先日、こんなニュースが、我がプランツ関係情報アンテナ(以下、プランテナ)に飛び込んできました。
最新の研究によると、隣の植物の音を「聞いた」植物は、自ら成長を促進させるという。音響信号を利用してコミュニケーションを取っている可能性があるようだ。
研究チームの一員で、西オーストラリア大学の進化生態学者モニカ・ガリアーノ(Monica Gagliano)氏は、「植物が“良き隣人”を認識することを実証した。このコミュニケーションは音響的な信号の交換に基づくと考えられる」と話す。
つまり、植物は化学物質のにおいをかぐ「嗅覚」や、隣人に反射した光を見る「視覚」に加え、周囲の音を聞く「聴覚」も備わっている可能性があるというのだ。
「植物は、私たちの想定よりもずっと複雑な生物体だ」とガリアーノ氏は話す。
記事を要約すると、
- トウガラシの横に雑草や害虫を防ぐバジルなどを植えたら、早く発芽した。
- これは植物のなかにある細胞が音を出して、これを他の植物が「聴いている」のではないか。
- ってことは、植物の間で音によるコミュニケーションを図っているのかも!
ということ。
ところが、この記事と一緒に意味不明な情報もプランテナに引っかかる…。「奇跡のリンゴ」木村秋則さんを引き合いに出して、人間と植物との会話にも当てはまるかのような、誇大解釈しているブログ…。いやいや、まだそこまで解明されていないのでは?ただ、植物が会話しているというテーマは、なんだかワクワクしてきますね!
さて、記事中に登場する「良き隣人」とは、「コンパニオンプランツ」のことを指しているのだと思います。
コンパニオンプランツとは、共栄作物とも呼ぶ農学、園芸学上の概念。近傍に栽培することで互いの成長によい影響を与え共栄しあうとされる植物のことを指す。
センチュウを予防するマリーゴールドと一緒にマメ類を植えると良いとか、トマトだったらチャイブでしょとか…。野菜の園芸書籍を読むと、結構登場するキーワード。ただし、コンパニオンプランツの組み合わせも大半は非科学的なものが多く、まだ本当のところどうなの?という段階のようです。
で、今回の研究。そもそもは植物のコミュニケーション方法の有無を確認するものなのかもしれませんが、その仕組みが解明されれば、コンパニオンプランツのどれとどれが正しいのかが分かるのでは?
逆説的かもしれませんが、植物に「隣にバジルくんがいるけど、仲良くやってんの?」なんて聞いた方が楽に決まっています。そんな未来が訪れたとき、思いもよらぬ植物との組み合わせが発見されたら、何か笑えます。砂漠の植物と熱帯の植物が相性良かったり…。
植物同志だけでなく、「俺は御影石と一緒にいると落ち着くんだよね」とか「実はあたい、犬の小便が性に合うんだよ」と、植物の個性も分かったりして…。まぁ、まだまだ先の話です…。