立てば芍薬座れば牡丹歩く姿はなんとやら…。

父親が買ったクロスワードの雑誌。1問も解き終えず、新聞ラックへ投入されていました…。なんてもったいない!それなら僕がやる!と、最近は暇さえあれば、数少ないボキャブラリーから単語を引っ張り出しています。

綺麗な諺を見つけました!

クロスワードが面白いのは、自分がそれまでに知りえなかった単語を、解いて初めて知ることができること。苦労して知った言葉は意外と覚えていたりする…。

そのなかでも特に印象的な言葉を発見。それは…、

「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」

です。

諺の意味

どうやら、女性の容姿を評する諺のようで、

芍薬も牡丹も共に美しい花で、百合は清楚な花であることから、美人の姿や振る舞いを花に見立てて形容することば。
芍薬はすらりと伸びた茎の先端に華麗な花を咲かせ、牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつける。百合は風を受けて揺れるさまが美しい。
これらのことから、芍薬は立った見るのが一番美しく、牡丹は座って見るのが一番美しく、百合は歩きながら見るのが一番美しいという説がある。
また、芍薬はまるで美しい女性が立っている姿のよう、牡丹は美しい女性が座っているよう、百合は美しい女性が歩く姿のようだなど、諸説ある。

引用元:立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花 – 故事ことわざ辞典

と、ネット上にはありました。

photo credit: Nullumayulife via photopin cc

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女性を花と見立て、言葉の中に3つもの植物を入れてくる、オシャンティな諺。知った瞬間「あぁ、綺麗な組み合わせだなぁ」と感じました。花=美しい=女性といった構図が、どちらにも比喩がかかっていて、イメージしやすいのです。花を良く知らなくても、きっと綺麗な花なんだろうなと、想像もつくし。

と同時に、そのリズム感がまた良い。困ったことに、あまりにもリズムが良いので、特に意味もなく頭の中でリフレインするのです(*01)。頭からなかなか離れません(笑)。

諺に含まれる3つの花

この言葉に含まれている3つの花。これらはいったいどんな花なんだろう。ということで、挙げておきます。

芍薬

まずは芍薬(しゃくやく)。

すらりと伸びた茎の先端に、美しい花が咲く。このことから立ってみることで美しく鑑賞できるそう。

牡丹

次にボタン。「芍薬」も「牡丹」も同じ「ボタン科」の植物。だから、花の形や咲き具合がそっくりです。

photo credit: Kabacchi via photopin cc

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何が違うのかというと、Wikipediaには、

牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれる。ボタンが樹木であるのに対して、シャクヤクは草本である。そのため、(シャクヤクは(*02))冬には地上部が枯れてしまい休眠する。ボタンの台木として使用されるが、シャクヤク自体の花も美しく、中国の宋代には育種が始まった。

引用:シャクヤク – Wikipedia

とあります(*03)

諺では、座って鑑賞するのが美しいとか。樹木か草木かの違いで、似たような花の鑑賞方法も異なるとは、興味深い(*04)

百合

そして、「歩きながら鑑賞すると美しい」というユリ。

photo credit: kirainet via photopin cc

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この鑑賞法には、実体験を持って賛成できます。

日本の山野などにも多く自生し、季節になれば簡単に見つけることができる。その上、自然の中に溶け込んで、花を咲かせた瞬間に高く伸び、あたりの風景を良い意味で破壊するのです。その光景が僕にとっては結構好きで、ユリを散歩中に見かけたりするシチュエーションに幸せを感じるのです(笑)。

まとめ

「立てば芍薬…」の花たちを現代の女性に当てはめると、若干の違和感も否めません(少なくとも僕にとっては)。が、花のような美さを髣髴とさせる「しぐさ」や「振る舞い」を、ふとした時に感じる女性もいたりする…(*05)

ボタニカルなことわざ。他にもあるかも!

こういった植物を意味づけた諺は、探せばきっと多くあるはず。古くから使われてきた言葉には、やっぱり大切な意味が含まれていて、だからこそ残っているもの。そしてその植物への見方にもやはり、普遍的な感覚が込められているのだと思います。

またボタニカルな諺とか慣用句を発見したら、ここに記録しよう。

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この記事の脚注

  1. 今朝も起き抜けに「たてばしゃくやくすわればぼたんあるくすがたはパピプペポ」と口ずさんでいました []
  2. 筆者註 []
  3. パッと見ではなかなか見分けがつかないだろうなぁ…。ボタンとシャクヤクを調べると、その歴史は古く、かつ栽培法に関しても試行錯誤があったみたい。それを深く探るのも面白そうです []
  4. ただし、上記のwiki引用にもある通り、シャクヤクを台木としたボタンが流通する場合もあり、一概に横から眺めて美しいとは、現代では異論が存在する可能性も… []
  5. ボタンの花が「高嶺の花」の象徴であったことからも、女性はかくあるべきという格言だったのだろう []
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