「珍奇植物・ビザールプランツ(Bizarre Plants)」って何だろう。ほんとうの意味と、僕らがこれからするべきこと。

前回、珍奇植物を取り扱った番組について、記事を書きました。ここからは僕の思ったことを書き記していきます。

「珍奇植物・ビザールプランツ(Bizarre Plants)」がよく分からなくなってきました…

「珍奇植物・ビザールプランツ(Bizarre Plants)」って何だろう

「珍奇植物・ビザールプランツ(Bizarre Plants)」って何だろう

まず、「珍奇植物」の定義が揺らいでいるなぁ、と感じます。

「珍奇植物」は高くて「レア」。そう思っていました

センセーショナルに「ビザールプランツ(Bizarre Plants)」という御旗のもと発刊されたブルータス。

これを読んだ僕の直観は

珍奇植物は珍しい。ゆえに価格も高く、ハイグレードな植物が「ビザールプランツ」とされてしまう

参考:『BRUTUS』2015年9月号を読む。「珍奇植物(Bizarre plants)」とは、ハイクラスな植物である。 | ボタニカログ

と感じました。珍奇植物はそもそも、あまり出回ることがないからこそ「珍奇」であって、だから「レア」という付加価値がつくのだと…。

時代によって変わる「珍奇」さ加減

しかし、先日放送された「沸騰ワード10」では、ありきたり(*01)な植物も、まるで「珍奇植物」のように取り上げられていました(*02)

さらには、エアプランツのシーンを観ていたときのこと。いまは「珍奇植物」かもしれないけれど、流行のために生産が増え、供給が追い付けば「珍奇植物」ではなくなるのではないか…?そんな疑念が頭をよぎったのです。

江戸園芸が盛んだったころに比べれば、なんとも日本の園芸文化は変わりました。西洋の園芸手法が輸入され、バラなどの花卉が流通。新しい種類の植物は、あっという間に江戸園芸を飲み込みました。

きっと、この時代の人たちが現代に流通している植物をみたら腰を抜かすはずです。…と書いている僕も、100年後には新しい植物の発見や開発で、腰を抜かすに違いありません(*03)

「珍奇植物」の定義って何だろう?

そう考えると「珍奇植物」の定義がよく分からなくなってきませんか。

そもそも、珍奇植物はどれなのかと選定するのが難しい話で、流行や廃れによっても、珍奇な植物は変化するように思うのです。珍奇だと思う植物は時代によって変わるのですから。

ならば、この「珍奇植物」とは何なのか。僕らはどう捉えればよいのか。

このことを考えたとき、答えは歴史にあるのかもしれないと気が付きます。明治維新の時代、西洋から新しい植物が輸入され、日本の園芸文化を変えてきたように、いまも同じことが起こっているのはないでしょうか。

「珍奇植物」=「未来に流通する植物」?

実は、この「珍奇植物」というカテゴリーは「レア」でも「ハイグレード」でもなく、単純に未来に流通する植物なのではないか…。そう感じてきたのです。

「珍奇植物」をただ「価格が高い」とか「管理が難しい」などと思考停止をしてはダメで、実は、今後少しずつ流通量の増える植物なのだと捉えるべきです。そうすれば、上記のエアプランツについても説明がつきます。

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また、LED照明や加温器具の進歩もあり、一昔前であれば個人が栽培するには難しかった植物も、いまでは比較的容易に育てられるようになりました。サボテンや多肉植物の間違った栽培方法も、少しずつ取り払われ、一部の蒐集マニア(笑)から解放されつつあります。

一昔前の(凝り固まった)園芸文化が、きっかけがあれば大きく変化する…。そんな前兆を予感させます。

なんてことはない「珍奇植物」はただのコピー

つまり、「珍奇植物」とは、今後流通させたい植物をどこかの誰かがインパクトのあるカテゴリー名で括ったもの。勘の良い人なら「流通のためのコンセプト」であると気が付いたかもしれません。

あと一歩のところにある、珍奇植物を普及させまいとするストッパーをいま、どこかの誰かが、どうにかこうにか外そうとしているのかもしれません。

だとすると、植物愛好家の僕らは何をするべきか。それはきっと、地道に未来に流通するであろう植物を分け隔てなく育て、栽培方法を広めること。こんな植物があるよと紹介すること。

もし普及を阻んでいるストッパーが外れたとしても、大量に植物を枯らさなくても済むように…。

そして、それらを後世に残していくこと。こんな時代があったのだと、歴史として遺していくのも大切です。

「珍奇植物」だから難しそうとか、「高いから枯らせない」とか、やらない理由はいくらでもあります。でも、機会に恵まれたのなら、恐れずに育ててみるべき。そして、この情報化社会の中に、栽培経験を流し込んでほしいと思います。

ほんとうは「珍奇植物」だなんて近寄り難い言葉で飾るのではなく、もう少し開かれたネーミングであれば良かったのになぁ…。一体、どこのだれが名付けたのやら。

この記事の脚注

  1. といったら語弊があるかもしれませんが、スタンダード []
  2. その「沸騰ワード10」についての説明をした記事はこちらからご覧ください。 []
  3. 生きていればのハナシですが… []
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