つい最近、こんなニュースをみつけました。
とある植物園閉鎖のニュースをみつけた
箱根芦之湯フラワーセンター閉館のニュース
温室で一年中、花が楽しめる箱根町芦之湯の熱帯植物園「町立芦之湯フラワーセンター」(湯山久美子所長)が3月末の閉館を決めたが、建物内にある同センターのシンボルともいえるガジュマルの今後についての見通しが立たずにいる。本州では珍しい貴重な大木だが、温度管理の必要性や移植の難しさなど課題が多く、施設の再利用法にも影響するなど町は頭を抱えている。
箱根にある「芦之湯フラワーセンター」。どこかで聞いたことがあると思ったら…。
小田急小田原駅で貰ったパンフレット。箱根にこんな温室があるんだと知って、今年中に行こうと決めていたところ。3月に閉館だと知って、なんだか残念。それと同時に早くいかなければ!と思います。
どうやら、観光客が減り、施設を維持することが厳しいようです。
「植物園」の存在意義とは何だろう。
以前、夢の島熱帯植物館の記事にも書いたこと。休日にもかかわらず、植物園が空いている…というのは、僕の経験上、少なくはありません。僕にとって温室というのは、行けば何かしら発見があるので、機会があれば何度となく足を運んでしまいます。
しかし、一般の人たちにとって植物園は、あまり変わり映えのない、一度周ったら「ふ~ん」くらいにしか思わないスポットだというのも、どこかでうなずける。僕も植物を趣味としていなかったら、植物園を巡るという選択肢はほぼ皆無です。その理由は時代遅れというか、植物園へ行くというメリットが見いだせないのだからだと思うのです。「植物を眺めるだけでなんか意味あるの?」みたいな。
だからこそ、全国の植物園は、血のにじむような思いで、必死に様々なイベントを催しているのです…。
ただし、園芸店で売られている観葉植物の「本来の姿」を目にできるのは、やっぱり植物園だったりするのです。知っている、あるいは育てている植物の驚くべき姿が眼の前にあれば、誰だって興奮するはず。だからこそ「オレの植物もこのくらいまでは育てたい」という活力を貰えるし、勉強にもなる。そんな意味から、僕にとっての植物園は「パワースポット」だったりするのです。そして、そんな場所が減ってしまうのは悲しいことです。
植物園で「生活」する植物たちとその未来
それと同時に、そこで生きていた植物の行く末が気になる…。動物であれば、他の動物園へと簡単[*01]に移送できます。ところが植物は、地面を掘って、地中の根っこを取り出す。さらに移送先でも穴を掘り、そこに植物を移植する…というもうひと手間がかかるのです。
ここで問題になっているガジュマルの大木はまさにこの部分で困っているといえます。
町は閉館後の建物をそのまま別業態に転用する方針を示しており、来館者の人気を集めた「球根ベゴニア」など展示植物約6千株の大半を占める鉢植えは、売却や移譲される予定という。ただ、地面に直接植えられているガジュマルについては、建物の出入り口より大きいため「屋根を一部壊すなどしなければ、施設から取り出すこと自体が難しい」という。
かといって、このまま残せるのかといえばそうでもないようだ。熱帯植物という性質もあり、冬は日常的に最低気温が氷点下となる箱根・芦之湯で栽培するには強い暖房が欠かせない。だが別業態に転用すれば今の環境を維持することは難しいとみられる。
町は引き取り手があれば移譲することを考えているが「誰にでもどうぞ、というわけにはいかない。植物園など、きちんとした栽培設備や技術がある場所に話をしなくては」と苦悩をにじませる。
記事を読む限りでは、このガジュマルは生死の境に立たされていると読むことができます。このまま施設に留まることができそうもなく、どこかへの移送が必要…。もし、移送先が見つからなければ…。
このニュースには、今後も注目です。
- とは言い難い動物もいますが、比較的簡単 [↩]