ある日、炬燵でみかんを食べながら新聞を読んでいました。僕の地元では「タウンニュース」という地方紙が新聞に折り込まれているのですが、そこには驚きの記事が。
C・Wニコル氏と宮脇氏が講演
掲載号:2013年11月30日号
今年8月神奈川病院の敷地で行われた植樹祭
12月4日(水)秦野市文化会館で「盆地のまちの森づくり」というテーマで講演会が行われる。時間は午後6時30分〜8時。世話人は出雲大社相模分祠で、秦野市及び秦野市観光協会が共催する。
講師はウェールズ生まれの作家でナチュラリストのC・W・ニコル氏と、「世界で最も木を植えた人物」とも評され、これまでも出雲大社相模分祠が世話人を務めてきた千年の森づくりに協力してきた、横浜国立大学名誉教授の宮脇昭氏。当日は2人が自然や森が果たす役割の重要性などついてわかりやすく話す。参加費は植樹のための苗木代として1人100円。
講演に先立ち同日午後2時から尾尻で植樹祭
またこの日は講演に先立ち、尾尻八幡神社(秦野市尾尻420・ユニクロ斜め向かい)で、植樹祭が開催される。現在参加者を募集している。開会は午後2時からで植樹の終了は午後4時を予定している。
思わず、喉の変なところにみかんが入った。あの「植樹の神様」が秦野で講演!?これは行くしかないと、スケジュール調整を徹底。行ってきました[*01]。
待ちに待った開演。まずは出雲大社の宮司から挨拶があり、ニコルさんの講演。その講演内容をおおざっぱに書き記します。
C・Wニコルさんの生い立ちをまじえたアツい経歴
森林再生活動
ニコルさんはいま、長野の「アファンの森」で森林再生活動等に取り組んでいます。
そもそもニコルさんが若いころ、地元・英国南ウェールズでは環境が汚染され、沢には廃棄物、山肌は裸にされて杉ばかりだったそうです。そしてそのころ、空手の修行のために来日。
当時の日本には、川や田んぼで泥んこになりながら遊ぶ子供たちがいて、そんな自然のある日本を好きになったそう[*02]。故郷の環境は悪い状態だが、日本人が古くから受け継いだこの環境を子供たちに残したい…。以降、ニコルさんは精力的に活動を続けます。
そんなある時期、ウェールズでは地元の住民により環境が再生。5%しかなかった森林も60%になり、ニコルさんはこのとき「人間が変えた自然は人間がなおす必要がある!」と感じたそうです。
自然を通じたこどもの心のケア
また、心に傷を持った子供たちを「自然の中で育てよう」と「アファンの森」を1986年に設立。講演中のスライドショーでは、思わず涙が出そうなエピソードも…。
さらには、東北大震災の復興プロジェクトも行っているそうです。被災地の方々をアファンの森へ招待したり、学校建設について意見を述べたり。その活動は多岐にわたり、僕の想像を遥かに超えた広い世界が、ニコルさんのお話から伝わってきました。
それにしても、およそひとりの人間の半生とは思えない活動量です…[*03]。
片言な日本語だけど、それが深くて、優しい。
ニコルさんの講演は「よし!やるぞ」という気にさせられます。世界中を歩いた人だからこそ、僕らをワクワクさせる魅力が深いところにある。ちょっと片言な日本語も、また優しく、心に響くのです。とても感動的な講演でした。[*04]
次回、宮脇さんの講演内容を記します。
- 残念だったのは、「辻村伊助展」へ行っていたので、植樹祭には参加できませんでした。 [↩]
- イギリスには「セミ」がいなく、日本ではじめて「セミ」と出会い、大変驚いたというエピソードも。セミは蝶のようにどこにでもいるのかと思っていました [↩]
- Wikipediaにも、いくつか「武勇伝」が。僕が3回生まれ変わっても、同じことは多分できないだろうなぁ。 [↩]
- 調べると、ニコルさんの書籍も多数発行されています。いくつか読んでみようと思う。 [↩]