僕らは「土離れ」しているなぁ…。シンポジウム『つち・とち・いのち~土のことを語ろう』へ参加!

12月5日は「世界土壌デー」。この日に六本木で『つち・とち・いのち~土のことを語ろう』というシンポジウムがありました。

今年は『国際土壌年』。「土壌」のシンポジウムに行ってきました!

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国際土壌年って?

今年は『国際土壌年』だそうで、「国際土壌年2015応援ポータル」には、

去る2013年12月20日、第68会期国際連合総会で国連食糧農業機関(FAO)に事務局を置く地球土壌パートナーシップ(Global Soil Pertnership)主導のもと、次の2つのことが宣言されました。

一.12月5日を世界土壌デーとする。
二.2015年を国際土壌年とする。

引用元:国際土壌年とは? | 国際土壌年2015応援ポータル

とあります。平たく書けば、あらゆる生命を維持する土壌を正しく認識し、理解し、守っていく。ただし、具体的に何をすべきかということは決まっていないようです。

けれど、実はなにをやるのか、どうやって進めていくのか、具体的なことは何も定められていません。責任もありません。
わたしたち一人ひとりが動かなければ、国際土壌年はかたちのないものなのです。

引用元:国際土壌年とは? | 国際土壌年2015応援ポータル

「土壌」ときくと、あまりにもスケールが大きくてピンときません。しかも「土壌」について僕らが起こすべきアクションも、何をしたらいいのやら…。

『つち・とち・いのち~土のことを語ろう』シンポジウムへ

ということで、上記のシンポジウムへ行ってきました。

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歴史上では土壌汚染による文明の崩壊が起きているそうで、その原因として、

  • 塩類集積
  • 土壌の劣化
  • 浸食(砂漠化)

などいくつかあり、すでに地球上の1/4の土壌は劣化。15億人もの人間が危機にさらされているのだとか。

僕らは「土壌離れ」している

土壌というのは、人間が生きていくうえであまりにも多くの事柄が絡んでいます。人間が思うがままに土壌に負荷を掛け続けていると、いつか大きなしっぺ返しが来る…。

photo credit: Drought texture via photopin (license)
photo credit: Drought texture via photopin (license)

それなのに僕らは、地面をコンクリートで固めたうえ、ふつう、授業で学習することもない。「見て見ぬふり」というか、見ても土壌についてなんてあまり考えない。まさに「土壌離れ」しているように思います。

「土壌」のシンボライズ化&認証という提案

慶応義塾大学教授の大沼あゆみさんは、環境経済学の観点から「自然の恩恵を人はタダで受けている。それなのに、土壌については貢献が間接的で、評価されにくい」と指摘。

ならば、「土壌」をシンボライズ化し、認証をつくってプレミアを付けたらどうか…という提案が印象的でした。土壌が間接的に社会へ貢献しているのなら、企業などが認証を購入して保全していくべきだ、ということ。

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そして、基調講演をされたC・Wニコルさんも「認証のシンボルはミミズが良い」と賛同(笑)。

確かに、粘土などを使う色鉛筆にそのような認証があって、図工の時間などにその認証と役割について学習できたら、少しは土壌への理解も深まるのでは?と感じます。

未来を生きる人たちへ

また、北海道芽室町で農業を営んでいる黒田栄継さんは、農地が減っているのは非常にさみしいこととして、こんな言葉を語っていました。

農地は時を超える。未来を生きる人たちから借り受けた農地をいかにして受け渡すか。我々の責任はそこにある

土壌を資源として考えれば、もはやそれはあらゆる事柄が密接に絡むゆえに、国民全体の資源であるとも。

僕もこれから、土壌の役割や重要性に、できる限り目を向けて行こうと思います。そしていつか、土壌の大切さを誰かに伝えることができるように…。

この記事を書いた人

mokutaro

植物好きが高じ鉢物業界に飛び込んだアラサー男子。群馬県に移住し、毎日、食べ(られ)ない嗜好性の強い植物とまみれています。 園芸を考えるブログ「ボタニカログ」を運営中。