箱根芦之湯フラワーセンターのガジュマル。どうやら搬出され、兵庫のとある場所へと向かったそうな…。

このブログでも、たびたびお伝えしてきた、箱根の生死を彷徨うガジュマル。

過去、このブログで取り上げた記事

箱根芦之湯フラワーセンター」の閉館後、箱根の噴火に関するニュースはよく目にしたものの、ガジュマルのその後についてはほぼ、情報がありませんでした。

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あの箱根のガジュマルはどうなったの?

温室内にひとりぼっち。寂しそうなガジュマル

やっと発表された6月20日の神奈川新聞には、ガジュマルの近況がこのように伝えられていました。

ガジュマルに迫る期限 苗木の“延命策”も引き取り手なく 箱根の植物園跡地

3月に閉所した箱根町の熱帯植物園「町立芦之湯フラワーセンター」(同町芦之湯)のシンボルツリーだったガジュマルが、行き場がなく危機にさらされている。町は複数業者と懸命な交渉を続けているが、いまだに引き取り手の決定までには至っていない。建物を新しく利用する業者も確定し、7月に賃貸の形で受け渡される。タイムリミットが迫る中、ガジュマルは現在も誰もいない跡地に黙ってたたずんでいる。

(中略)

町は、施設の閉所が決まった2014年末から約半年間、植物売買の仲介業者を利用するなどして全国規模でガジュマルの移植先を探してきた。しかし、高さ2〜3メートルほどしかない扉からの大木搬出がネックとなり、交渉は難航。契約直前までこぎつけても、現地を見にきた業者に「やっぱり運び出せない」と断られたこともあった。
現在は「搬出の問題さえ解決できれば引き取りたい」という複数の業者を引き留め、搬出方法について話し合いを重ねている状況という。ガジュマルへの水やりは、地域を巡回する町職員や警備会社が行っている。町観光課の秋山智徳課長は「せっかく長年、箱根で根付いてきた木。どうにかして生き続けてほしい」と頭を抱える。

引用元:ガジュマルに迫る期限 苗木の“延命策”も引き取り手なく 箱根の植物園跡地|カナロコ|神奈川新聞ニュース

記事にあるガジュマルの写真…。賑やかだった温室内も、すっかりガランとしてしまって…。さぞかし寂しいのだろう。なんて思っていたら…。

先日、友人からのメールで箱根のガジュマルについて最新の情報がもたらされる[*01]。

いつの間にやら搬出作業が決定

どうやら事態は急展開し、温室からの移植が決定したそうです。以下、神奈川新聞より。

3月に閉館した箱根町の熱帯植物園「町立芦之湯フラワーセンター」(同町芦之湯)のシンボルツリーだったガジュマルの移植方針が固まり、26日に搬出作業を行うことが決まった。

(中略)

芦之湯のガジュマルは、本州最大級といわれる巨木で、搬出方法がネックとなり約半年間にわたり行き場のない状態が続いていた。町が全国規模で引き取り手を探す中、7月に賃貸の形で跡地を民間業者に引き渡すことが決まり、命をつなぐタイムリミットが迫っていた。

引用元:箱根の「象徴」新天地へ 芦之湯フラワーセンター|カナロコ|神奈川新聞ニュース

あの「ひっそりと佇んでいるガジュマル」の記事から約1週間。水面下で何が行われていたのか分かりませんが、時代というのは刻一刻と変化するものみたいです…。

搬出作業も終了

さらに、温室内の搬出作業もすでに終了し、後日、運び出されるガジュマルもニュースになっていました。

3月に閉館した箱根町の熱帯植物園「町立芦之湯フラワーセンター」(同町芦之湯)のシンボルツリーだったガジュマルの搬出が26日、地元の土木業者によって行われた。作業は難航したものの無事成功。ガジュマルは根などに保護処理を施され、7月2日の“引っ越し日”まで箱根でとどめ置かれる。

ガジュマルは樹齢約200年で本州最大級の大木。当初はパワーショベルにワイヤやひもを掛けて持ち上げる予定だったが、重さに耐えられず車体が傾くなどして難航。ブルドーザーやトラックなど工事車両4台がかりの大作業となった。

引用元:【動画】箱根ガジュマル無事搬出 工事車両4台がかりで|カナロコ|神奈川新聞ニュース

搬出作業の様子

その時の様子が、神奈川新聞さんのYoutubeページにアップされています。

施設の建設途中に搬入し、植樹してから建物を完成させたというほど、立派な大木。

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相当な大きさではありますが、映像を観ると、枝葉をだいぶ切り落としてから搬出した模様。見違えるくらい、小さくなっちゃった。

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気になるガジュマルの行方

さて。その気になるガジュマルの搬出先は…。

引き取り手は兵庫県川西市で植物栽培・卸販売などを行う「花宇(はなう)」(西畠清順社長)で、ひとまず同社の栽培所に移植される予定。

引用元:箱根の「象徴」新天地へ 芦之湯フラワーセンター|カナロコ|神奈川新聞ニュース

とのこと。良かった良かった。

清順さんのところへ行くのなら、ひとまずは安心です。おそらくクライアントが見つかるまで、栽培所に留め置かれるのかもしれません。

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きっと、フラワーセンターにいたとき以上に、素晴らしい舞台へ立てるはず。

いまはゆっくり休んでほしい

それはともかく、温室の扉から引っ張り出せるくらい小さくなってしまったものだから、搬出先ではゆっくり体力を回復してほしいもの。

みんなの前で力強く、のびのびとした雄姿をみせるその日まで。またどこかで会えるといいなぁ。

  1. 当ブログの「植物ニュース」には入ってこなかった!何故だ!? []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。