『暮らしが変わる!観葉植物超入門』を読んで…。確かに植物は暮らしを変えます。変えますケド…。

近頃、コンビニなどでも配架されていたムック。その名も「暮らしが変わる!観葉植物超入門」。

暮らしが変わる! 観葉植物超入門 ([バラエティ])

購入し、読みました。

植物を育てる生活というのは、ホントに暮らしが変わります、良い意味でも、悪い意味でも。

『暮らしが変わる!観葉植物超入門』を読んで感じたコト

観葉植物で暮らしが変わる!

この本でも見開きにいきなり

観葉植物で暮らしが変わる!

引用元:暮らしが変わる! 観葉植物超入門 ([バラエティ])

と書いてあります。きっと、園芸を趣味とする人なら、ほとんどの方が「そうだねぇ~」と頷くはずです。

それはなぜか。

植物を生活の中に持ち込むと、そのなかに「水やり」や「剪定」など、植物へのメンテナンスが否応なく入ってきます。ここで確認したいのは、それを良い意味に捉えるのか、悪い意味に捉えるのかということ。

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僕が植物をはじめたころは、生活が変わることを理解できず、普段の生活と何も変わらないだろうとタカをくくっていました。ところが、そんな状態でいると、ことごとく植物が枯れるのです!

それを防ぐには、適切な鉢や用土を用い、植物に合わせた水遣りを施し、日々の手入れも少なからず必要…。それに気づいたのは、しばらく後のことでした。

近年、ファッション感覚で植物を育てる人が激増している感を覚えますが、それと比例するように「アタシ、植物をすぐ枯らしちゃう」と悩んでいる人も多く見かけます。

そんな方に言いたいのは、植物栽培は意外と簡単ですよ、ということ。でも、生活を変えないと難くもありますよ、ということです。

基本は多肉植物じゃん。

次に感じたのは、見え隠れする「多肉植物」の存在感

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巻頭の「観葉植物との暮らし方」のコーナーは、ほぼ多肉植物。なかにはチランジアなど、多肉にカテゴライズするのはちょっと躊躇する植物もあります。

が、ほぼ多肉植物です。

「葉を観る」=「観葉植物」?

で、思うのは、「葉を観る植物」であるから、多肉植物も観葉植物の一種なのか?という疑問。ネットで「観葉植物」の語意を調べると、

葉を観賞することを目的とする植物の総称。この言葉が日本でいつから使われはじめたかは定かでないが,横浜市役所発行の資料によると1884年ごろ,横浜市でボーマンというアメリカ人が鉢花や観葉植物を売っていたとの記述があり,すでにこのころから観葉植物がごく限られた好事家の間で収集・栽培されていたことがわかっている。しかしその当時,この言葉がどの程度普及していたかは,はっきりしない。 これまで日本の園芸関係者の間でごく普通に使われてきた観葉植物とは,おもに葉や幹・茎の形や色彩・模様が変化にとんだ熱帯植物で,その樹姿・葉姿の美しい鉢植えの観賞植物のことを指していた。

引用元: 観葉植物(かんようしょくぶつ)とは – コトバンク

と出てきます。

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ついこの前まで、観葉植物といえば熱帯植物が主に分類されていたのかもしれません。だって、世の「観葉植物」と冠する園芸本を手に取れば、大抵は熱帯植物がメインになります。けれど、本来の葉を観賞することを目的とした植物であるのなら、もはや熱帯植物だけを「観葉植物」とするのはオカシイ

だから、この本で取り上げられている「観葉植物としての多肉植物」は、正しい扱い方なのかも。もしも多肉植物を観葉植物に含まない考え方があるとしたのなら、それはちょっと違うのかもしれません。…ということに気が付きました(笑)。

流行りの「男前インテリア」系

ひと通り読んで、つぎに頭に浮かんだのが「男前な植物の魅せ方」だな、と。

ゴツゴツとした鉢に、コーデックスなどプックリとした植物。これらをヒゲ面のアンちゃんたちが生活の中に取り入れている…。シンプルさはさほど感じませんが、スマートに、そしてカジュアルに。

どうやら、このような「植物との暮らし方」がいま流行りのようです。そして「男前○○」として、多くのメディアで取り上げられているようなのです。

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僕はこの流れにとやかく言う気はありません。それどころか、羨ましささえ覚えているくらい。正直言って憧れる。

朝起きて、コーヒー片手に植物の生長具合を確認しながらベッドに横たわる恋人と会話して…[*01]。そんな妄想が沸き立つのです。いいじゃありませんか、そんな生活。

でもひとつだけ言いたいことがあります。

室内だけではサボタニは育たない。

サボテンや多肉植物、その他あらゆる植物は室内で育ちません。というのが僕の持論。

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半日陰・あるいは日陰で育つ植物は多くありますが、流通している植物の中ではほんの一部です。多くの植物は、室内の日光だけでは十分に育ちませんし、風に吹かれていた方が健康的に育つ植物も多くあります。

植物の初心者ブログをみると、とんでもないほど徒長した植物をたまに目撃します。それってインテリアグリーンブームの功罪ですよね、どう考えても。

だから僕はココではっきり言いたい。基本的に多肉植物やサボテンは室内だけでは育ちません。長く楽しむのであれば、生長期にはできるだけ外に出してあげてください。

この本でも24・25ページに、関連する内容の解説が書かれています。そう。基本的に植物は光が無ければ育たないのです。

とはいっても、生長期=いちばん美しく葉を観ることのできる季節です。そんなときは1日室内に置いていたら、2日は外に出すみたいなローテーションでも良いのかも。

要するに、なるべく外に出した方が、植物とは永く暮らせるのです。[*02]

「超入門」の「定番カタログ」だからこそ。

あと気になるのは、良くみたら「ケンチャヤシ」の写真はイラスト、たびたび登場する「ビカクシダ」は解説なし、というところかな…(笑)。

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それでも「観葉植物カタログ」に取り上げられている植物は、ホームセンターでもごく普通に販売されている植物だし、「超入門」ゆえに非常にナイスなチョイスだと思います。

観葉植物を趣味とする人ならば、きっと、ここに取り上げられている植物を経ているはず。数十年前から変わらない「インドアグリーン」といえばコレ…みたいな植物が並んでいるのだから。

フラッと立ち寄ったコンビニのラック。そこで目に入ったこのムックを購入した人には、きっとこの分野に興味のある人。それでいて、この分野を良く知らない人にとっては、現在のトレンドも知れて、ちょうど良いのかもしれません。

すでに店頭に並んでから時間が経ち、このムック本を見かけるコンビニは少なくなっています。が、まだ置かれているコンビニはあります。購入はお早めに。

追記

この本はあまり買わないほうが良いかもしれません…。という内容の記事を書きました。

  1. 非リア中の妄想はこれだけにとどまりません。あまり詳しく書くと僕の中の何かが変わりそうなので、ここでは自重します []
  2. 何様のつもりかと言われそうですが、この本を読んで勘違いしないようにという僕の助言です…! []

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。