ちょっと苦手な街、銀座。なぜかと言えば、田舎っぺが歩くような場所ではない感がプンプン漂ってくるからです…[*01]。そんなハイクラスな街の中心部で現在、西畠清順さんのイベントが2つも行われているのです!コレは行かなきゃ。
まずは『ウルトラ植物博覧会2016』へ!
【注意】会場は1階ではない。
まず向かったのは「POLA MUSEUM ANNEX」。9月25日(日)まで『ウルトラ植物博覧会2016』が開催されています。
「ウルトラ植物博覧会2016」西畠清順と愉快な植物たち
11:00-20:00(入場は閉館の30分前まで)
入場無料/会期中無休世界中を飛び回り、年間240トン以上の植物を仕入れるプラントハンター清順氏が今年も展覧会のために色々な希少植物を集めてきてくれました。2回目となる今展はSIMPLICITY 代表の緒方慎一郎氏が会場構成を担当。昨年とは全く違った空間のなか、陶芸家 内田鋼一氏が作り出す器と清順氏の植物とのコラボレーション作品をご紹介。今回も展示を通じて、今までにない新しい植物の見せ方をご提案します。
銀座駅から歩いて数分。店舗のショウウィンドウにそら植物園の植物が展示されているので、1階のドアを入る。すると、そこに現れたのは怪訝な顔をした店員さん…(笑)。そして目の前に広がるのは、キラキラと光る化粧品の数々。どうみても、清順さんの展示会場ではない[*02]!
あれ、清順さんの展覧会はどこですか?
そう訊ねると、店員さんから「あっ、会場は3階でございます」と教えていただきました。きっと僕のように間違える人はいるはず。このブログにも念のために記録しておきます。清順さんの「ウルトラ植物博覧会」は3階ですよ!
ウルトラ植物博覧会の感想。植物を要請する時代と清順さん
改めて、1階入り口横のエレベーターに乗り込み3階へ。ここからは僕の感想を記録していきます。
出迎えてくれたのはアデニウム・アラビカム。いわゆる「砂漠の薔薇」です。根元の塊根となっている部分が逞しく、カッコいい。存在感があります。
次に清順さんの経歴が事細かに、しかも時系列に沿って書かれています。
この経歴を読むだけで、その活動量たるや凄まじいものがあるなぁと感嘆せずにはいられません。さらにいえば、それほど現代は「植物」を要請し、清順さんはその布石を打ってきたのだと…。
会場で「箱根芦之湯フラワーセンター」のガジュマルを思う
続いて、大小あらゆる植物が並ぶスペース。
まさしく「珍品」が吊り下げられているなど、普段とは違った角度から植物を見上げることができて、面白い演出です。
そして僕が気になった植物はコレ。
絞め殺しの木と呼ばれる「ガジュマル(Ficus microcarpa)」です。そういえば、当ブログでも何度か記録していた「箱根芦之湯フラワーセンター」のメインツリーはガジュマルでした。
さらに調べていくと、このガジュマルを引き取ったのは植木卸問屋の「花宇」さんです。
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もしかしたらこのガジュマルは!?とも思いましたが、果たしてどこのガジュマルなのでしょうか…。
きっと箱根のガジュマルはどこかで次の出番を待ち望んでいるのかもしれません。機会があったら、箱根のガジュマルの行方を調べてみたいです。
体験するそらみみ・はつみみ植物園
他にもバオバブの大鉢が置いてある空間に
樹齢4700年と言われた松の苗木「イガゴヨウマツ(Pinus longaeva)」など…。
この展覧会は「体験するそらみみ・はつみみ植物園」なのだと実感しました。
そらみみ・はつみみ植物園に登場する植物はもちろんのこと。本では伝わらない、実物を目の前にしてはじめて伝わる情報がバババッと押し寄せてくるのです。
必ずゲットするべき図録『植物図鑑』
それゆえ、入り口で無料配布される「ウルトラ植物博覧会」の図録『植物図鑑』は「そらみみ・はつみみ植物園」の実写版とでも言えようか。映画のパンフレットよろしく500円を払ってでも手に入れる価値あり。
展覧会を楽しんだあと、帰りの電車で、または自宅で…。いや、友人に図録を見せながら思い出話を語るのにも持って来い。無料で入場できるうえ、読んで楽しめる図録をゲットできるとは、それだけで大満足(笑)。
いつか「触ってもいい植物展覧会」があったら…。
難点なのは、どうしても植物に触りたくなってしまうのです。そりゃ、常識を踏まえて触るのはグッと堪えましたヨ。
いつか「触ってもいい植物展覧会」があったらなぁと思わずにはいられません。見て楽しむだけでなく、触感や嗅覚を通しても植物を体験できるようなイベントです…。
数万人も訪れる清順さんのイベントに、それらの人々がタッチするストレスに植物が耐えられるかどうかが問題かもしれませんが…。
「植物×アート」の有効性
上記の図録『植物図鑑』にはこのようにあります。
ひとつ勘違いしてならないのが、植物はアートではない。アートの元であり、アートよりも地球上に先にあったものであることは歴然たる事実だからだ。しかしそれら植物は芸を持った人と出会うことで劇的にアートに変わる。
(中略)
かつて数々の新種を発見し、学名に記載をしていった多数のプラントハンターたちもさることながら、冒頭のように芸術、食、科学、産業などありとあらゆるジャンルに影響を与え世界を変えてきた過去の偉大なるプラントハンターが世界を変えるとしたら、なにをすべきだろう?
(中略)
そしてそれは今、“価値観を変えること”だとわかった。植物を運ぶことで事でひとりでも多くのひとにその魅力を共有し、気づきをもたらし、世の中の植物に対する価値観を変えることができたなら、世界はもう少し有機的に変わるだろうと思う。そして、それを叶えるための手段としてのアートは、たぶん有効なはずだ。
引用元:ウルトラ植物博覧会2016 植物図鑑
植物そのものはアートではない。けれど、この世界にひっそりと、時には大胆に存在する植物への気づきを清順さんは伝えようとしている。そのための手段としてアートを選び、これほどまでに多くの人の心を引き付ける…。その有効性は、展覧会を歩けばすでに実証されているのだと実感できます。
植物はあるようでないもの。ないようであるもの。けれどなくてはならないものです。僕ら鈍感な人間がそんな植物の重要性に目を向ける橋をかけてくれる清順さん。今後はどのような気づきを僕らに与えてくれるのか、楽しみです。
『西畠清順 世界の植物文様展』のチラシを貰っていくとお得!!
最後に、耳より情報をひとつ。3階会場入り口に、何気なく設置された『西畠清順 世界の植物文様展』のチラシ。これは貰っていって損はありません。
なぜなら、表紙の右上に100円引きの割引券が付いているのです(笑)。大人800円の入場料は前売り券であれば600円になります。しかし、前売り券の発売は9月13日で終了しています。
銀座の吉野家に入るのと同じくらい銀座っぽくない行為とはいえ、100円でも惜しい僕には有り難いのですヨ…(笑)。
ということで、次回は『西畠清順 世界の植物文様展』を記録します…!
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