠清順さんの「世界一のクリスマスツリー」炎上問題に思うこと

西畠清順さんのプロジェクト「世界一のクリスマスツリー」がネット界隈で炎上していることを知りました…。

「世界一のクリスマスツリー」が炎上している!?

「世界一のクリスマスツリー」おおまかな問題点

神戸開港150周年記念行事として、富山県氷見市から運んだ高さ30メートルの「アスナロ」の木(推定樹齢150年?)を神戸メリケンパーク内に移植。それを生木において世界一の高さを誇るクリスマスツリーにしようという計画です。

ところがこのプロジェクトが始動するや否や、

  • 震災復興の行事なのに、氷見市のアスナロをクリスマスツリーにする意味はあるの?
  • 根つきで運んできたのはいいけど、潮風にふきっ晒しになる場所に植えて大丈夫?
  • イベントが終わった後に伐るなんて可愛そう!根っこを付けて植えたのはなぜ!?
  • そのうえ木を切り刻んでバンドル(腕輪)にして3,800円で販売するなんて!
  • ツリーが世界一の高さって言ってたけど、オーナメントの数が世界一に変更したでしょ?
  • 実は樹齢150年じゃないでしょ?ホントはもっと貴重な木なんじゃない?

など、さまざまな論調が飛び交う事態に発展していたのです。そうしたなか、プロジェクトのウェブサイトにこれらの意見に対する清順さんからのメッセージが掲載。おおまかな問題点に関しては説明がなされているのですが、このメッセージがもとでまたしても炎上するという騒動に…。

神戸ではこのイベントが開催中ですが、いち清順さんファンとしてはなんだかなぁ…といった複雑な気持ちです。

清順さんを一躍有名にしたのは植物を「活かす」こと

ここまで騒動を大きくしたいちばんの要因は、移植されたこの木がその地に根を張り、神戸に来た人たちへのシンボルに…という期待が裏切られたことではないのでしょうか。

あすなろの木について寄せられるご意見等について」をよく読むと、もう清順さんはこの木を生きたクリスマスツリーとしてではなく、「材木」として強調していることに気が付きます。材木として扱うことを前提に買い取ったものであり、計画当初に情報をうまく公開できていれば、ここまで騒動が広がらなかったのではないかと思うのです。

清順さんが有名になったの理由の一つとして「植物を活かす」ことで多くの人々に感動を与えてきたことが挙げられます。植物に対してよく分からない人でも興味を抱くような大きな植物や、珍しい植物を清順さんなりの視点で植えこむ。そして見事に生育することで新たな物語が紡がれる…。僕もその理由で清順さんのファンになっていったのですが、今回の流れには正直驚いています…。

「活かす」ことで感動が生まれ、新たなストーリーに

以前放送の「課外授業 ようこそ先輩」に出演された清順さんは小学生に鉢を与え、そこにケイトウを植えるよう課題を出します。子供たちはケイトウを生かそうと思い思いに想像し、必死で植えこむ。しかし植えつけの際に肥料を与えてしまったグループなどのケイトウは元気をなくし、子供たちは愕然とする。そこで清順さんが正しい植物の植え方を教える…。

正しい知識と技術で植物はしっかりと根を張り、元気に育つことでまた感動が生まれる。そのプロセスがストーリーになって、多くの人が清順さんを応援しているのです。僕もそのうちのひとりです。あの放送は多くの人を清順さんの虜にし、植物を「生かす」ことは老若男女誰しも、インスピレーションを覚えることができるのだと思い起されたのです。

「活かす」こと、それは「植物を殺す」仕事でもある

ただし、清順さんの家業は「植物を殺す仕事」でもあると明言しています。

植物を生かすことが重要なのはもちろんですが、僕らは植物を殺し、「活かし」ながら生活している…というのは誰しも理解するところ。情報公開の過程はともかく、あの木が誰かにとって重要なもので、かつ有効に利用されるのであればそれはそれで正解なのでは?とも思います。清順さんのような革新的な視点から木の在り様を捉えなおすことも必要なのではないでしょうか。もちろん、どのように使われるのか都度、情報を公開しなくてはならないフェーズに来ているようにも思いますが…[*01]。

植物は生長を体験することだけでなく観ることでも感動を与える存在。今後、アスナロの木の利用法は「未定」ということですが、多くの人があの木をみて再び感動できることを望みます。そして今は仕事で忙しく神戸までは行けませんが、いつかどこかで、世界一のクリスマスツリーを観て感動できれば良いです。

この問題についてもう少し考えてみました

2017年12月26日時点でもまだ、清順さんのこの騒動がニュースでみることがあります。いろいろと論点はあるかと思いますが、ここで僕は清順さんが積極的に「木を利用しよう」というプロセスが現段階では重要なのではと気が付いたのです。

国民が総じて清順さんの件を批判していても、何も変わりません。むしろ「森林環境税」などを支払い、いつの間にか国主導の施策に巻き込まれた末に待っているものは何か思考を巡らせてみたほうが良い。そして、自発的に我が町の使われない杉の木やヒノキの利用法を真剣に考えた方が利口です。

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  1. そう考えると、今後、清順さんのあらゆるプロジェクトに使われた植物の今後や行き先を常々発信しなくてはなりません。そうすると仕事がやりづらいのではないかと思います… []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。