図書館で偶然手に取った本。
いや、偶然とはいいつつ、手に取るきっかけは小さいながらもあった。NHKの「解説アーカイブ」というブログにこの本の内容に関連する記事を読んでいたから。
まだ購入していないので、今度買おうと本書をぱらぱらめくると、僕の頭の片隅にあった、ある植物が目に留まる。その植物の名前は「ヒメツルソバ」。
ヒメツルソバとの出会い
それはもう数年前のこと。はじめての一眼レフカメラを購入し、山北町をぶらぶら歩いていたときのこと。とある場所の石垣にその植物は咲いていました。
でも、ただ単に咲いていたのではありません。無理やり表現するのなら「趣味の悪いカーペットを洗って乾かしたように」咲いていたのです。
「趣味の悪い」と表現したのはその花の色。ピンクとも赤とも白ともつかない不思議な色で、それが群生している一角だけ世界が違ってみえるのです。…と、文章で説明しても伝わらないので、当時の写真をご覧いただきたい。
ヒメツルソバの写真
こんなカーペット、妹の部屋にもあったような…。そして、カーペットのパイルに接近。
じつはこの写真。それまでコンパクトカメラしか使ったことが無かった僕が、一眼レフとはこんなにも鮮やかに撮れるのかと感動した一枚でもあるのです。いまみても美しい。カメラがいいのか、僕の腕がいいのか、それともヒメツルソバがいいのだろうか…。
ヒメツルソバは秋の花
話をヒメツルソバに戻すと、どうやらヒマヤラからやってきたようで、しかも見ごろはこれからのよう。
ヒメツルソバ(タデ科)は、溝や畑、道端や空き地にも育ち、秋に多くの花を咲かせる。花は、丸い球状になって咲くので、ピンクの金平糖のような印象を与える。かわいい花なので、園芸用のものが野生化したと思われる。インド・ネパール原産である。秋遅くにまで、色も形しっかり保たれていることが多い。
引用元:『雑草の話』田中修(中公新書)
なるほどなぁ。寒いところから来た植物らしく、ある程度、寒くなっても見ることができるよう。
このとき以降、名前も知らず、ただただ「カーペットのヤツだ」くらいにしか捉えていなかったヒメツルソバ。わりとあちらこちらで見かけるので「あら。アイハラさんのお宅にもあったわ、このカーペット♪」と、街中でおばさんごっこをしていた僕。名前が分かったことでなんだか、アイハラさんがどこの店で買ったかを知ったような気分になる[*01]。
- なんて、人には言えない妄想の話 [↩]